伊勢神宮内宮について書いておこうと思います。
先にお参りした外宮に比べ、多くの方が参拝に来られていました。
伊勢神宮内宮の様子や、おはらい町、おかげ横丁の雰囲気にご興味がおありの方の参考になれば幸いです。
目次
- 伊勢神宮内宮前バス停から鳥居まで
- 宇治橋
- 火除橋と手水舎
- 五十鈴川御手洗
- 神楽殿
- 伊勢神宮内宮 正宮まで
- 伊勢神宮内宮 御稲御倉・外幣殿
- 伊勢神宮内宮 別宮 荒祭宮
- 風日祈宮橋
- 伊勢神宮内宮 別宮 風日祈宮
- おはらい町
- 五十鈴川沿い
- 赤福本店
- おかげ横丁の神恩太鼓
伊勢神宮内宮前バス停から鳥居まで
外宮前からバスに乗り、20分ほどで内宮前に着きました。
この時間は20分で行きましたが、帰りには1時間ほどかかりました。
渋滞を避けるためにバスに乗ったのですが、確かに渋滞するとバスも遅れますよね…。
バスから降りて最も驚いたことは、人の多さです。
外宮とは比較にならないほどの人でした。
「わあ、人が多いね」
なんて言っている間に、進まないといけません。
狭い路地ですが、飲み屋さんみたいな屋台が並んでいて、海鮮や焼き鳥など、食べもの良い匂いがしてきます。
わあ、伊勢神宮の門前は、こんな雰囲気なのですね。
人の波に乗りながら、宇治橋の鳥居へ到着です。
宇治橋の外と内に高さ7.44mの大鳥居が立っていますが、内側の鳥居は、内宮の旧正殿の棟持柱が、外側の鳥居は外宮の旧正殿の棟持柱が用いられます。さらに20年たつと、内側の鳥居は鈴鹿峠のふもとの「関の追分」、外側の鳥居は桑名の「七里の渡し」の鳥居となり、正殿の棟持柱となって以来、60年のお勤めを果たしています。
宇治橋・五十鈴川|皇大神宮(内宮)|神宮について|伊勢神宮
なるほど、式年遷宮の際に、旧正殿の柱を使って鳥居にしているのですね。
さらに、関の追分、七里の渡しと20年ごとに移っていくのだそう。
なので、ここで今僕らが見ているのが2013年まで正殿にあった柱ということになります。
遠くからも、近くからも立派な大鳥居、一礼していく人が多いのも理解できました。
宇治橋
鳥居をくぐると宇治橋です。
何だか渡るだけで気分が良い気がしてきます。
五十鈴川という川にかかる橋で、上流側には屋根のついた木除杭(きよけぐい)があり、上流から流れてくる倒木などから橋を守っているのだそうです。
なぜかはあまりはっきりしないのだそうですが、内宮は右側通行でした。
外宮が左側で、内宮が右側と、近くなのに異なった方向を歩くのは珍しいなあと思います。
橋を渡ったところに綺麗な紅葉が見え、皆さんすっと立ち止まって写真を撮られていました。
火除橋と手水舎
神苑の中を玉砂利の音を聞きながら歩いて行きます。
歩幅はそれぞれ違うはずなのだけれど、そのうち「ざっざっざ」とそろった感じになって面白かったです。(たぶん何とか現象という名がついていたと思うがわからない)
途中で三重県のお酒の樽が並んでいました。
奉納された清酒なのだそうです。
しばらく歩くと外宮同様に火除橋が見えてきました。
そして同じように「お手洗いがこの先にはありません」という立札がありましたので、お手洗いを済ませます。
内宮も別宮を巡ると1時間くらいかかったので、お手洗いにここで行くことをお勧めします。
皇大神宮(内宮)の説明版も立派でした。
手水舎にも多くの方が集まり、柄杓を手に清めておられます。
見れば見るほどに、木と石の芸術だなあと思います。
とても合理的で、自然の造形を活かし、未来まで見据えたエコシステムという感じです。
五十鈴川御手洗
火除け橋を渡ると五十鈴川御手洗場(みたらし)が見えてきました。
ええと、本当のお手洗いに行き、手水舎に行き、最後に御手洗場と、計三回洗い流す感じです。
しかし、この場所は眩しいほどの光が差し込んで、きもちがよかったです。
何だか光が妙に反射しているな、と思ったら石が白くて光っていたのですね。
元禄5年(1692)徳川綱吉の生母、桂昌院が寄進したといわれる石畳を敷き詰めた御手洗場が見え、ここでは手水舎と同じようにお清めができます。
宇治橋・五十鈴川|皇大神宮(内宮)|神宮について|伊勢神宮
わあ、綺麗な石畳と思っていたら、将軍家が寄進したといわれるものだったのですね。
