今回は 内海フェリーブルーライン で小豆島に行ったお話です。
讃岐十景を探して香川県のあちこちに行っていますが、どうしても場所に馴染みが無くて一番行きにくいところが一か所ありました。
小豆島の洞雲山というところなのですが、まずは情報が少ない…。
小豆島には小豆島八十八ヶ所霊場という全行程150kmのお遍路があるのですが、その一番札所が洞雲山です。
こちらのお寺は夏に夏至観音が表れることで有名なのですが、
「なんだ、1番札所で有名なところなんだったら、簡単に行けるのでは?」
と思いますよね。
しかし、いろんなブログや観光案内のサイトを見ても、その行き方や道なんかについては書いてありませんでした。
なので、今回は歩いて行くことにしたのですが、フェリーから随分と距離がありましたので、自転車を積んで行くことにしました。(なぜ車でないかは次の記事で詳述)
そして、今回の内海フェリー草壁港というとこへ行くフェリーなのですが、なんと来春3月で航路が廃止になるとのニュースがありました。
これは一度乗っておかなければ、ということで、自転車に乗ってブルーラインという新造船に乗ってきました。
この記事では高松港からブルーラインに乗って草壁港に行き、坂手に着くまでを書いています。
もし、高松港から草壁港へ行く内海フェリーブルーラインのことなんかに、ご興味がおありでしたら、どうぞお読みください。
目次
小豆島洞雲山にどう行く?
まずは洞雲山の場所から見て行きたいと思います。
もちろん行ったことのある方は、そんなに行き方について詳述しなくても、と思われる方も多いでしょうけれど、小豆島の中でも少し行きにくい場所であることは間違いないと思います。
香川県小豆島の東の方面で、その名も小豆島町というところにあります。
こちらも比較的新しく合併した自治体で、僕は池田町、内海町という方がしっくりきます。(これも書いておかないと、徐々に忘れそうです)
ギリシャのミロス島と姉妹島提携を結んでいます。
今回僕が乗るフェリーは高松港から草壁港に向かうフェリーです。
普段は便数の多い土庄港を利用することがほとんどですが、高松港からは土庄港、池田港、草壁港、高松東港からは坂手港に船便が出ています。
もちろん車で行く場合には、どれに乗って行っても島で自由に移動すればよいのですが、今回は自転車に乗って行こうと思います。
自転車をフェリーに持ち込めるのは知っていたけれど、実際にはしたことがなかったし、一人で行って4~5時間しかいないのに車というのもね、という感じです。
(行った後は車で行けばよかったと思うのですが…)
まあ、距離は少しあるけれど、時間があれば歩いても行けるし、車だったら早くて楽だし、それぞれお好みの方法で行ってください。
さて、高松港に着いたのですが、高松港で「自転車を停めておく場所」は知っているけれど、「フェリーが来るまで自転車を置く場所」は知りませんでした。
一応車両だからと思い、車の誘導をされている係の方に尋ねます。
「すいません、自転車フェリーに積みたいのですが、どこに置けばいいですか?」
「どこ行き?小豆島?」
「草壁です」
「まだ時間があるけん、①番の下に停めといて」
とのこと。
なるほど、乗船券売り場入口横の辺りですね。
では、実際にその辺りから現地を見て行くことにします。
よく見てみれば、自転車を停めるバイクスタンドがありました。
自転車乗る方はこういうの利用するのでしょうね。
(僕は普通の自転車なので、その隣に停めました)
この日は自転車で来たせいか、早く着きすぎてしまいましたので、周辺を見てみます。
高松港のシンボル、リミナルエアコア。
瀬戸芸の開催中には、大体人がいましたが、そうでない時には、ほとんど誰もいません。時折観光の方が写真を撮っていました。
階段を上がり、高松コリドー(そういう名前なので)へ。
ちょうど土庄行きのフェリーが入って来て、またすぐに出航しようかという感じでした。
