以前にレオマの秋バラについては書いたけれど、 坂出番の州公園のバラ園 について書くのははじめてになります。
もう6月も下旬なので、バラの季節は随分前に終わってしまったのですが、3つほどバラの記事を書いておこうと思います。
まず最初は坂出番の州公園です。
以前番の州公園にはアジサイを見に行って、綺麗だったので、バラの時期はどんな感じなのかな、と気になっていました。
特にバラのことに詳しいわけではないのですが、バラの一つずつに名前のプレートがかけてあったので、そのプレートを見ながら、 坂出番の州公園のバラ園 を巡ってみました。
もし番の州公園やバラ園などにご興味のある方の参考になれば、幸いです。
坂出緩衝緑地 番の州公園の場所
今回訪れる場所ですが、大きな枠組みでは坂出緩衝緑地の中にあります。
坂出緩衝緑地とは
OUTLINE | 坂出緩衝緑地 より引用
坂出には、番の州を中心とする臨海工業地帯が形成され、また北部の広大な塩田跡地には新しい市街地づくりが進められました。
これを契機として、県は、坂出市と番の州などに立地している事業者の協力を得て、地域住民の健康を守り、生活環境の保全を目的とする環境対策と坂出市の新しい市街地整備をめざして、番の州南部地区から西大浜地区、東大浜地区にかけて、整然とした緑地「坂出緩衝緑地」を公害防止事業団(現:環境事業団)に委託して建設しました。
この建設事業は、昭和50年3月に着工し、昭和55年3月に総事業費39億4千5百万円をもって完成しました。この間、昭和52年4月にその一部の地区を香川県都市公園に指定し、坂出緩衝緑地として供用を開始し、昭和55年5月に全面供用しました。
昭和52年4月に供用開始して以来、樹々は枝葉を伸ばし、四季折々の花が咲くこの緑地は、県民が気軽に利用できる憩いの場となっています。このうち番の州地区には、野球場や運動広場など広く県民のスポーツに役立つ施設も設けられ、平成10年3月には、野球場に6基の夜間照明施設を設置しました。坂出には、番の州を中心とする臨海工業地帯が形成され、また北部の広大な塩田跡地には新しい市街地づくりが進められました。
簡単に言うと、塩田跡地に工業地帯作ったから、その環境対策で公園を作ったということなのですね。
香川県瀬戸内海沿岸、やや西よりにあります。
ちょうど瀬戸大橋が四国、坂出にかかっている真下です。
高松から行くと、五色台トンネル経由で約40分。
とても便利な道なのですが、昼夜を問わずトラックが行き来していて、二車線化の工事も始まっているから、十分注意して走ってください。
トンネルを抜けて、そのまま沿岸のさぬき浜街道を走ります。
左にハンバーグのウェリントン、右に坂出体育館やスーパーが見えたら、その辺りから坂出緩衝緑地(東大浜緑地)のはじまりです。
橋を渡り、右に坂出グランドホテルや坂出プラザホテル、ファミレスが見えてきたら西大浜緑地。
この辺りも工事をしているから、少し形を変えていくのかもしれないですね。
そのまま坂出北インターの脇を抜けて右折する行き方と、その手前で右折する行き方がありますが、今回は右折してかまどの喫茶の角を左折しました。
そのまま直進してコンビニで右折。
右手には、もうなくなってしまったのですが、少し前までプールもあった場所。
そこで遊んだという方も多くいるのではないかと思います。
ここで右折して駐車場へ入ることもできるのですが、僕はその奥まで行きます。
(ここはトラックが非常に多いので十分に注意して安全に…)
この駐車場への入り方が安全かどうかは個人にもよるだろうけれど、もう一つ先でUターンすることもできるし、行き過ぎても、戻ればよいので、こちらの方が行きやすいです。(ただしバラ園からは遠い)
番の州公園駐車場の散策路
では、坂出番の州公園の北側駐車場に着いたところから見て行きますね。
こちらの駐車場に停められていたのは、工事関係の車両と、一般の方の車が数台という感じでした。
もう一つの駐車場も停めにくいわけではないのですが、少し混んでいて、ハンドルを握る方の年齢層も高めです。
駐車場の脇にはすぐに散策路と野球場が見えました。
野球場の右側を回り込むように、南へ歩いて行きます。
