前回は小豆島の小瀬の重岩に行ったところまで書きましたので、今回はその後に歩いて 讃岐十景富丘八幡神社 へ行ったお話です。
小瀬の重岩から富丘八幡神社への道や、「男はつらいよ第46作寅次郎の縁談」のロケ地で、讃岐十景の一つ小豆島 富丘八幡神社なんかに、もしご興味がおありでしたら、どうぞお読みください。
価格などは2020年1月のおのです。また、この記事は全体の文字数が約9174字です。
目次
小瀬地区から戸形崎、千軒
今回小豆島を訪れたのは、もともと今回の富丘八幡神社へ行きたいと思ったからなのですが、フェリーから重岩を見て、立ち寄りました。
なので、小瀬の重岩から歩きはじめる様子から書いていきます。
土庄港から、こちらの道(香川県道254号)を通ると富丘八幡神社へ行くのは遠回りになるので、直接行かれる方はこの道を通りません。
googleさんはこちらの方が近いから、土庄港から来た道を戻るようルートを提案してきます。
しかし、僕はいかに早くても、やはり元の道を行くよりも見たことのない道を通りたいという気持ちがありますので、「遠回りの見たことのない道」を選びます。
やや疲れはじめていたから、もちろん早くて近い道を提案してくれるのはありがたいけれど、合理的な事だけを選択するわけではありません。
ふらっと重岩に立ち寄ったのだから、ふらっとぐるり前島地区をまわってみたい、という気持ちになりました。
バスもこの道を通るし、ちょうど時間も合うので、乗ってもよいのだけれどという気持ちになりましたが、やはり写真なんかを撮って歩くのに、バスは早すぎるんですよね。
道の途中にこうした亀神社があって、ああ見てみたい、と思ってもバスだと気づかず通り過ぎて行くか、見逃してしまうので歩くことにしました。
そう考えると、足が前に進みます。
海岸沿いの道だから、きっといろんな浜辺も見られると思います。
僕は土庄港から来たのですが、もしエンジェルロードの方から来られたら、重岩へはこちらの看板から狭い道に入ります。
ちょうど戸形崎のあたりで、後ろからオリーブバスがやってきました。
土庄港から東回り、西回りの路線があるようです。
戸形崎というところに着きました。
そういえば初夏に小豆島のこいのぼりが海にかかることがあって、それがここなのですね。
以前は小学校の校舎としてされていた建物で、今は公民館となっているそうです。
「ウミガメ産卵の地」という石碑がありました。
以前にこちらの浜辺で、ウミガメが産卵したことがあったようです。
「亀神社」というのがあるくらいだから、昔から亀がたくさんいたのでしょうね。
峠を一つ越えると、眼下に千軒地区が見えてきました。
歩いている時には、先が見通せるというのは勇気づけられるところで、この先のカーブを曲がれば、この坂を超えればあの辺りに行ける、という気持ちになります。
特に何か看板があったわけではないけれど、海水浴場のような砂浜が広がっていました。
帰宅して調べると「千軒海水浴場」となっていました。
小豆島にはたくさんの「○○ビーチ」がありますが、こちらの情報はあまりなかったです。
この道路の表示には「ここから土庄港まで5km」の表示がありました。
こうして何となく歩いて来た距離がわかるのは、面白かったところです。
この道沿いにも、亀神社がありました。
この先はきっとヘルシービーチにつながるのだと思います。
ヘルシービーチ、鹿島海水浴場
まあ、僕もこんなにも地味に道が続く記事にするつもりはなかったのですが、そのことを書くのをやめる気は全くないので、書いておきます。
道沿いにはまた祠が見えましたが、海の側にはヤシの木が並んでいます。
古くからのこうした信仰の対象と、近年になって増えたのであろうリゾートっぽい雰囲気が混合しているのも、小豆島の魅力の一つです。
ヘルシービーチはシーズンオフなので、人の気配はなくてひっそりとしていますが、キャンプ場があるようです。
おそらくヤシの木が南国っぽい雰囲気にさせているのだろうと思います。
きっと夏には多くの方で賑わうのでしょうね。
さらに進むとトンネルが見えてきました。
その手前には土庄港まで6kmの道路標示がありました。
トンネルの前には地蔵がありました。
トンネルには「千軒隧道」と記されていました。
二つのトンネルを歩きましたが、中は道がやや狭くなっているので、通行には注意が必要です。
トンネルの向こう側には、江洞窟という場所があるようなのですが、少し海岸沿いに行かねばばりません。
もし、時間と余裕があれば立ち寄りたいけれど、今回は目的地に着かねば行けないので、寄りませんでした。
また機会があれば見てみたいところです。
さらに歩みを進めると、前方には二つ目のトンネルが見えてきます。
こちらは「柳隧道」という表示がありました。
トンネルの傍には地蔵がありました。
柳隧道を超えると、少し道がひらけていました。
この先には「樹齢千年のオリーブ大樹」があるそうです。
なるほど、この奥に行けば見られるのだと思います。
オリーブ商品を手掛ける会社なのですね。
スペインから植樹されてきたのだそうで、時間内であれば見学できるようです。
もちろん車であればすらっと坂を上って見てみたいところですが、この時点で僕にはその余裕はありません…。
お地蔵さん、そろそろ着きますか?と尋ねそうになったところで、向こう側に海が見えました。
そしてその中にマルナカの赤い「m」の看板が見えました。
特にマルナカが好きだ、ということではないのですが、何となく安心感というか、あそこまで行けば、少し休憩できる場所があるかも、という気持ちになりました。
文明万歳!