その隣に船の時刻を表示する電光掲示版があるのですが、間違いを見つけてしまいました。
僕が乗ろうとするフェリーは12:10の草壁行きなのですが、12:15と表示されていました。この秋にダイヤが変わったらしいのですが、表示変更するのを忘れてたのでしょうね。
そのままコリドーを通り、乗船券売り場へ向かいます。
時折この階段下りるの怖いなあと思う場所の一つがこちらです。
僕の視点から見ると、傾斜が一直線になってしまって、段の境目と幅が認識し難いです。
思わず手摺を持ってしまいます。上る方は大丈夫なので、下りる際には、十分お気を付けください。
是非お気づきの港関係の係の方がいましたら、いつか改善してください。(まあしないと思うけれど…)
これでもか!と言うほどにいろいろ貼られていますが、やはりフェリーの時間は12:10が正しかったようです。
11:35から販売を始めるということで、時間が来たら係の方が中のカーテンを開けて出てきました。
内海フェリー、往復大人1人(1330円)と往復自転車1台(710円)で、合計2040円でした。
「コリドーの電光掲示板の表示が12:15になっていますよ」
と写真見せると、
「ほんまや!直すように言うたんやけど…」
とのことでした。
きっとその後修正されていると思います、たぶん。
ええと、そして毎回の事ではありますが、フェリー代金については、現金のみの取り扱いしかございません。(池田行両備フェリーはクレカ使えるようになった)
ここ高松や小豆島の選挙区は、現在デジタルに関する大臣を輩出しているのですが、2020年になっても、フェリー乗り場ではキャッシュレス化が進む気配がございません。僕は実に1週間ぶりくらいにフェリー乗り場で紙幣を触りましたよ。
もちろんフェリー代の助成を出して観光産業を支えるのも方法の一つだと思いますが、クレジットカードやQRで利用者の利便性を高めるのも、必要な施策ではないでしょうか、と毎回のように書いておきます。次回瀬戸芸2022年開催予定の瀬戸芸までの課題ですね。
内海フェリーブルーライン
右側1番乗り場から乗ってください、というのでフェリーの到着を待ちます。
しばらくすると、遠くから青いフェリーが近いづいてきました。
おお、これが小豆島草壁港行きのフェリー、内海フェリーブルーラインです。
白い船体に、青のラインが入っていて、確かにブルーラインとしか呼びようがない感じ。
僕はここに来るまで知らなかったのですが、2020年9月に新造船として就航したのだそうです。
冒頭で書いた通り、この航路は来週廃止になることが決まっているのですが、その理由がこの新造船を作ったけれど、コロナの影響で利用が落ち込んでいるから、ということだそうです。
ムムム、新造船を作って航路が廃止されるなら、新造船を作らなければよかったのでは、という気もしますが、そこはいろいろあるのでしょうね。
でも、新しい船には、やっぱり乗ってみたいところです。
自転車を押して歩き、どこから乗ろうかと思ったのですが、結局車両と同じところに行き、乗りました。
乗る際に係の方に乗船券を渡すと、
「横の奥にとめてください」
と言われます。
まあ、何となく、車の邪魔にならないよう、壁際に沿って停めておけば、船の係の方がロープなどで固定してくれる、という方式のようです。
パイプみたいなのとかあるから、どの辺?と思ったけれど、ここが置き場所です、という感じではありませんでした。
わあ、新しい船の匂いがする!とやや興奮気味に階段を上ります。
ええと、本当にこの航路は廃止になるのでしょうか、という感じ。
二階のデッキに上がると、自販機があり、その塗装も当然全てブルーです。
出発すると後方になる方にはいくつかベンチが置かれていました。
船内の雰囲気どんな感じが見てみたいですよね、僕もです。
ブルーラインの船内
船内の客室に入って行きますと、まずは足を伸ばしてくつろげるスペースがありました。(こういう場所、なんていう名前なんでしょうね?)