多くの方が来られるから、自然と磨かれているのかと思っていましたが、もともと日を反射するような白い石だったようです。
ちょっと傾きはじめた日太陽がスポットライトみたいに照らします。
なるほど、身を屈め、手を川に浸しているのですね。
まあまあ下に腕を伸ばすようになりますが、届かないことはないかな、という感じ。
奥さんは落ちないように片手を持って水に触れていました。
驚いたのが、水の綺麗さです。
小さな魚がたくさん泳いでいるのがよくわかりました。
きっと昔は日本中がこういう川だったのでは、と思ってしまいました。
伊勢はいろいろ守られているのだなあという感じです。
もう十分に綺麗な紅葉が見られたので、ここで帰ってもよかったほどです。
神楽殿
僕はここで一つ失敗していまして、すぐ近くの瀧祭神(たきまつりのかみ)に寄って正宮へ行けばよかったのですが、行かずに、この日は行けませんでした。
それにより、翌日も内宮をもう一度、となりました。
もし行かれるのであれば、順序はともかく、瀧祭神が近いです。
多くの方がこちらへ歩いていたから、というのもあります。
鳥居の奥が神楽殿でした。
外宮同様にお守りの授与などをしていまして、「撮影禁止」と書いてありました。
宇治橋から正宮 皇⼤神宮に⾄る参道の中間地点、左側にある銅板葺、⼊⺟屋造の建物が、内宮神楽殿です。向かって左側からお神札授与所、ご祈祷受付、御饌殿、神楽殿となっています。
神楽殿|神宮について|伊勢神宮
菊紋の幕が風に揺れていました。
様々な神事を執り行う建物なので、立派なつくりです。
伊勢神宮内宮 正宮まで
神楽殿から正宮までは200メートルくらいかなと思います。
緩い上り坂になっていて、帰りの方とはすれ違わず、行く方がほとんどでした。
奥の方に建物が見えてきました。
あの辺りが正宮でしょうか。
車いすの方や杖の方もおられましたが、皆さん何とかお参りしようと歩いています。
ここまで来るのは遠かったけれど、あとひと息です。
わあ、何となくテレビなんかで見たことのある光景です。
撮影は石段までという立札がありました。
まだまだ多くの方が後ろから訪れているし、次々に参拝を終えた方が石段を下りてきます。
皆さん信心深い方が多いのか、参拝もしっかり時間をとってされている模様です。
僕は写真を撮ったり、動画を撮ったりしたかったから、奥さんは先に行きました。
何だか正面が人気だったみたいで、長い列ができていましたが、僕は全然気にしないので、横の空いているところからお参りしました。
(いくつかの願いとあわせて、今回は妹の安産祈願をしていましたが、無事に生まれました!)
外宮の正宮でも思ったけれど、本当に木と石だけの素朴な建物なのですよね。
しかし、それでいて威厳もあるから、不思議です。
僕の訪れたお寺や神社は、もっと朱塗りであったり、細工が施されている印象が強いかったので、シンプルで合理的なつくりなのだなあと思いました。
本当は昔からこういうスタイルが確立していて、代々受け継がれていたのでしょうね。
仏教が入る前の、影響を受けていない「元々いた神様」ってこんな感じだったのかも、と思いました。
そうそう、願う対象、例えば仏像とかがないのも不思議なところですよね。
建物ということでもないし、一応「八咫鏡(やたのかがみ)をご神体」となっていますが、鏡ですからね…。
「現世にいる誰もが見たことがない鏡」に祈りを捧げるって、興味深いですよね。
考えたらきりがないけれど、皆が「ないものをあると想像して信じる」ことができないと成り立ちません。
僕は違和感なく受け入れられるけれど、海外の方には説明しづらいし、わかりにくいのかもしれません。
遠かったけれど、何とか無事に目的地まで来られてよかったです。
そして、昔の方も遠くから旅をしてここに来て、同じようにお参りしたのだろうなあと思うと、何だか来ることができて嬉しい気持ちになりました。
伊勢神宮内宮 御稲御倉・外幣殿
さて、続いては別宮荒祭宮へ向かいます。
こんな感じで案内があり、テーマパークみたいに行く道と帰る道が分かれていました。
何だかちょっと似ていますよね。
数人の方が立ち止まり、大きな木を眺めていました。
確かに、この木は大きいですね!