行く先が見えてくると、疲れもやや軽くなります。
道沿いになったこちらの神社は「鹿島明神社」だそうです。
歴史のある、昔からの神社なのですね。
この地点で土庄港から8kmの表示がありました。
もちろん遠回りをしているからその距離になるので、本来ここ鹿島地区から土庄港までは「1.5km」との表示もありました。
まあ、普通は近い方を行きますよね。
僕もこちら側を行ったのははじめてでした。
でもやはり後から思うと、行って見てよかったなと思います。
ここにも砂浜が広がっていまして、こちらは鹿島海水浴場。
広くて長い砂浜で、傍にはいくつかのホテルや旅館もありました。
自転車で地元の小学生が通り過ぎて行きます。
ここが集合場所になっていて、遊び場になっているのですね。
重岩から下りて1時間くらい歩き、マルナカまで来ました。
フェリーのうどんだけだったので、少しお腹が空いたのでおにぎりを買って食べました。
こんなに長い距離を歩いて、という計画ではなかったので10分ほど休憩しました。
マルナカには各店舗に必ずイートインのコーナーがあるので、利用されている方も多くいます。
以前には何も言わずにレジで買って食べられたのですが、今は「ここで食べます」と言ってください、と書いてあります。
ほとんどそんなことをレジで言っている人は見たこともないけれど、僕はそのことをここに書くつもりでいたので、「ここで食べます」と伝えましたら、レジの方も「えっ?あっ!」という感じでした。 混みあうレジで「これは持ち帰り」「これはここで食べます」なんてされたら、もううんざりという感じ。
その都度申告するのはお互いに大変なので、そのうち何にも言わずに食べることが普通になるのではと思います。
でも、少し休憩したら、何となく行けるかな、という気持ちになってきました。
エンジェルロードから 讃岐十景富丘八幡神社 へ
ホテルや飲食店の並ぶ界隈を歩いて抜けていきます。
小豆島国際ホテルの前には、駐車場がありました。
エンジェルロードの駐車場ですが、この日はそんなに車は停まっていませんでした。
普通であれば見に行こうか、となるのだと思いますが、こちらは素通りです。
今回は富丘八幡神社です。
エンジェルロードの駐車場から、ふっと海の側を見たら、小高い山とその嶺に神社らしき建物が見えました。
もしかしたら、あれかな、結構上の方だな、という気持ちになりましたが、目的地が見えたのはよかったところです。
しかし、googleさんのマップを広げると、山の向こう側から回り込むように案内されました。
ムムム、あと30分…。
橋の手前に交差点がありまして、ここを左へ曲がって行けば、そのまま土庄港へ向かえます。
信号を渡ると、もういいかな、また来ようか、という気持ちになりました。
しかし、どこからか声のようなものが聴こえてきます。
「もう少しだけ、あの角の交差点まで行ってみなよ」
他の誰かでもなく、もちろん僕の心の中の声だったろうけれど。
そうだね、もう一つ先の交差点でも戻ることは出来るからね、と先に進みます。
すると、工事をしているのか、囲まれた場所の中央に「国立公園八幡山」と「讃岐十景」の石碑がありました。
ありました讃岐十景。ここが富丘八幡神社の入口になるのですね。
このことが、行ってみたい、見てみたいという気持ちを奮い立たせます。
「絵になる風景」の看板もありました。
なるほど、お祭りの時の会場になるのですね。
確かにgoogleさんのマップには表示されないような道ですが、参道がその奥に続いていました。
鳥居もあるから、ここから行けるのでは、と思って進むと神社へ行けるようになっていました。
路地を抜けると、隣には学校のグラウンドが広がっていて、その先は何か城壁のような石が積まれている場所が見えます。
はじめて見たら何かわからないですよね。
僕も何かはわかりませんでした。
城壁の石積みの様でもあるし、お墓か何かのようにも見えました。
富丘八幡神社の桟敷