両サイドにあって、それぞれ二人ほど横になってお休みでした。
窓際には、二列のシートが並びます。
よく見ると、海を臨む展望シートみたいなのもありました。
反対側もカウンター席に見たいなっていて、小さなテーブルもついています。
なかなかこういう配置は見たことがなかったので、良いですよね。
続いて売店です。
ちょうど高齢の方が多く乗った観光バスの一団が来られていまして、結構な数の方がマウスシールド…。
そりゃビニールもかけたくなるよね、という感じでした。
うどんやおにぎり、コーヒーやアイス、お菓子などを販売しています。
(うどんはもう少し後で食べます)
売店の前には、いくつかのボックスシートがありました。
ファミレスみたいな感じで、3×3、6名が座れるようなテーブルのついたゆったりしたシートです。
これが結構メインのシートになっているのか、たくさんあって、その横には食事ができるカウンター席もありました。
充電できるように、コンセントもそれぞれについているのですね。
前方にも行ってみますね。誰もいないところよく写真に撮れたね、と思うでしょ。
草壁港に着いて、皆先に下船した後、最後に下りたから、無人のシートも撮れました。
乗り慣れた地元の方は、ほとんどこの辺に座るのでは、という気もします。
テレビがあるからね。
一番先頭のシートは特別席になっていました。
就航記念で無料で開放しているようです。
いつかは有料指定席にするのでしょうね。
僕はフェリーに乗ったら、ほぼ船内をうろうろ歩き回るので、必要がないところ。
僕の気のせいか、VIP席とか特別室、というゴージャスな感じはしなくて、前方の景色が見えますよ、という感じです。
新しいうちは、先ほどのファミレス的なシートと変わらないのでは、という感じです。
バリーフリー化が進められているのは、良いことだと思います。
エレベータに多目的トイレがありました。
3階、4階展望デッキ
フェリーに乗るのに、何が楽しみって、展望デッキですよね。
2階の客室から、3階へ上がってみます。もちろん、階段の塗装もブルーです。
わあ、これはなかなか、素敵な展望デッキではないですか。
再度には風よけのパネルがあって、テントのような屋根もあります。
多少の雨や夏の陽ざしを避けられます。
そして何より、もう一段上に4階展望台があるではないですか!
これはなかなかうれしいところで、心弾ませ階段を上ります。
前も見えて、これは良いなあ、と思っていると少しずつフェリーが動き出しました。
あれも、これもしているうちに出航です。
大体船が出る時には動画を撮っているのですが、途中からいつも通る航路とは違うな、という気になります。
本当に微妙な差ですが、せとしるべの横を通らずに、港の沖にある白い灯台と赤い灯台の横を通ります。
白いのは近くに見えるのですが、この赤い灯台をフェリーから近くで見るのは初めてです。思ったよりも結構大きい。
もう少し進むと、右側に高松港コンテナターミナルが見えてきました。
時折大きな客船が来る時には、ここに来るのですが、この角度から見たことなかったので、全体がわかって面白いです。
クレーン、確かにキリンに見えるますね。
もう動かなくなってしまった宮脇書店の観覧車もちらっと見えます。
しばらくデッキから風景を眺めてみます。
海から眺める屋島と八栗
ちょうど右側に屋島が見えてきました。
ここから眺める屋島は南北に細長い形に見えます。
フェリーはどんどん進み、あっという間に長崎の鼻へ。
長崎の鼻に近づくにつれ、屋島の形がかわってきます。
屋島には壇之浦という地域があって、源平合戦が行われたところなのですが、海から眺めるのは初めてです。
向かいには庵治、八栗・五剣山がみえました。
屋島と五剣山、左右にこうやって見ると、陸地の目印というか、目立つばしょだなあと思います。
船が通ると、那須与一もこんな感じで船を眺めただろうかと考えてしまいます。
実際に海を眺めていると、なかなか扇を射るのは大変な事だよなあという気になります。
いやあ、でも、良い景色ですね。
穏やかな入り江が続くので、船を隠してこうと思ったのもなるほどと思えます。
庵治漁港のさらに北側、根太鼻というのだそうです。読み方には自信がないのですが、「ねぶとばな」と読むのでしょうかね。
昔、この辺りには松平さんの別荘があったそうです。
