モネの庭ボルディゲラの庭と水の庭に行ったことを書いておこうと思います。
前回の「花の庭」と、今回の「水の庭」は開園当初からありました。
「ボルディゲラの庭」は開園20年にあわせて2020年にオープンしたのですが、今回はじめて訪れました。
モネの庭マルモッタンの「水の庭」「ボルディゲラの庭」のことにご興味がある方の参考になれば幸いです。
目次
水の庭
モネの庭のメインの場所はきっとこの「水の庭」だと思います。
睡蓮が浮かぶ池や橋が架かっているので、北川村モネの庭と言えばこの風景という場所が水の庭です。
カフェモネの家を出て、お土産コーナーのある建物を通って駐車場へ戻ります。
階段の上に大きなモネの絵のパネルがあり、そこで記念写真を撮れるようになっていました。
オルセーの「睡蓮・緑のハーモニー」でしょうかね。
駐車場を抜けて階段を上ると滝があります。
そこからしばらく階段かスロープで上がって行きます。
少し葉が色づき始めた木もある、という程度に紅葉していました。
少し上り坂が続くので、高齢の方は休み休み歩いている感じです。
そのさらに前方にはバスで視察に訪れた皆さんがおられ、係の方の説明を聞いていました。
何か自治体とか商工会の視察みたいな感じで、皆さんスーツで歩いておられたので、少し距離を取ります。(果たしてその視察に懇親以上の意味はあるのだろうか、と思うのだけれど…)
人気の撮影スポットとなっている橋のところ。
皆さん立ち止まって池の方を撮っています。
太鼓橋や藤棚・柳に竹、浮世絵の影響を受けたモネの日本を感じる庭は晩年彼をひきつけて止まないものでした。光と、それによる水の反映、時間により移り行く色彩。その風景は多くの作品として生まれました。
水の庭 | 北川村「モネの庭」マルモッタンより引用
「わあ、綺麗なところやね」
「絵の中にいるみたい」
などなど、大体皆さん同じようなことを思っているようですが、確かにそれを口に出して伝えたい気持ちになりますね。
「あそこにまだ睡蓮が咲いてる!まだ咲いてた」
という声が聞こえてきたので、見てみると確かに睡蓮の花が咲いていました。
どうしてかはわかりませんが、僕はこの橋の睡蓮とは反対方向の景色に興味があるようで、以前にも同じ写真を撮っていました。
この下の写真が今回2022年。
この下の写真が2006年。
わかりにくいのですが、池の向こう側に太平洋が見えて、それが何だかいいなあと毎回撮るのだけれど、帰って見ると毎回「?」となります。
しかし、今回はっきりとわかったのは、以前と比べて木々が成長し、庭が格段に良い雰囲気になっていることです。
当時はわからなかったけれど、やはり木を植えて間もない感じがありますよね。
テーマパークの庭という感じ。
もちろんとても手をかけて、管理されている庭なのだけれど、木々の大きさや全体のバランスみたいなのは、年月を経た今の方が良い感じがします。
ちょうど視察に来ている方へ説明されている声が聞こえてきました。
・仏の財団からモネの庭として認証を受け続けるには庭の維持管理を欠かさないように維持している。品質が下がれば取り消されてしまう。
・睡蓮の配置、木々の成長や水面の映り込みに至るまで、こだわって配置している。
確かに、僕らはふらっと来て眺めて綺麗なばしょだなあと思っているけれど、時間をかけてそれを管理する方々がいるから成り立っているのですね。
少しだけれどお話が聞けてよかったです。
モネの絵に、モネの庭になるように考え抜いてこの景色が作られているのですね。
園内のところどころに睡蓮の絵が置かれていて、ここで誰かが絵を描いているような雰囲気になっていました。
モネの作った日本風庭園を日本に持ち込んだというところが、なかなか面白いところです。
池の周りをぐるりと小径で回遊できるのも、何となくお馴染みな気がします。
そして、一歩ずつ風景が変わっていくところも。
モネの庭の水の庭、綺麗な景色なので、是非足を運んでみてください。
遊びの森
水の庭の先に以前は「光の庭」という名前のエリアだったと思います。
今はそう呼ばれていないみたいなので、「遊びの森」ということにしておきます。
大きなメタセコイア並木が少しだけ黄色く色づいた感じで、これもまたよかったところです。(もう少しすると茶色くなってそれもよかったです)
木の下に変わった筒のようなものがぶら下がっていたので、近づいてみてみます。
中にキャンドルが入っていたので、きっと夜になると灯りがついて辺りを照らすのだろうなあと思います。
夜までいたことはないけれど、一度見てみたいような気もします。(ここに夜までいたら帰り道が不安ではあるのだが)
森というか林のような場所を抜けていく小径のようになっていて、ここの景色もなかなか素敵な感じです。
この先に少しだけ子ども向けのアスレチック遊具があります。
そんなに広くはなく、素朴な遊具なのですが、丸太の平均台みたいなのがあったり、橋のようになったりしているのがあって、以前来た際に子どもがしばらく遊んで離れなかった印象があります。
「もういこうよ」と言っても「全部やってから!」というタイプの遊びの森です。
この日も小さい子が楽しそうに遊んでいました。
ボルディゲラの庭
さて、今回最も書きたかったエリア「ボルディゲラの庭」です。
「ボルディゲラ」何なのか、よくわからないですよね。
ボルディゲラの庭 Garden of Bordighera
ボルディゲラの庭 | 北川村「モネの庭」マルモッタンより引用
クロード・モネが43歳の頃にルノワールと旅した、地中海・ リヴィエラ海岸の街ボルディゲラ。 モネはその地の光と色彩 の鮮やかさに心を奪われ、 30点以上の作品を残します。 そのモネの作品とボルディゲラの風景からイメージし生まれ たのが、北川村モネの庭 「ボルディゲラの庭」です。