近づいてみると、看板があって、なるほどと思います。
なるほど、桟敷というところらしく、お祭りの際にここから見物して団欒する場所なのだそうです。
よくよく見てみると、確かに敷地がそれぞれ区切られていて、石の積み方や模様もまちまちです。
桟敷の作り方なんかにも、決まりがあるのですね。
その間に上に上る階段も大小いくつかあります。
ここから皇踏山を見ると、また雰囲気が違いますね。
何台か車やトラックが停まっていましたが、きっとこの広場のようなところでお祭りがあるのでしょうね。
少し上ると、また違う桟敷が続くので、なかなか雰囲気がよいところです。
きっとここに集まって、というのが楽しみになっているのでしょうね。
何がどうということもないのですが、こういう雰囲気の桟敷を見るのははじめてです。
劇場というのとはまた違うけれど、山に石を積み上げて、観覧する場所を作るなんて、何だかよいですよね。
これまで行った場所から、そんなに遠いところではないのに、ここに来るまで僕は知りませんでした。
人もいなくてひっそりしているけれど、雰囲気のよいところなので、是非立ち寄ってみてください。
富丘八幡神社若潮の塔
桟敷の階段の次には、上への道がありました。
階段やこの道は車では行けないから、googleさんもその辺りを考慮しているのでしょうね。
ここは徒歩でしか行けないから、そこまでは調べられないし、調べても行く人が多くはないのでしょうね。
すでに読めなくなってしまった石碑がありました。
その奥には少し展望所のようになっていて、エンジェルロードの方面が見えました。
ちょうど道が塞がってしまっているところでした。
「ふるさと乃 祭り太鼓の 音〇れ」現地でも写真をも見ても、どうしてもその間の文字がわかりませんでした。
坂を上がっていくと「若潮の塔」とありましたので、立ち寄ってみます。
なるほど、若くして戦死した方々の慰霊碑なのですね。
銘というのか、総理大臣の名前があったので、どなたかと思ったら田中角栄氏でした。
大平さんのは見たことがありましたが、角栄さんのははじめてだったので、珍しいなと眺めました。
彫像や石碑などが並んでいます。
フィリピンで多くの方が戦死されていて、後年エンジンを遺骨代わりに引き揚げたのだそうです。
ケースには入っているものの、エンジンそのものがまだ燃えているようなそんな感じです。
戦地へ赴く前に、彼らもこの風景を見ていたのかもしれません。
富丘八幡神社 覧魚崎
さて、さらに階段を上ると、長い階段が見えてきました。
おお、ここはまさに寅さんがぬいぐるみを売っていた場所です。
後で知ったのですがこの場所は「覧魚先崎」というのだそうです。
ベンチがあるのですが、年配の方2人が楽しそうにおしゃべりしていました。
あの島はどうとか、船がどうとか、楽しそうにされていたので、そのまま階段を上ります。
確かに魚を眺めていたくなるような景色です。
絵馬殿という建物が見えてきましたので、まずはそこまで上がります。
上がってみてからわかったことですが、ここに駐車場があるので、車ならばここまで上がって来られるのですね。
僕も自分の疲れている状況を考えても、こちらの方が便利な気もしましたが、きっとこちらから来ると桟敷や若潮の塔は見られないのだろうと思います。
そう考えると、歩いて上って行くのも他の方とは違う視点で観られるから、それはそれでよかったと思うことにします。
しかし次来る時には車だなと思います。
富丘八幡神社の境内
絵馬殿にはたくさんの写真などが飾ってありましたが、そこを抜け、まずはお参りします。
ここが富丘八幡神社になりますが、寅さんの映画では獅子舞が奉納されていました。
当時は全くわからなかったのですが、獅子舞が各地で盛んな香川の文化を表していたのですね。
獅子はおそらく秋祭りだろうから、その撮影のために地元の方がされたのでしょうね。
奥には五宮神社があり、
西側には護国神社や神馬などがありました。
屋根のついた方には、丹波佐吉作の神馬だそうです。