江の浜漁港の沖合にも一隻のボートが停まっていました。
釣りを楽しんでおられるのでしょうね。
もうこんな感じで、ずっと景色を解説し続けてもよいのだけれど、お昼だから、フェリーうどんも食べてみたいですよね。
2階の客室では、わいわいと楽しんでいらっしゃるグループがおられたので、売店で買って、屋外のデッキで食べることにしました。
きつねうどん、わかめうどん、それぞれ450円でした。
香川の方は、ほとんどの方がきつねにするのだろうけれど、僕はわかめにしました。
おあげ、少し甘かったらいやなので。
土庄やかつての宇野航路は袋麺でしたが、こちらでは冷凍を利用されているようでした。
フェリー会社によって違うのですね。
海を背景に、流れていく景色を見ながらうどんを食べるのって、良いですよね。
普通のうどんですが、青空の下、外で食べるから、美味しく感じますよね。
三都半島
うどんの器を戻してデッキに戻ると、左側に小豆島が近づいてきました。
僕は大体わかるけれど、パッとみたらどこからどこまでが小豆島かわからないですよね。
陸地が続いているように見えるから。
ちょうど小豆島の東部、以前に行った小瀬の重岩や讃岐十景の富丘八幡神社なんかはこの方角です。
前方には、半島が近づいてきました。
三都半島というところなのですが、ここにもこんなに近づいて見るのははじめてです。
瀬戸芸の期間中には、いくつも作品が置かれているのですが、なかなか行く機会がなくて、行ったことがありません。
そして、狼煙を竜王山公園で見た際に、ここからの狼煙も綺麗に見え、どんなところなのかなあと思っていました。
半島の先端には、白い建物が見えました。
地蔵崎灯台というのだそうです。
その左側には釈迦ヶ鼻園地という場所があって、ここで狼煙をあげていたのでしょうね。
あっという間に通り過ぎてしまいます。
道が細いらしいのですが、いつかここも訪れてみたいです。
三都半島を回り込むようにフェリーは北東に向きを変えます。
内海、本当にそんな言葉がぴったりの湾の中に、吸い込まれるように入っていきます。
液晶パネルに表示された予定は定刻13:25。
途中、東の方向に少し連なった山を見かけました。
あの右の端っこの方が、今回目的にしている場所です。
来てみると、やはり結構距離があるな、行けるかな、という感じになります。
この日洞雲山に行こうと思ってフェリーに乗っている方は少なく(もしくいない)、寒霞渓の紅葉を見に来た方は、とても多かったと思います。
この山の向こう側が寒霞渓になるのだと思います。
まもなくフェリーが速度を落としはじめました。
港に着くと、皆さんさっさと下りて行くので、僕は先ほど掲載した座席の写真を撮ります。
車の方は乗っていないと次の方が出られないから、これは徒歩や自転車の特権みたいなところがありますよね。
他の方はわからないけれど、僕には相当なメリットでした。
既に大半の車両が出ていて、甲板にはポツンと一つ自転車がありました。
既にロープは解かれ、いつでも乗れるようになっていました。
フェリーを下りると、そのまま国道436号線を東に向かいます。
知らなかったのですが、この国道高松から小豆島を経由して姫路まで繋がっているのですね。
徒歩であれば、その道中の醤油蔵やホテルなどを撮るのですが、まあまあ上り下りがありまして、二回ほど自転車を押しました…。
普段は最近乗っていませんでしたので、自転車が少しきつかったです。
約4kmほどだと思いますが、20分ほどで坂手の港近くまで到着です。
歩くと倍くらいはかかるから、時間の短縮はできました。
(これがあとになってよかったところ)
わあ、小豆島にも山があるんだなあ、なんていつもであれば思うところですが、今回は正面の山に登ります。
来る前は全然大丈夫な気がしていたのですが、ここに来て、行けるだろうか、と少し思い始めました。
もちろん、このまま、坂手港に自転車を置き、歩いて山に登ったことを書き続けてもよいのですが、区切りとすれば、一番ここが良いです。
次回はこの山の上の洞雲山を目指したお話になりますので、またよろしければご覧になってください。
それでは、今日はこの辺で。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。