途中に坂出周辺の昔話について書かれた看板があります。
こことさぬきこどもの国の竜の遊具のお腹のところにある昔話が、香川二大昔話スポットですね。
御供所の鶏石だそうで、
御供所の鶏石(ごぶしょのにわとりいし)、坂出市のHPにも出ていました。
今もあるのでしょうかね。
こちらは金山鯛。
こちらは天狗の足跡。
イラスト付きで、わかりやすいですよね。
全部で12あるというので、探して見つけてみてください。
南側の駐車場の手前に、花壇になっている一角があり、紫の花がたくさん咲いていました。
その花の香りなのか、辺りは良い匂いに包まれています。
第13回「みどり香るまちづくり」企画コンテスト入賞と書いたパネルがありました。
環境省 第13回「みどり香るまちづくり」企画コンテストに、番の州公園を植栽地として企画した『香りと学びの番の州公園』が入賞いたしました。
第13回「みどり香るまちづくり」企画コンテスト入賞 | 坂出緩衝緑地より引用
「みどり香るまちづくり」とは毎年環境省が公募している、香りのする樹木・草花を用いて住みよい香り環境をつくるための企画コンテストです。
当事務所が企画した「香りと学びの番の州公園」は、園内に点在している「さかいでの昔話」パネル周辺に香りのスポットをつくり、四季を通じて香りの花を楽しめるようにした点を評価され、この度入賞を頂けることになりました。
なるほど、先ほどの昔話のパネルと、草花の香りを組み合わせた公園づくりを進めているのですね。
匂いは記憶に残りやすいから、なかなかいいかもしれません。
散策路を抜けると、南側の駐車場へ着きました。
わあ、やはり多くの方が来られていますね。
坂出番の州公園のバラ園 は駐車場の傍
普段の書き方であれば、全体的にこんな雰囲気でした、ということを書いて終わりなのですが、今回訪れた番の州公園のバラ園では、花の下に名前のプレートがついていました。
いやあ、それを見つけてどうしようかな、と思ったのですが、やっぱり出来る限りバラの種類や名前があった方が、学べて楽しいですよね。
ということで、1番から順に出来る限り、バラの名前を順に見て行きますね。
(※特にバラに詳しいわけではないので、間違っていたらごめんなさい)
全てがそうではないのですが、大体こんな感じで植えられています。
根元にプレートがあって、
① ヴェルメール 黄色 返り咲き 日本【2020年】
というような表記があります。
最初の数字は番号で、次にバラの品種名、花の色。
返り咲きというのは、秋にも花をつけることなのだそうです。
② マダム ピエール オジェ 淡いピンク色 返り咲き フランス【1878年】
なかなか伝統的な品種なのですね。
ムムム、これはなかなか書くのに時間がかかります…。
まあ、しかし、書き始めたので、何とか続けますね。
③ マニントン モーブ ランブラー 薄紫色 一季咲き イギリス【2001年】
一季咲きは春にだけ咲くのでしょうかね。
④ セネガル クリムゾン(深紅色) 返り咲き フランス【1944年】
西アフリカのセネガルから出て来た品種なのでしょうかね。
深紅というより、黒に近い色でした。
⑤ ゴールデンシャワーズ 返り咲き アメリカ【1950年頃】
(※表記のプレートの写真がなかったので、webで検索しました)
あら、プレートが見えなくなってしまっていました。
たくさん流通しているバラのようだから、興味のある方は検索してみて下さい。
⑥ ラレーヌヴィクトリア ピンク色 返り咲き フランス【1872年】
⑦ ポールズ ヒマラヤン ムスク ランブラー ピンク→パールピンク 一季咲き イギリス【1916年】
上の写真はたぶん次のポールノエルだと思います。
下の写真の左側のが「ポールズ ヒマラヤン ムスク ランブラー」でしょうかね。
こんな感じで隣のバラと入り混じっています。
⑧ ポールノエル 一季咲き フランス【1910年】
(※表記のプレートの写真がなかったので、webで検索しました)
⑨ ファザーズデイ(オレンジマザーズデイ) 朱オレンジ色 四季咲き ドイツ【1959年】
なるほど、四季咲きという種類もあるのですね。
一定の温度であれば、年中花をつけるのだそう。
