今回は直島杉本博司ギャラリー時の回廊のことを書いておこうと思います。
直島ヴァレーギャラリーとともに、2022年3月にオープンしたベネッセハウスミュージアムの施設です。
地中美術館、直島杉本博司ギャラリー時の回廊のことなどにご興味のある方の参考になれば幸いです。
目次
- 高松から直島へ
- 直島地中美術館 地中の庭
- 直島地中美術館のエントランス
- 直島地中美術館から時の回廊へ
- 直島杉本博司ギャラリー時の回廊のエントランス
- 直島杉本博司ギャラリー時の回廊
- 直島杉本博司ギャラリー 時の回廊 ラウンジ
- 直島杉本博司ギャラリー 時の回廊 硝子の茶室「聞鳥庵」
地中美術館 地中の庭
地中美術館のチケットセンターには、予約時間前後に到着したので、早速チケットと引き換えます。
地中美術館の館内は撮影禁止なのですが、ミュージアムショップの手前までは大丈夫です、とのことでした。
チケットセンターから地中美術館までの間に、少し庭のような小路があります。
はじめて来た時には、全くそのことを知らなくてすたすたと通り過ぎてしまいましたが、五月には花々が綺麗に咲いていました。
人がいない時に撮っていますが、美術館の開館中はほぼ人通りが絶えません。
これから美術館へ向かう方、帰って来られる方それぞれが地中の庭を行き交います。
四国には高知県北川村にも「モネの庭」を模した場所がありますが、直島地中の庭もモネの庭をイメージしているのだそうです。
広い場所ではないので、通り過ぎてしまう方が多いけれど、よくよく見ていたら季節の花が良く手入れされているのがわかります。
ここだけ別世界のような、そんな雰囲気です。
夏や秋冬は、また違った景色になるのだろうなあと思いますが、花咲く時期ははじめてだったので、見ることが出来てよかったです。
しばらく立ち止まり、綺麗な庭を眺めていても良いのですが、次々とお客さんが来るので、エントランスに向かいます。
(僕は地中美術館に入るのは2度目で写真も撮れないので、実は館内はあまり興味がない…)
地中美術館のエントランス
地中の庭を抜けると、エントランスが見えてきました。
木陰に隠れている場所に係の方がいて、チケットを確認しています。
時折交替するのだろうけれど、ここで一日チケットを確認するって、どんな感じだろうかと想像してしまいました。(そう思わせる場所が直島には多い)
まあ、我慢強い方もおられるだろうから、次々に来るお客さんのチケットを確認し続けても苦にならない方もおられると思いますが、僕は10分で飽きてしまいそうです。
静かに、ユニフォーム姿でチケットを確認する係の方には、少し敬意を感じます。
奥に入口があるので、緩い坂を上っていきます。
遠いね、という奥さんを「帰りは下りだから」と一緒に上っていきます。
なんてことはない坂なのですが、ベネッセハウスミュージアムへ行き、戻って来てからの坂なので、歩き続けている感じがしています。
坂を上りきると、コンクリートのエントランスが見えてきました。
ちょうどこのタイミングで他の方がいなくなったので、奥さんは「ほんとに?ここ?入るの?」なんて言っています。
確かに、はじめて来て、誰もいなかったら、ここから入るのは躊躇いますよね。
「誰もおらん…」と不安げな発言をしていましたが、進まないと先には進めませんので、是非歩いて行ってください。もし間違ったと思ったら、戻れば良いので。
地中美術館は2004年の開館なのだそうで、再来年20周年なのですね。
確かにに、以前訪れた時には、コンクリートの表面がまだ真新しい雰囲気でしたが、少し年月が経った、という気がします。
外に出ると、四角い形の階段がありました。
ここを訪れる前に、ちょうど007を見てきてしまったため、影から兵士が出てきたらどうしようか、と想像してしまいましたが、そういうことはありませんでした。
出てくるのは、美術館を訪れたお客さんだけ。
身構える必要も、身を隠す必要もありません…。
上の方へ行くと、上の階のフロアに入って行けるので、そこがミュージアムショップの入口です。
ですので、写真はここまで。
モネの睡蓮や、ジェームズ・タレル、ウォルター・デ・マリアの作品などが展示されています。詳しくは地中美術館のサイトで見られます。
前回訪れてから、特に展示替えがあった感じもなかったので、僕はさっと見てきました。
結構人が多くて並んでいるところもありましたので、瀬戸芸期間中の週末は混むのでしょうね。
地中美術館から時の回廊へ
結局1時間ほど地中美術館にいたと思います。
続いて、時の回廊の予約時間が近づいて来ていました。
お腹も空いたので、地中カフェでも、と思ったらここも行列。
ベネッセハウス周辺では、時間に余裕がないと、なかなかごはんが食べられませんので、予約時間や昼食の時間を考えて来ないといけないなあと思いました。
