瀬戸芸直島家プロジェクト のことについて書いておこうと思います。
春会期に一度直島を訪れていて、その際にはベネッセハウスミュージアム周辺を巡りました。
今回は秋会期の瀬戸芸直島家プロジェクトを巡ったことをさらっと記事にします。(詳しい版はまた別途)
いろいろ楽しいこともあったので、忘れないうちに書いておきます。
瀬戸芸直島秋会期のことや、直島家プロジェクトなどにご興味のある方の参考になれば幸いです。
直島本村行き旅客高速船
とても大事な直島への行き方のうち、今回は船の時刻表のお話です。
瀬戸芸のガイドブックが発売された時期と、現在の船のダイヤが少し変わっていました。
例えば、9:05の高松発宮浦行きの旅客高速船は9:20となっていました。(コロナや人員不足だそう)
当初は9:05に乗ろうと思っていましたが、それがないことを切符売り場で知りました。

切符売り場へ行くと、本村行(その後豊島まで行く)旅客高速船は9:07で変わりなしとのことでしたので、それに乗ることにしました。
直島の旅客高速船では、この切符を購入する前に検温がありました。
是非、直島に行く場合には、四国汽船のHPを確認してから行くことをお勧めします。
高松港4番乗り場から直島本村行の旅客高速船は出ています。
大人片道1220円でした。

9:50頃でしたが、すでに15名ほど並んでおられました。

すぐに「まりんなつ1号」が到着し、乗客が降りた後、列の方が乗ります。

屋外の席が埋まっていたので、僕は立ったままでいました。
(僕以外の方は座っていまして、結構揺れて水もかかるのでお勧めしません…)

わあ、青い空に白い雲、少し深い色の海の色が綺麗です。
赤灯台を過ぎる頃、最初に左に見えてきたのは女木島です。

右には屋島、進むたびに形が変わるからそれも見ていると面白いです。
今回は首のないスフィンクスに見えました。

その先には大島、その向こうが小豆島。

瀬戸芸の会場となっている東の島のほとんどがこの航路から見えます。

女木島(左の岸)と男木島(右の岸)の間を抜け、その向こうに見える直島へ船は進みます。
通り過ぎる際に男木島の灯台が見えました。

もともとこの高速艇は直島本村港を経由して豊島家浦港へ行きます。
家浦港は北側になるので、一度豊島の南側を通り過ぎるような感じになります。

大きな船のエンジン音が少し下がっていくと、港が近づいてきました。


高松港から約30分で直島本村港へ到着です。

瀬戸芸直島家プロジェクト 南寺
普段はあまり意識しませんが、今回は少し早めに到着する必要がありました。
家プロジェクトの南寺、早いもの順で整理券を配布しています。
もし全てをまわる必要がないなら、ゆっくり行くところです。
(こういう早い者勝ちみたいな仕組みはあまり好まない)
しかし、早く来られたので本村ラウンジ&アーカイブで9:50の整理券を受け取りました。(3シーズンパスポートがあれば、家プロジェクトは鑑賞できます)
瀬戸芸のシーズン外やパスポートなしで家プロジェクトを鑑賞するには、専用の鑑賞チケットが必要です。
そのチケットはこの本村ラウンジ&アーカイブで買わないといけません。
本村ラウンジ&アーカイブは、かつて農協のスーパーマーケットとして使用されていました。その基本的な構造をほぼ残し、建築家・西沢立衛が空間をデザインしています。家プロジェクトの鑑賞チケットと関連書籍やグッズ販売のほか、インフォメーションセンターとしてご利用いただけます。
家プロジェクト | アート・建築をみる | ベネッセアートサイト直島より引用
大事なことなので繰り返すと、ここでしか直島家プロジェクトの鑑賞チケットは購入できないので、十分ご注意ください。
本村ラウンジ&アーカイブ 営業時間9:30~16:30 定休日月曜日※ただし、祝日の場合開館、翌日休館所在地 〒761-3110 香川県香川郡直島町850-2 tel 087-840-8273

受付で瀬戸芸パスポートを提示すると、南寺の整理券をくれました。
「9:50までに現地へ行ってください」と言われました。

ちょっとした休憩スペースとお土産などの販売をしています。


昔農協の店舗だったのを案内所に改装したので、僕にはその面影があります。

今はお洒落なアートスポットに変わっています。
普段は大勢の方が休憩しているイメージですが、朝はさすがに人が少なかったです。

大竹伸朗さんのガチャもありました。いろいろ入っているんですよね。
南寺


本村ラウンジからまっすぐ南へ歩いて5分ほど。
並んでいると「南寺はここですか?」と尋ねられました。
僕もここで良いのかわかりませんが「そうです」と答えておきました。

駐輪場が南寺のすぐそばにあります。
駐輪場が近くにはない作品もあるのでここに停めて、歩いてまわるのが便利です。

まだ時間が来ていなかったので、皆さん周辺から見守っていましたが、見守っていては中には入れません。

奥に見える机のところが先頭で、僕は先頭に並びました。

ここで係の方から説明があります。
カメラはここまで。(帰りに出口を撮ることができます)
中でジェームズ・タレル氏の「Backside of the Moon」を鑑賞できます。