⑩ CL.ジュリア キャメル色(薄オレンジ黄色)四季咲き フランス【1872年】
CLというのをバラの名前でよく見かけます。
つるバラ、クライミングローズClimbing Roseの語頭に由来しているのでしょうかね。
CL.ジュリアとあれば、クライミングローズのジュリア、なのでしょうか。
⑪ パレード ローズピンク色 四季咲き アメリカ 【1953年】
ローズピンク色、確かにローズピンクですね。
⑫ ギネー ガーネット色(黒味がかった赤色) 一季咲き フランス【1938年】
この色のバラは結構よく見かけます。
ギネー、フランス語の「ギニア」というのが名前になっているのですね。
先ほどのセネガルもそうですが、かつて仏領だったのが関係しているのでしょうかね。
⑬ 新雪(シンセツ) 白色 返り咲き 日本【1972年】
バラには作出者というのがあるようで、新雪は鈴木省三さんという方のお名前がありました。確かに、新雪のような白さですね。
この辺で何となく思ったのは、国名があるのは、そのバラの作出者の国籍、作出した年になっているのでしょうかね。
⑭ デ ラ グリフェレ 赤紫色 一季咲き フランス 【1845年】
デラクグリフェレと書いてありましたが、De La Grifferaie ドラグリフェレ、ドォラグリフェレ、という発音になるのでしょうかね。
⑮ イースリーズ・ゴールデン・ランブラー バター色 一季咲き イギリス【1932年】
作出者がEasleaさんになっているので、「イースリーさんの黄金つるバラ」くらいの意味なのでしょうかね。
バラの名前の付け方にも、その国の文化的な背景が垣間見られますね。
⑯ ローラダボー ピンク色 一季咲き フランス【1934年】
⑰ ピエールドロンサール ピンク色 一季咲き フランス【1988年】
フランスの詩人の名前を冠したバラなのですね。
いろんな名前のバラが
⑱ キュー ランブラーというプレートがあったのですが、そこにはそれらしいバラの花はありませんでした。
その時期に咲かないバラもありますね。
⑲ アトール’99 黄色 四季咲き フランス【1999年】
確かに1999年だと’99としたくなりますね。
環礁99年、サンゴ礁99年のようなバラなのですね。
⑳ オールドブラッシュチャイナ ピンク色 四季咲き 中国【1759年以前】
このバラは中国の品種なのですね。
1759年以前とあるので、随分昔からあるのですね。
㉑ ヨハンナレプケ ピンク色 四季咲き ドイツ【1931年】
ドイツっぽいことはわかるのですが、バラの名の由来はわかりませんでした。
人の名前なのでしょうかね。
㉒ ロイヤルサンセット アプリコットオレンジ色(杏色) 四季咲き アメリカ【1960年】
残念ながら蕾しか見かけませんでした。
杏色、見てみたかったです。
㉔ ペルル 淡い黄色→パールホワイト 一季咲き フランス【1905年】
ペルル、真珠のことなのでしょうかね。
㉕ ニュードーン パールピンク色 四季咲き アメリカ【1930年】
New Dawn アメリカっぽい名前です。
㉖ アンジェラ 濃いピンク色 四季咲き ドイツ【1988年】
ドイツ語に近い読み方だとアンゲラになるのでしょうかね。
㉗ フィリスバイド 四季咲き イギリス【1923年】
(※表記のプレートの写真がなかったので、webで検索しました)
S. Bide & Sons, Ltdという会社の名前が出てくるのですが、この会社が何であるのかがわかりませんでした。バイド一家のバラ園なのでしょうかね。
㉘ カジノ レモンイエロー色 返り咲き イギリス【1963年】
不思議な名ですが、「カジノ」という名前のバラです。
㉙ ロサダマスケナ(カザンリク) ピンク色 一季咲き 中近東【1700年以前】
「ロサダマスケナ」だけ読むと、何だろうと思うけれど、ロサ・ダマスケナと中点を入れるとわかりやすくて、Rosa damascena と見ると、ロサはバラ、ダマスケナはダマスカスと思えば、なるほどと思います。
中近東のバラなのですね。
(カザンリク)とあるのは、ブルガリアのバラの産地カザンラクの地名なのでしょうかね。