(今回予約時間は本当に失敗しました。)
この日3度目のこの道のりが一番きつかったところです。
何となく地図上での場所はわかっていたつもりですが、地中美術家から杉本博司ギャラリー時の回廊までは2キロくらいありました。
徒歩で行くと、約25分です。
カートに乗れたらいいのにね、と二人で思いましたが、思っても仕方がありません。
頑張って上り坂を歩きます。
案内表示も何もないので、本当にこの先にあるのだろうか、出来ているのだろうか、という気持ちになりますが、ありますので先に進んでください。
(ベネッセハウスは全体的に「ここにあります」という表示はしていないので、勝手に来て探して、という感じ)
あれかな?いや、あれは宿泊棟だよね、と言いながら進みます。
従業員の方のバイクや自転車の駐輪場なのでしょうかね。
ここを右へ曲がって行くと、ホテルの車寄せのような場所がありました。
もちろんホテルやギャラリーであるという表記は一切見当たりません…。
「え?ここ?入っていいの?」と奥さんは何度も言っていましたが、入らずにどうしろというのだろうか、と思いながら扉の中へ入ります。
「時の回廊の受付はここですか?」と尋ねると、「はい、こちらです」とのこと。
よかった!あっていました。
直島杉本博司ギャラリー時の回廊のエントランス
受付の方には申し訳ないと思いつつ、そこに作品があるので、撮りました。
検温と消毒を済ませ、受付をしました。
中にラウンジがあり、空いているタイミングで入ればお茶とお菓子がいただけるとのことでした。
写真はOKですが、フラッシュと動画不可だそうです。
僕は宿泊したことがないのですが、ここが宿泊の方のエントランスになっているのか、係の方が荷物を持ってクロークと行き来していました。
この奥にも一つ彫像のようなものがありましたが、ちょっと近づきにくい感じでした。
もうずっと今日はコンクリートの建築に囲まれているから、これでもか、という気になりますが、まあ、そういう場所なのだと思うことにします。
できれば直島の美術館へ行く時には、一つか二つくらいをお勧めします。
僕はこの日4か所巡ってしまったけれど、ちょっと多すぎました。
見過ぎると、これは面白い、楽しい、という気持ちが、少し足りなくなってきてしまいます。
日常生活があって、非日常のアート作品があるので、ずっと非日常だと疲労感を感じました。
直島杉本博司ギャラリー時の回廊
まあ、それでもはじめて来たのだから、と見て行きます。
1948年東京生まれ。1970年渡米、1974年よりニューヨーク在住。活動分野は、写真、彫刻、インスタレーション、演劇、建築、造園、執筆、料理と多岐に渡り、世界のアートシーンにおいて広く支持を得ている。杉本のアートは歴史と存在の一過性をテーマとし、そこには経験主義と形而上学の知見をもって、西洋と東洋との狭間に観念の橋渡しをしようとする意図があり、時間の性質、人間の知覚、意識の起源、といったテーマを探求している。ベネッセアートサイト直島では、家プロジェクト「護王神社」を手がけ、ベネッセハウス ミュージアムでも作品を展示。
杉本博司ギャラリー 時の回廊 | アート・建築をみる | ベネッセアートサイト直島より引用
見ている時には、これはどの作品だ、ということはわかりませんでしたが、ベネッセハウスミュージアムサイトには、現在展示されている作品の一覧があるので、それで確認していきました。(これがあれば、次に行く機会にもっとじっくり見られます)
わあ、中は結構広くて、思ったよりもたくさんの作品が展示されています。
全体の外観はわからなかったので、こんなに広いところとは想像していませんでした。
これは少し驚いたところです。
直島の護王神社の模型がありました。
なるほど、こんな感じで作っていたのですね。
訪れた時には、何で神社をここに作ったのだろう、と思っていましたが、こういうことだったのですね。
「護王神社」は家プロジェクトの一つとして、2002年に公開されました。直島・本村地区の氏神が祀られている同神社の改築にあわせて、本殿と拝殿、また拝殿の地下の石室がアーティスト・杉本博司によって設計されています。本殿と石室はガラスの階段で結ばれており、地下と地上とが一つの世界を形成しています。本殿と拝殿は伊勢神宮など古代の神社建築の様式を念頭に、作家自身の美意識に基づくものになっています。
杉本博司が設計した神社、「護王神社」の制作ドキュメント | ブログ | ベネッセアートサイト直島より引用
護王神社には地下があるのですね。
ベネッセハウスミュージアムや地中美術館に比べて、人が少ないのはよかったです。
空いているからゆっくりと見られます。
