うみの図書館、春先に話題になっていて、これはリアルな「海辺のカフカだ!」なんて心の中で思っていたのだけれど、本当にあるのだろうか、なんて半信半疑でした。
だって、津田の松林がある美しい海辺に、「私設図書館とゲストハウス」だなんて、そんな夢みたいなことをしている人がいるの?と誰でも思うじゃないですか。
一人で行くと変なテンションになりそうだったので、奥さんも一緒だったすなはまフェスティバルの帰りに、ちょっと寄ってみました。
夢のような気がするけれど、本当にあった「うみの図書館」、そしてその帰りに新しくオープンしていた津田のカフェ「ごんべや」さんに寄ったことを書きますので、ご興味のある方の参考になれば幸いです。
目次
- 津田の松原に私設図書館?
- うみの図書館の場所
- うみの図書館へ路地を行く
- うみの図書館の中へ
- うみの図書館 漂流文庫の部屋
- うみの図書館 海のまつわる本のスペース
- うみの図書館に「海辺のカフカ」
- 暮らし商店ごんべや
津田の松原に私設図書館?
ちょうど何年か前に、仁尾の父母ヶ浜が人気で盛り上がっている、という話になっていて、「ええ、何かある?」という感じだったのですが、過去一年間で訪れた方が51万人、経済効果は52億だったそうで、すっかり人気の観光地になりました。
西の方は盛り上がっているけれど、東の方はどうだろうか、と思っていたら、同じ海岸沿いの津田の松原が盛り上がっていました。
もともと漁業が盛んで、シラスとかを加工する工場が立ち並んでいるのだけれど、そこにグラノーラ屋さんピザ屋さん、砂浜でヨガ、朝市なんかがはじまり、前回の記事すなはまフェスティバルまで、きたところです。
そんな中、僕がかがわに来てから最も驚いたニュースの一つが、津田に私設図書館ができた、というニュースでした。(ブルートレインも同じくらい)
瀬戸内海望む「うみの図書館」…宿泊もできる施設、香川・さぬき市に開館
読売新聞オンライン
香川へ本の旅 瀬戸内海が生んだ「うみの図書館」の魅力とは
NHK高松放送局かがわWEB特集
ムムム、そもそも私設の図書館なんて、あまり聞いたことがないし、それを津田の海辺に作って、ゲストハウスもしているなんて、これは、まるで「海辺のカフカ」ではないか、という気持ちでした。
出来たてや夏のシーズンが終わる頃、ちょっと行ってみたいなあと思い、津田の松原から、海岸沿いを歩いていきます。
うみの図書館の場所
まあ、なかなか行かない場所なので、うみの図書館の場所を少し詳しく見ていきますね。
津田の方以外、きっとかがわさんの大半もご存じない場所です。
香川県の海岸部、どちらかというと東側、徳島、神戸、大阪方面に近い方です。
瀬戸大橋と明石大橋、どちらを渡っても同じくらいの距離です。
まあ、もし来られるとしたら「津田の松原(つだのまつばら)」を目指してくるといいです。
高松からだと国道11号線で約40分、高松と阪神間を往来する高速バスも「津田の松原SA」で停まります。またJR高徳線の「讃岐津田駅」から歩いても行けます。
比較的いろんな手段で行けるから、行きやすい場所です。
讃岐津田駅からうみの図書館は歩いて10分~15分、
津田の松原サービスエリアからうみの図書館は歩いて20分から30分、
津田寒川ICからは車で約5分、津田東ICからは同じく10分くらいです。
車で来た方は、どこに車を停めたら良いか迷いますよね。
僕は津田の松原に停めて歩いたけれど、ほとんどの方が「ふるさと海岸」と呼ばれる海岸沿いの広い道に停めていました。
僕もかがわに来たばかりの頃は「ここは停めていいのだろうか?」なんて思っていたけれど、何日も続けて停めなければ大丈夫です。
かがわさんから見ても、
「え?こんなところに何があるん?」
という感じですよね。
僕も、ここには普通の住宅しかないないだろう、という気持ちです。
でも、うみの図書館は確かにあったし、僕も見てきたので、信じて行ってみてください。
ふるさと海岸のすぐ隣の道は広くて、車を停められる道ですが、「うみの図書館」は一つ路地を入っていく住宅地の通り沿いです。
では、実際に歩いて見て行きますね。
うみの図書館へ路地を行く
ふるさと海岸の傍の道は、比較的わかりやすいです。
写真の左下隅に、「うみの図書館」とありました。
隣に防風林の松は植えられていて、その向こうは砂浜の海岸です。
古い街並みを抜け、防風林になっている松林を抜け、防潮堤をこえて海岸に出る。 (海辺のカフカ第25章)
わあ、まさにこの描写の通りです。
僕は逆に、松林から古い街並みに戻るように入り組んだ路地へ入っていきます。
「うみの図書館」の立て看板、この辺だろうなあと見ながら歩いていたので、すぐに見つかりました。
この先は通りぬっられるのだろうか、とやや不安になるほど狭い道ですが、ここは向こうの通りに抜けることができます。
すると、少し外装を新しくした建物が見えてきました。
わあ、ここがうみの図書館ですね!