この作品は別に特にすごい仕掛けがあるということではなくて、一度に中に入れる人数が限られているから、混みあうのですね。
そして写真や動画を撮れないから、何があるのか、と入って行く、そんな感じです。
ANDO MUSEUM
特にどこから行くという順番やルートもないので、好きなところから巡ります。
まずはANDO MUSEUM。
ベネッセの施設なので、写真はOK、動画はNGとなっていました。

普通の民家の一角なので、看板などがないとわからないですよね。

次々にお客さんが入っていきます。
比較的わかりやすい、行きやすい場所にあるからでしょうか。



のれんをくぐって中に入ると、ちょっとした中庭があります。

以前訪れた際には、気が付かなったのですが、これが地下に続いているのですね。
写真が撮れるようになったので、中の雰囲気がわかるようになってよかったです。

こちらが受付とちょっとしたミュージアムショップになっています。


奥に進むと中はコンクリートに。

外からは普通の民家なのに、中に入ると全く違う世界になるので、あれ?ここどこだった?という雰囲気です。それがきっと面白いところ。


なかなか館内の構造を説明することはできませんが、一階、半一階、地下という風になっています。


わあ、地中美術館の模型ですね。

どんな建物かは、中からも外からもわからないので、こうしてみると新鮮でした。
ほとんど山の中にあって、天井だけ上から見えるのですね。


光の教会の模型もありました。


ここからさらに下に降りる階段があるのですが、少し狭いので譲り合って昇降していました。

普段から同じ色の階段があると奥行を見るのが少し苦手です。(高松港フェリー乗船券売り場が一番苦手)
ゆっくり一段ずつ下りました。

少し光が差し込んでいるあたりに行くと…、

わあ、自然光がライトのように光っています。

ここから採光しているのでしょうかね。
僕は一人で来ているので試せないけれど、もう一人いたら影をつくってためしたいところです。

ANDO MUSEUM、なかなか面白い施設です。
碁会所
続いて家プロジェクト碁会所です。


中へ入っていくと小さな庭のようになっています。

茶室のような部屋が左右に一つずつあり、中を覗き込むような感じで鑑賞します。


思わず軒先に腰掛けてしまったけれど(本来は座るためにあると思うのだが…)、座らないでくださいと言われてしまいました…。


家プロジェクト石橋
続いて家プロジェクト石橋。

少し離れているのですが、この作品の周囲には駐輪場がないとのことで、張り紙がいっぱいありました。
乗って来る方が多いのでしょうね。
この先にあると思って先へ進むのですが、結構距離があって遠いので、この民家のある道であっているだろうか、という気持ちになります。


建物の前に係の方がずっといるので、なかなか撮りにくかった建物の前。
「どうぞ、ここです」とずっと言っておられました。
以前来た際には行列が出来ていて中へは入れなかったことがありました。
中に入ると靴を脱ぐ場所がありました。靴を脱いで中へ入っていきます。

わあ、これはなかなか素敵な感じです。



襖絵に使われている画材の性質で、少しずつ絵が変化しているのだそうです。


目の前には緑のお庭が広がっています。


先に進むともう一つの部屋があります。
絨毯の先に行くと警報が鳴るので気を付けてください、とのことでした。
家プロジェクトで警報は鳴らしたくないものです…。




古い民家を改装しているのですが、古さを感じない小さな美術館のようでした。




ぐるりと屋敷を一周して、元の場所に戻ってきます。


なかなか子どもと一緒に、という雰囲気ではないのですが、大人がゆっくり楽しめる雰囲気でよかったです。

瀬戸芸直島家プロジェクト角屋、護王神社、The Naoshima Plan 「住」
石橋から元の道を戻り、The Naoshima Plan 「住」に行きましたが、こちらは11時からだそうです。
また、家プロジェクトきんざは事前に予約しないと入れないのですが、秋会期中は全て予約で埋まっていました。

ここは中に入れないから外観だけです。
東側にある角屋に先に行きました。
こちらも中の人数制限だそうで、列ができて並んでいて、10分ほど待ちました。

水が張ってあるので、落ちないように気を付けて、という注意があり、落ちた人もいるだろうなあと思います。
水の中に落ちないように気を付けて、という作品の一方、「水に浸かる」作品もありました。11時にオープンしたThe Naoshima Plan。
こちらは家プロジェクトではなく、瀬戸芸の作品の一つなのですね。

「足湯」のように足を水に浸すことができます。
僕はタオルを持っていたので、それで拭けましたが、ない方は買えますとのことでした。
少し歩き疲れた足を水に浸すだけで気持ちがよかったので、タオルを持って行くことをお勧めします。

行ったり来たりになりますが、角屋の方へ戻り護王神社へ。

杉本博司ギャラリーで模型を見たので、今回は地下も見に行きました。

人が一人入るといっぱいになるほど狭い通路でした。
中は暗いので懐中電灯を渡されます。
出てきた場所の風景がどこの辺りなのか、小豆島?三都半島?としばらく係の方と話しました。