杉本博司氏がどんな作家で、どんな作品が展示されているのか知らずに訪れましたが、十分に楽しめる展示です。
モノクロの光と影の写真が多いのですが、何となくこれはこうかな、と思いながら鑑賞しました。(でもやはり作品名がわかってみた方が楽しいと思います。僕は帰ってから作品名を見たので)
光の教会、光に照らされて綺麗な感じでした。
15分ほど見た後、ラウンジへ行ってみました。
直島杉本博司ギャラリー 時の回廊 ラウンジ
ちょうどエントランス正面の裏側にラウンジの入口がありました。
「入られますか?お二人でしょうか?」
と、バーテンダーのような係の方が席まで案内してくれます。
僕らは一つ奥のラウンジだったのですが、手前の部屋にも大きなテーブルや作品が置かれていました。
ガラス越しにガラスの茶室のお庭が見えました。
そして、ラウンジの壁にも、いくつか作品が展示されていました。
これはなかなか景色も良くて、心地よいところです。
ずっと歩き続けていたので、座ってゆっくりしたかったところだったので、ちょうどよかったです。
お茶は抹茶、煎茶、ほうじ茶から選べるのだそうで、僕は煎茶に、奥さんは抹茶にしました。
お腹が空いていたし、少し疲れていたので、ほっとひと息つけてよかったです。
窓ガラス越しの景色をしばらく見ていたいところですが、あっという間にお茶とお菓子は食べてしまいました…。
昼食を済ませ、ちょっとおやつの時間という時にラウンジを訪れると、ちょうどいいかもしれません。
直島杉本博司ギャラリー 時の回廊 硝子の茶室「聞鳥庵」
ラウンジを出て、中庭を見ます。
反対側にはお手洗いもありましたが、そこを抜けると外へ出ます。
ここで初めて案内図があったので、全体像がわかりました。
ちょうどベネッセハウスの海沿いの庭と繋がっているのですね。
こちらが先ほどのラウンジの外観です。
わあ、この場所がよく紹介されていましたが、こんな感じになっているのですね。
背景も含めて、何だか素敵な感じになっていました。
この日は少し雲が出ているお天気でしたが、青空が広がるとまた違うだろうなあと思います。
宿泊して、夕方や朝に見るのもいいかもしれません。
海の向こうには高松の街。
直島からは良く見えますが、高松からは島影ばかりで、あまりよく見えません。
実際にお茶室として利用することがあるのでしょうかね。
なかなか夏に陽ざしがあると、暑いかもしれません。
ガラスの茶室越しに瀬戸内海、四国が見えるのは、とても良いですね。
池に浮かんでいるみたいで、なかなか素敵な光景です。
背後にはラウンジ、奥に宿泊棟がありました。
またベランダから見る景色も綺麗だろうなと思います。
噴水のように水の流れる階段をの傍を下って行きます。
振り返ると、外の壁に作品が一つ展示されていました。
ここで見るからわかるけれど、何も知らなかったら、四角い白黒は何かはわからないですよね。
一つ僕らが見落としたのはこの通路の中の作品です。
ちょうどガラスの茶室の後ろ側に展示されているので、気が付きませんでした。
もしこれから行かれる方は、こちらも通って作品をご覧になってください。
通路を行くと、ここで時の回廊が終わりになり、再入場できません、という扉があります。
そこを抜けると、ミュージアムショップに続く廊下があります。
この回廊も、とても綺麗で素敵な壁の通路でした。
最初は鏡かと思っていましたが、小さな四角いクリスタルなのですね。
動く度、自分たちの姿が何処かに映り込みます。
綺麗で楽しい作品ですね。
バスの時間が近づいていたので、ミュージアムショップで少しお土産を買い、外へ出ました。
昨年2021年9月に台風が来まして、ここにあった黄色いかぼちゃ、イエローパンプキンが流されてしまいました。
時折流されることがあるので、いつも通り船で回収して再設置されるだろうと思っていました。
しかし、今回は3つくらいに割れてしまったそうで、破損し展示ができなくなっているそうです。
この場所が似合う、とても人気のあった作品でしたので、また修復されて展示されると良いですね。
さて、本当は直島編を最後まで書いてしまいたかったのですが、書き続けるとあとこの倍くらいの長さになってしまうので、ここでまた区切りとします。
「地中美術館」も「時の回廊」も予約が必要なので、泊まらない方は十分に計画を練って予約してください。
それぞれが遠いので、移動の時間、昼食のことも考えておかないと、今回の僕らのように失敗してしまいます。
次回は本村港付近でのランチ、宮浦港でのカフェに行き、高松に帰ります。
もしよろしければ、次回もご覧ください。
それでは、今日はこの辺で。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。