ちょうどこの日は街歩きの謎解きイベントのような催しがあり、小さい子がここまで来て「見つけた!」と喜んでいました。
僕も見つけられてよかったです。
しかし、外に張り付けられているので、中に入って行く人はいません。
13時~19時となっているので、開いていると思うのですが、はじめて行く時には、少し緊張しますよね。
でもきっと大丈夫です、是非扉を開けて中へ入ってみてください。
うみの図書館の中へ
入ると、中は古民家をリフォームしていて、靴を履いたまま中へ入れました。
わあ、何だか想像以上に素敵な感じです。
うみの図書館、行ってからわかったのですが、図書館の他にゲストハウスもされているのですね。
若い係の方に「こんにちは」と声をかけると、本の借り方やリーフレットをくれました。
うみの図書館 香川県さぬき市津田 https://www.chillnn.com/188bdac78d3133
もう一人、奥から若い方が出て来られて、どうやらこのお二人で運営されているようです。
すごいなあ、これはすごい。
「写真撮っても良いですか?」
「いいですよ」
というので、館内の写真を撮ります。
一つ壁の向こう側にも書架があるようです。
グッズコーナーがあって、絵葉書やキーホルダーなんかがありました。
キーホルダー、ホテルのキーくらいのサイズのはあったのですが、もう一つ小さいサイズが売り切れていました。
また入荷したら、買いにきたいところ。
この日は手提げのバッグ(1500円)を購入しました。
うみの図書館 漂流文庫の部屋
香川県の西の粟島に「漂流郵便局」があれば、東の津田には「漂流文庫」があります。
漂流して、流れ着くのに、瀬戸内海や香川って、ちょうど良い感じがしますよね。
ネガティブなイメージのある「漂流」ですが、ここではポジティブな意味で使われています。
いいよね、津田町に流れ着いて来た漂流文庫。
わあ、全国から寄贈された本が書庫いっぱいに並んでいます。
すごいなあ、漂流してきた本、本棚いっぱいになるほどあるのですね。
奥さんはずいぶん気に入った様子で、熱心に見入っていました。
貸し出しもできて、何と2年間!も借りられる仕組みになっています。
うみの図書館 海のまつわる本のスペース
その奥には、「海の本にまつわる本」の読書スペースがありました。
わあ、これは胸が高鳴りますね、置いてあるよ、きっと、と思いながら下に降ります。
天井から、海の生き物を模ったしおりのようなモビールが釣り下がっていました。
なかなか良い感じですよね。
僕はふっと瀬戸芸のことを思い出しましたよ。
もう図書館と言うより、一つのアート空間ですよね、これは。
これを設えたり、飾るのは、とても大変だったろうけれど、楽しい時間だっただろうな、と想像しました。
うみの図書館に「海辺のカフカ」
そして、振り向いて見つけた時、嬉しくてちょっと泣きそうになりましたよ…
「君はこれから世界で一番タフな十五歳の少年にならなくちゃいけないんだ」
僕はもうとっくに15歳を過ぎたけれど、この一節はとても心に響くんですよね。
やっぱり、そうですよね、うみの図書館には「海辺のカフカ」。
香川で、そして海辺にある私設図書館とゲストハウスななんて、他に存在しないもの。
もしあったら素敵だな、と僕が想像していましたが、本当にその場に立つことが出来るなんて、これはとても嬉しいところです。
時々村上さんは香川に来るらしいから、ひょっこり現れるかもしれませんね。
そして、他の方が気づかいない程度に椅子に座って、物語の構想を練るのかもしれません。
奥にはゲストハウスがあり、宿泊ができるようになっていました。
おお、泊ってみたい、と僕も思うけれど、何より僕には1時間足らずで帰れる家があるのだ、と思い直しました。
奥さんは漂流文庫から二冊借りたい、と本を手に出てきました。
10年くらい前のゴッホのムック本と十五少年漂流記。