瀬戸芸直島家プロジェクトはいしゃ、ONEREST、直島ホール
7か所ある家プロジェクトの最後は「はいしゃ」です。

入口で待っている方がいたのですが、話の内容から察するに鑑賞チケットを持たずに来てしまい、本村ラウンジまで買いに行っているのを待っている、という状況だったようです。
先にチケットを買ってから巡らないといけないのですね。
待つような場所やつくりもないから、大変そうでした。

壁や床も作品なので、カバンなどの荷物が壁に当たらないように、という注意がありました。
家プロジェクトは、靴を脱いで上がるところも多く、注意点も多かったです。
子ども連れや高齢の方だと、なかなか厳しい場所もありました。
場所が集まっているから巡りやすいのですが、道が狭いので混雑する時は混むだろうなあと思います。
はいしゃを見て出ると、ちょうどお昼になりました。
本村地区の家プロジェクトは約2.5時間で見られました。
普段奥さんと一緒ならば、ゆっくり落ち着いたところで食事をするのですが、今日は僕一人なので、食事よりスピード優先です。
はいしゃの目の前の「onerest」さんで食事をしました。

窓口で注文すると、3分くらいで作ってくれて、僕も3分くらいで食べました。
次の直島ホールは、前回葬儀があって中を見ることができませんでした。


「古楽」という昔の楽器を使った演奏会があるらしく、リハーサル?をされていたようです。
リコーダーとチェンバロの演奏が続くホール。
なかなか見られない光景でよかったです。(この時、演者以外他に誰もいなかった…)

桜の迷宮、李禹煥美術館
帰りはフェリーで帰るつもりだったので、宮浦から14:20発です。
急げば行ける、と思い桜の迷宮、李禹煥美術館にも立ち寄って行くことにしました。
(行くことができればこの日で直島は全て見ることが出来るので)
今回は桜の迷宮が目的なので、海岸の道を行かずに山の道を行きました。
一人で歩いていると、「どこへ行くんですか?」と地元の方に声をかけられました。
「桜の迷宮です」というと「桜や咲いとらん」。
そうですよね、僕も知っています。
しかし、その現場に行かないとどうなっているのか、わからないじゃないですか。

まあ、もちろん行ったから何があるということもないのですが…。
しかし、2016年に比べると、確実に桜の木は大きくなっていて、もう少ししたら春には綺麗に咲くのでは、という印象です。
さらに歩いてベネッセの敷地にある李禹煥美術館へ。
李禹煥美術館の館内は撮影が不可のままでした。
屋外では、いろんな方が思い思いの写真を撮られていました。

僕は浜辺まで行き、観たかった黒と黄色いボート、崖にかかった写真を見てきました。


ここで13時、宮浦港へ急ぎます。
道の途中、自転車の若い方が地図を見ていたので、すれ違うところで「どこに行くんですか?」と尋ねると「地中美術館」というので、「このすぐ上ですよ」と教えました。
自転車のペダルを漕いで、上って行きました。
下り坂があるから、迷ったのだろうね。
直島パヴィリオン、BUNRAKU PUPPET、直島銭湯「I♥湯」
なかなか中身の濃い直島の一日でしたが、もう少し続きがあります。

ちょうど中にいたのが、小さな子ども連れのグループだったのですが、楽しそうに遊んでいました。
一度出ても「入る!もう一回!」と言っていました。
確かに、中ではしゃぎたくなりますよね。

BUNRAKU PUPPET、一度夜に光っているところをみてみたいものです。

そして、今回の作品の中で、最も印象に残ったのが直島銭湯「I♥湯」です。
訪れたら、中に人が入っていたので、何かと思ったら中の見学ができるとのこと。
しかも写真も動画もOKというので、喜んで660円(くらい)払いました。
いやあ、何度も外観は見ていますが、中に入るのは初めてです。
しかも、女湯、男湯両方ともに見学ができました。


湯舟や鏡のつくりは絵柄が男女で違います。
お風呂に入る時には撮影は出来ないし、さらに女湯の方はずっと見られないだろうなと思っていたので、作品を観ることができて、とてもよかったです。
The Naoshima Plan 「住」、宮浦ギャラリー六区│瀬戸内「 」資料館
本当はアカイトコーヒーに立ち寄りたかったのですが、残り時間はあと20分。
急いで2つの作品を観ました。

春に来た際にはまだ工事途中でしたが、外観は出来上がっていました。
もう少し内装をして完了だそうです。

すぐ隣の宮浦ギャラリー六区。


こちらも中は撮影不可でした。
海の駅「なおしま」、赤かぼちゃ
残る作品はあと二つ。
こうなると、やはり作品のスタンプを全て押したくなりますよね。

最後に赤カボチャ。

今回は瀬戸芸直島家プロジェクトを中心に見てきました。
春と秋、これで「きんざ」以外の直島瀬戸芸作品は全て見ることができました。
日帰りでも、もし泊まるのでも、2日あれば十分に全て見られます。
気候の良い秋会期は、終わりに近づけば近づくほど混みあうので、是非お早めにお出かけください。
どうぞよい瀬戸芸の旅を!
それでは、今日はこの辺で。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。