その先には高床式の倉庫のような建物がありました。
神宮神田で収穫し、三節祭でお供えされる御稲が奉納されます。建物の規模は小さいものの、神明造の特徴をうかがうことができます。
その他の見どころ|皇大神宮(内宮)|神宮について|伊勢神宮
なるほど、収穫した稲を保管する神社なのですね。
神明造(しんめいづくり)、教科書では見たことがあったけれど、こんなに間近で見たのははじめてです。
その奥には外幣殿がありました。
かつて天皇以外のものから奉られた幣帛も納めた建物。内宮は正宮御垣の外にありますが、外宮は御垣内にあります。
その他の見どころ|皇大神宮(内宮)|神宮について|伊勢神宮
なるほど、警備の方がずっといるので何でだろうと思っていましたが、神宝があるのですね。
香川県から出土したと伝わる国宝の袈裟襷文銅鐸にも、こんな感じの絵柄がありました。
こんな感じだったのかな、と思いながら眺めお参りしました。
その時には思わなかったけれど、後から思うとこの二か所がとても印象に残っています。きっと建物全体が見えたからでしょうね。
伊勢神宮内宮 別宮 荒祭宮
外幣殿を過ぎると、鳥居が見えました。
正宮、正殿の裏側に当たる場所なのでしょうか。
この先へは行けないのですが、奥に石垣が見えたので、向こう側が古殿地ですね。
10年後、次の遷宮の際には向こう側に行くのですね。
左側に下りていく階段がありました。
手と脇にカメラを持っているので、転ばないように行かなくてはいけません。
内宮で長い石段は、正宮とここだけでした。
外宮から思っていたことですが、結構車いすや高齢の方も多かったです。
しかし、なかなか階段などの上り下りは大変そうでしたので、もう少しバリアフリー化が進むと、いいなあと思います。(英語の表記とかも)
ご祭神は、天照大御神の荒御魂。神様の御魂のおだやかな働きを、「和御魂」と申し上げるのに対して、荒々しく格別に顕著なご神威をあらわされる御魂の働きを、「荒御魂」とたたえます。
別宮|皇大神宮(内宮)|神宮について|伊勢神宮
そういえば讃岐十景を巡っていた時に、三豊市に「汐木荒魂神社」という神社がありました。
当時はあまりわからなかったけれど、荒御魂を祀っていたのですね。
荒祭宮から、再び神楽殿の方へ向かいます。
風日祈宮橋
神楽殿を過ぎ、帰り道と反対側の方向へ行くと、風日祈宮橋(かざひのみのみやばし)がありました。
この辺りには、少し人が少なくなっていて、ゆったりとした雰囲気です。
僕はてっきりここも五十鈴川と思っていましたが、地図を見ると「島路川」とありました。
この先で五十鈴川と合流するのですね。
ここからの景色も本当に綺麗で、川面に移る木々をずっと眺めていたい気持ちでした。
伊勢神宮内宮 別宮 風日祈宮
しかし、参拝をしないと帰れないような気持ちになってきたので、先を急ぎます。
ご祭神は、伊弉諾尊の御子神で、特に風雨を司る神、級長津彦命、級長戸辺命。雨風は農作物に大きな影響を与えますので、神宮では古より正宮に準じて丁重にお祭りしています。
別宮|皇大神宮(内宮)|神宮について|伊勢神宮
少しお参りする方が待っているな、と見ていたら、神職の方が中のお賽銭を集めていました。
そうですよね、これ集めておかないと、あふれたりしたら大変ですよね。
ちょうど奥さんは小銭がなくなったとかで、僕のを上げましたら、僕も小銭がなくなりました。
結構入れてきたのになあ、と思いつつ、外宮、内宮をお参りして、それぞれにお賽銭を入れていると、二人分で結構入れたなあと思いました。
こんな感じで袋に入れて持っていくのですね。
なかなかその作業自体も見ていて面白かったです。
帰り路、御池を見ると綺麗な紅葉が見えました。
内宮の御厩には神馬はいませんでしたので、この日はそのまあ内宮を後にしました。
「内宮はどこも人が多かったね」
というと、
「もう一回来ようかな」と言っていたので、これはまた明日も来るな、という予感。
おはらい町
さて、内宮を出て、おはらい町、おかげ横丁に向かいます。
飲食店やお土産物屋さんが立ち並ぶ通りというので、どんな雰囲気か見てみたかったのですよね。
わあ、すごい人!