ブルガリアはダマスクローズの一大産地で、カザンラクではバラまつりが行わらるのだそうです。
バラまつり、検索したら日本の茶摘みみたいでした。
㉚ CLアイスバーグ 一季咲き 白色 イギリス【1968年】
CLとあるので、Climbing、つるバラなのでしょうね。
Iceberg、氷山のつるバラ。
㉛ フランソワジュランビル ピンク色 一季咲き フランス【1906年】
名前も花の見た目もフランスのバラっぽいですね。
㉜ CL.デトロイター クリムゾンレッド(赤黒色) 返り咲き アメリカ【1960年】
先ほどの繊細なフランソワとは異なり、色が濃くて、はっきりしていて、アメリカ、という感じ。
デトロイター、デトロイトの住人という意味でしょうかね。
㉝ セシルブルンネ ソフトピンク色 返り咲き アメリカ【1894年】
Cécile Brunner はフランス語のように読むのですね。
元々はフランスのバラなのでしょうかね。
㉞ アップルシード ローズピンク色 一季咲き 日本【2000年】
アメリカのバラの名かと思ったら、日本の品種なのですね。
何かアップルシードに強い思い入れがあったのでしょうかね。
いやあ、34品種、なかなか長くなってしまったけれど、一応見て行くことができました。
見てからその裏に回ると、何とここからの方が見やすいではないですか。
まあ、芝生があるので、入りにくいけれど、プレートをバラの棘に刺されながら持ち上げる必要はなかったのでは、という気になってきます…。
先ほど蕾だけであった㉒ロイヤルサンセットの花もありました。
しかしながら、背景は駐車場の地面と車になってしまうので、やはり見た感じは向こうからの方がよいなあ、と思います。
高齢の方もたくさん来られていました。
駐車場に沿って植えられているから、それほど歩かなくても見られるのも人気なのかもしれませんね。
一つ遊歩道を挟んでその向かいにもバラが植えられていました。
(こちらにはそれぞれの名前プレートはなかったので、さらっと行きますよ…)
この道を歩いていると、左右、上下からバラの香りに包まれます。
バラの香りの遊歩道、これは気持ちがよいところです。
坂出緩衝緑地、番の州公園の指定管理者は五栄海陸興業株式会社さんで、平成18年以来賑わいづくりの取り組みを続けてこられています。
確か高知の牧野植物園とも提携いて、つるバラ、アジサイを育てておられるのではなかったかと思います。
毎日手入れをされているから、こうした素敵な場所が生まれているのですね。
管理事務所の前には、大きなバラのアーチ。
種類も数も豊富で、素敵なバラ園ですね。
奥のバラ園へ
さて、駐車場傍のバラ園から、離れたところにあるバラ園も見てみたいと思います。
坂出市キャラクター、さかいでまろもバラに囲まれています。
誕生日の樹、バラの日も二日ほどありました。
公園内にはツツジもちらほらと咲いていました。
もう時期が終わっていて、最後に咲きました、というツツジでした。
花壇にも花がいっぱい咲いているので、この時期には、バラ以外にも楽しめるお花がたくさんありますね。
この広場の奥がアジサイ園。
ちょうどこの記事を書いている頃、見頃になっているのかもしれません。
園内で係の方と少しお話をしていた方がいて、「今年は少しアジサイを剪定しているので、数は少ないかも」と言っていました。
ちょうどバラが終わると、アジサイの季節ですね。
坂出番の州公園のバラ園 あじさい園の隣
もう一つのバラ園は、全体像がこんな感じなので、それほど広いものではありません。
しかし、地面に植えられているし、背景が緑なので、またそれはそれで面白いものです。
ミツバチに混じって、結構大きなハチもいたので、少し気を付けなければいけませんが、ハチは花に夢中で、人には気がつかないみたい。
カメラやスマホで、皆さん思い思いの写真を撮られていました。
この日には、この黄色いバラが一番きれいに咲いていたかな、と思います。
帰り際、ちょうど正午のエーデルワイスが聞こえたところで帰ります。
なかなかいいバラ園なので、もし近くに立ち寄ることがあれば、ぜひ訪れてみてください。
それでは、今日はこの辺で。
いつもお読みいただきありがとうございます。