こまいぬ探究会の方が見つけられたそうです。
「こまいぬ探究会」というのがあるのですね。
さらに隣には「福禄寿」が祀られていました。
小豆島の七つの八幡神社に七福神がいるのだそうです。
東側には神輿庫と若宮神社がありました。
ちょうど今改修工事中の様でした。
遥拝所とあるので、何かこの先にあるのかと見てみましたが、わかりませんでした。
本当はこの辺りにはたくさんの古墳があるそうで、それも見てまわりたいところですが、あいにくこの日は全ての力を使い果たした模様です。(何とか土庄港までは帰らねばならない…)
最後に渥美さんが奉納されたサインと写真を見て、来た道を戻ります。
誰もいないのですが、何だか新春の雰囲気や威勢の良い声が聴こえてきそうな気がしました。
少し曇ってきていましたが、太陽が少し出てくると、エンジェルロードもなかなか良い雰囲気ですね。
讃岐十景富丘八幡神社 の景観です。
帰りには、年配の方に替わり若いカップルがベンチで写真を撮っていました。
地元の子なのか、「この階段を上らされた」なんて言っていました。
ここからちょうど土庄港が見えたので、フェリーの時間を調べたら次の便は16時半でした。
この時15:55で、もう次の便でもよかったのですが、行って見るか、と歩き出します。
今回は神社を見に来たけれど、また古墳を見に来たいなと思いながら桟敷を離れました。
土庄港から高松港へ
googleさんによると、八幡神社から下りたところから土庄港までは歩いて「約30分」と表示されています。
ムムム、間に合うだろうか、と思いつつ行ってみます。
ちょうど帰りにはちょうど良い時間なのか、車の方も皆さん土庄港へ向かっていました。
まあまあ急ぎ足で(と言ってもほぼ全力で)、土庄港には出航4分前に到着できました。
よくよく考えてみると、毎回往復で買っていたので、ここで高松行の乗船券を買うのははじめてです。来た時同様大人700円。
第二しょうどしま丸に乗船です。
とても驚いたのですが、船内はほぼ満席でした。
そうでした、16時半の土庄発高松行きのフェリーは混んでいるのでした。
トレッキングのような恰好をした、年配の団体の方や若い方、海外からのお客さんも大勢乗っています。
そして、この日僕がもっともショックを受けたのは、屋外デッキへの「通行禁止」でした。
ムムム、こんなこともあるのだろうかと売店で尋ねると、塗装がどうとか何とか言っていました。(よく聞き取れない)
まあ、疲れていたし、仕方がないと本日2度目のフェリーうどんを食べることにします。
行きでは「わかとろ」にしたので、今回は「きつね」です。
ちょうど夕方のお腹の空く時間だけれど、誰も食べていなかったので、食べ始めます。
やはり「あげ」は甘いので、僕は最初に食べてしまいます。
すると、うどんを食べているのを見て、一人、二人とうどんを注文し始めました。
確かにはじめて乗る方は、誰も食べていなかったら、どうやって頼んで食べたらよいのかわかりませんよね。
最後には海外の方も来ていたから、「うどんフェリーの正しい食べ方」(そんなのがあるか不明だが)を見せなければと、やや緊張しました。
食べ終え、後方のデッキに出ると、ちょうど左手に重岩が見えました。
来る時によりも、場所がリアルに感じられたので、あんな感じだったかな思いながら見送ります。
やがて、小豆島が遠ざかり、女木島が近づいてくると、瀬戸内海の夕景が広がりました。
季節や天気によっても違うけれど、ここから眺める瀬戸内海は何度見ても綺麗だなと思うのでした。
帰宅してみたら、この日は約2.8万歩で22kmほど歩いていたようです。
さすがに少し足が痛かったですが、あちこちまわることができて楽しかったです。
なかなか小豆島に行く機会も限られていますが、また季節の良い時なんかんに訪れてみたいなあと思いました。
お近くに立ち寄ることがありましたら、是非訪れてみてください。
それでは、今日はこの辺で。
いつもお読みいただきありがとうございます。