こんな感じの混雑を見るのも、その中に入っていくのも、本当に久しぶりです。
「原宿とかに来たみたいだね」と言っていました。
しかし、お店の建物は昔風で面白かったです。
通りの雰囲気に相応しいつくりにしているのでしょうね。
伊勢うどんのお店やお茶屋さん、軽食など、活気ある門前町という感じです。
伊勢神宮のスターバックス。
2021年オープンというから、まだ新しい感じがしました。
変わったデザインの軒丸瓦でした。
ちょっと歩き疲れていたし、座りたいね、という感じだったのですが、どのお店もいっぱいです。
「伊勢萬」さんという酒屋さんの前で、甘酒を売っていました。
奥さんが甘酒を飲むというので、一つ買いました。
混雑する通りから、少し抜けたくて、川沿いに下りてみました。
五十鈴川沿い
なるほど、川沿いに店が建ち並んでいるのですね。
下りていくと、静寂に包まれた穏やかな夕景が広がっていました。
わあ、ここは綺麗な景色ですね!
しばらく見ていたら、鳥居前に並んでいた人力車がやってきました。
混んでいるのに、どこを通るのだろうと思っていましたが、この下の道を行くのですね。
この景色を見ながら、あれこれ案内してもらえたら、楽しいだろうなあと思います。
お店は真っすぐ平面なところにあるのかと思っていましたが、川の斜面にあるのですね。
川沿いで発展した参道の門前町というのがわかります。
赤福本店
さらに奥に進むと、おかげ横丁と交差する場所があり、この地点が最も混みあっていました。
そして、赤福の本店を発見です。
わあ、すごい行列ですね!
難波駅、伊勢市駅からずっと「赤福」の文字を見ていたので、何となく食べなければいけないのだろうか、という気持ちになってきます。
上の写真のお店が赤福のお店、下の向かいのお店が「ぜんざい」だそうで、並ぶ場所が違います。
「どうする?」
「赤福」
というので、列に並びました。
20組くらい並んでいましたが、するすると中に入って行きますので、並んだのは15分ほどです。
中に入ってわかったけれど、回転もはやいから、そんなに待つことはありませんでした。
「赤福餅盆300円」とあります。
店内に入ると、たくさんの方が赤福餅を召し上がっておられました。
なるほど、座敷席を自由に使って座ってください、というつくりなので、皆さんグループごとに食べていました。
一口で食べられるから、確かにそんなに時間はかからないですよね。
バスを降りてから歩いていたので、シューズを脱いでゆったりできました。
10分いたか、いないかくらいでしたが、赤福本店の雰囲気がわかってよかったです。
出口に至る道も細路地から見る景色も、なかなか味がありました。
橋の袂から出てくる感じ、なかなか他にはあまりないですよね。
出たところにお土産売り場がありましたが、こちらも大盛況でした。
(僕らは翌日外宮前で買いました)
おかげ横丁の神恩太鼓
そろそろバス停に戻ろうか、というタイミングで、「ドン、ドン」という太鼓の音が聴こえてきました。
勇壮な太鼓に、皆さん聞き入っていました。
16時を過ぎると、やや人通りもまばらになってきます。
いろんな観光施設が集まっているのですね。
今夜の宿へ行くバスが宇治山田駅から出るというので、一旦バスで戻ります。
宇伊勢市駅から治山田駅まではすぐだから、と伊勢市駅行きに乗ったのですが、これが大変でした…。
二両繋がっているバスで、たくさん乗れるのは良いのだけれど、乗降にとても時間がかかります。
ぎゅうぎゅう、満員のバスが伊勢市駅に着いたのは、17時5分前でした。
わあ、急がないと、と僕は歩きはじめると、奥さんは
「もう歩けん…」
ありますよね、こういうこと。
タクシーが一台いたので、頼み込んで500m先の駅まで行ってもらいました。(ぶつぶつ言われたけれど、千円あげたら喜んでおられた)
何とか宿へのバスに間に合ったけれど、たぶん自分たちで計画したら、こうはしないだろうなあ、という旅程でした。
バス、大変だったな、という印象しかないので、もし行くなら、次回は必ず車です。
時間に追われる感じは、一番嫌だから。
さて、何とか内宮の参拝まで書きました。
あとは宿の食事と、帰りの記事です。
どこかに行こうか?と相談したものの、結局翌日も内宮、おはらい町、外宮を巡りました。
また次回はその話を書きますね。
2023年の記事はこれで終わりです。
それでは、今日はこの辺で。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
良いお年を!