なるほど、ルノワールと旅をした地中海の街なのですね。
「ボルディゲラの庭」とありますが、googlemaでは「ボルディゲーラ」と検索すると出てきます。
イタリアとフランスの西境、音楽祭のあるサンレモの西、ニースやモナコの東側なのですね。
ボルディゲーラを描いたモネの絵のパネルがありました。
ボルディゲーラに「ロマーナ通り」というところがあって、その景色を描いたのでしょうね。
本当だ、結構ヤシの木なんかがあって、からっとした気候や太陽が高知のイメージに似ていると言えば似ています。
前はなかった赤茶色の屋根の建物がありました。
ボルディゲーラの建物の雰囲気を模しているのでしょうね。
もう一つは「サッソの谷」のパネルがありました。
サッソ渓谷という場所が少し北の方にあったので、その場所を描いたのでしょうかね。
パネルの向こうには確かに渓谷を模したような地形が広がっていました。
先ほどの水の庭に比べると、まだ植えられている植物が若く、これからまた雰囲気が出るには年月がかかるかな、という感じです。
わあ、ここにも睡蓮が浮かんでいます。
遮る木々がないから、陽に照らされてキラキラしていました。
奥さんがスマホで撮るとちょっと色がつくと綺麗だったというので、写真をもらいました。(僕にはちょっと色がきつすぎ)
しかし、午後の光が差し込むように作られているのか、白い岩肌と緑の対比がなかなか印象的で、綺麗でした。
この池も周囲を回遊するように歩くことができます。
少し岩がごつごつしていたり、濡れて滑りやすくなったりしているので注意しながら進みます。
まあ、景観や景色意外に何があるということでもないのだけれど、花の庭や水の庭とは趣が違って、これはこれで楽しい庭です。
ヤシの木々や先のとがった植物を見ながら、こんな雰囲気の中歩きながらモネは絵を描いたのだろうかと思いました。
「わあ、オリーブだ」と思って見ていたら、オリーブが描かれたパネルがありました。
まだ小さい木で絵のようにはなっていませんが、きっとここもそのうちいい雰囲気のオリーブ畑になるのでは、と思います。
奥に太平洋が見えていて、とても気持ちが良いところです。
モネの庭「リヴィエラの小屋」
ボルディゲラの庭を上がってくると、一番奥に赤茶色の屋根の小さな建物がありました。
下からは何があるのか良く見えなくて、展望所でもあるのだろうかとそのまま上って行きますと…、
わあ、リヴィエラの小屋にカフェがあるのですね。
【リヴィエラの小屋】週末限定カフェ営業のお知らせ
【リヴィエラの小屋】週末限定カフェ営業のお知らせ | 北川村「モネの庭」マルモッタンより引用
ボルディゲラの庭の赤レンガ屋根の建物「リヴィエラの小屋」にて
週末限定のカフェを営業いたします。
2021年とやや古い情報ですが、週末土日のみ営業しているようです。
祝日などに営業しているかは、直接確認してみてください。
ここまで上ってくると、何か飲みたくなりますよね。
さっきレストランに行ったばかりなのですが、せっかくなので何か食べることにしました。
皆さん同じように思うのか、店内はいっぱいです。
「リヴィエラ=海岸線」というけれど、海岸なんてあるの?とテラスの方へ行くと…
木々の向こうに太平洋が見えました。
なるほど、これだと確かにリヴィエラの小屋ですね。
上って来る間暑い、と言っていたのでソフトクリーム。
普通のソフトクリームですが、美味しかったです。
「この上の風の丘まで行くけれど…」
「行かないから待っている」
そうだよね、と思いながら僕はもう一つ上の「風の丘」を目指します。
モネの庭から「風の丘」
実は2018年にもこの辺りまで来たのですが、この先の風の丘は時間が遅くなって閉められてしまっていました。
次回は訪れてみたいと思っていたので、上り始めました。
舗装された道が続きますが、ずっと上りです。
気持ちが良い季節なので、頑張って登ろうと思うけれど、夏とかだったら行かないかも、という具合の距離です。
水の庭からリヴィエラの小屋へ行く距離と変わらないけれど、その間ずっと上り坂を歩く、という感じです。
木々が少なくなった開けた場所が風の丘。
特に何かがあるということでもなく、展望所にベンチがあるという感じです。
しかし、太平洋を見下ろす感じの眺望なので、僕は来てよかったです。
このまま進むとボルディゲラの庭の遊歩道へ繋がるのだということですが、僕はもう一度リヴィエラの小屋に戻ります。
すると奥さんが席に座って何か飲んでいました。
「ソフトクリーム食べたら何か飲もうかと思って」
僕もちょうど何か冷たいものが飲みたかったところです。
何か「リヴィエラ」っぽいものがいいなあと、他の方が飲まれていたソーダにしました。
次々にお客さんが来たので、飲み終えて駐車場へ戻ります。
来た時より陽が傾いていて、影が伸びていました。
また次回は春にも来てみたいね、と言いながら戻ります。
帰りにお土産を買って、もう一度高知で大丸の地下で寄ってタタキを買って高松に戻りました。
19時頃までには帰れたので、ほぼ24時間の高知への旅でした。
帰宅した後、僕も奥さんもしばらく「モネの庭気持ちがよかったね」と言っていたので、訪れた季節や旅程も含めて楽しかったのだと思います。
そういえば、この春に地中美術館でモネの睡蓮を見たから、行きたくなったのかもしれませんね。
日本で唯一の「モネの庭」、また季節を変えて訪れてみたいと思います。
それでは、今日はこの辺で。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。