どちらも漂流に引っ張られすぎだろう、とも思いましたが、また返しに来る機会ができるから、と借りることにしました。
通常はLINEで受け付け登録をするそうですが、年配の方やお子さんなどは、紙に書いて貸し出しも可能だそうです。
「年配の方」と言うことではないのですが、紙に書いて借りました。
何となくその方が、図書館っぽくて、良いじゃないですか。
本を貸し出すだけで、どうやって事業を続けて行くのだろうか、という気もしましたが、ゲストハウス、そして小さなカフェコーナーを冬に作ると言っていました。
「カフェコーナー良いですね、また来ますよ」
とお伝えし、うみの図書館を後にしました。
ブルートレインの時にも、とても嬉しかったけれど、今回の「うみの図書館」も素晴らし出来事でした。
こういうことがあるので、香川っていいなあと思うのですよね。
是非、お近くへ来られたら、立ち寄ってみてください。
そしてもし余裕があれば、お泊りになるか、何かグッズを購入してあげてください。
暮らし商店ごんべや
「なんか良いところだったね」と路地を歩いて帰ります。
どこかでコーヒーを飲んで帰りたいな、と思っていたら、うみの図書館の先にカフェらしき建物を見つけました。
何となくうみの図書館に「ごんべや」と書いてあるチラシがあったけれど、飲み屋さんか何かかな、と思っていましたが、カフェでした。
この辺にふらっと入れるカフェがあまりなかったから、あったらいいなあと思っていました。
何やらお花が飾ってあるから、まだオープン間がないのでしょうかね。
「どう?入ってみる」と聞くと、奥さんは「行ってみよう」というので、入ってみました。
「こんにちは。コーヒー飲めますか?」
「いらっしゃいませ、もちろん、ありますよ」
「最近オープンしたのですか?」
「ええ、今日オープンなんです」
わあ、これはびっくり、まさか今日開店とは知りませんでした。
「手前がカフェで、奥が古道具のお店になっています」
ということでした。
「今日はとても忙しかったのでは?」
「ええ、もう朝からバタバタで、今少しだけ落ちついたところです…」
いやあ、そうでしたか、偶然とはいえ、何だかすごいタイミングで来てしまいました。
すなはまフェスティバルがあるのと、連休なので、次々にお客さんが来られます。
一瞬空いたので、ミシンを再利用したテーブルを撮りました。
下が切れてしまったけれど。足を踏み込むとゆらゆらを動かせるのだそうです。
レトロな家具で、良い雰囲気です。
今年はコスモスを見に行け中なかったので、こちらのカフェで見ることができてよかったです。
綺麗にされていて、レトロな中にも清潔感がありました。
奥さんはミルクティー、僕はアイスコーヒーにしました。
食べ物のメニューもたくさんあって、大変そうだったから、また変わるかもしれませんが、一応掲載しておきますね。
なかなか豪華でたくさんのメニューがありました。
少し余裕が出来たら、ガラスのショーケースでスイーツを販売したいのだそうです。
ちょうど「うみの図書館」には、食事がなかったので、ここで朝ごはんが食べられると良いですね。
帰宅して見たら、こちらもクラウドファンディングで作られたお店だそうです。
また、朝市に来ることがあれば(早起きがとても苦手なのだが…)、立ち寄ってみたいです。
古道具と朝ごはん暮らし商店ごんべや
営業時間:7:00-16:00
定休日:月火
駐車場:なし(現在探し中です)
香川県さぬき市津田町津田1182
https://www.instagram.com/kagawa_gonbeya
さて、この他にもいろんなお店ができていましたが、津田の松原周辺が何だかとても賑わっていました。
2025年の瀬戸芸は、さぬき市の沿岸部も会場になる予定だから、ここが選ばれると良いなあと思います。
海辺のカフカの図書館、探してみてください。
それでは、今日はこの辺で。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。