城の山と書いて城山と読みます。
いつか一度は 坂出城山の山頂へ 訪れてみたいなあ、とは思っていましたが、少し山道を行かなくてはならないし、何かのついでに立ち寄ることもないので、なかなか行けずにいました。
しかし、ちょうど2021年2月から3月にかけて、坂出市観光協会が実施した「近たびスタンプラリーINさかいで」というイベントのスタンプスポットになっていた(イベントは終了しています)ため、城山へ行ってみました。
城山には史跡や古墳、植生、岩石などなど、いろんな楽しみ方がある山ですが、今回はその山頂の展望台から景色を眺めた様子です。
坂出城山の山頂へ の行き方や、その山頂の展望台にご興味のある方の参考になれば幸いです。
目次
坂出城山の山頂へ の行き方
まずは城山の山頂への行き方ですが、僕はその前に神谷神社に立ち寄っているので、神谷神社からの行き方です。
香川県の真ん中よりやや西側、瀬戸大橋から少し内陸に入った場所です。
僕はその道しか知らなかったので、城山温泉の前の道を上って山頂まで行きました。
しかし、帰りに反対側の道を通ったら、その方が山頂へは近くて行きやすかったです。
11号線を右折して、上って来られるんですね。
城山温泉という有名な温泉施設があって、大衆演劇がとても人気なのだそうです。
僕も仕事で何度か訪れましたが、いつでも賑わっていた記憶があります。
その前の道までは二車線の広い道です。
そしてこの城山温泉を過ぎると、細い道に入って行きます。
ええと、僕もこのストリートビューを事前に見て、これは無理かも、と何度思ったことか…。
しかし、来てしまったら後戻りもできないので、クネクネの山道を進みます。
すれ違った車は2台。
何れも軽自動車で、向こうも「え?ここ上がってくるの?」という表情をされていました。
何台か路上に停めて、景色を見たり、休憩されていました。(そうしたい気持ちもよくわかる景色です。)
僕はちょっと道の脇に停めて、という余裕はなく、とにかく山頂へ、という気持ちです。
15分くらいだったと思いますが、周囲が開けてきて、ゴルフ場なんかも見えました。
すると、山頂への案内標識がありました。
そこを曲がって行くと、駐車場へ続く道へ入りました。
僕の来た県道が188号、反対側の道が189号のようで、そちらからも一台車が上って行くのが見えました。
城山山頂、人気があるのでしょうかね。
城山園地駐車場
車で上って行くと、舗装された広い駐車場がありました。
瀬戸内海国立公園の中にある「城山園地」という場所なのですね。
城山
城山|スポット・体験|香川県観光協会公式サイト – うどん県旅ネットより引用
坂出市街の南東にある城山(きやま・462m)は、古代の城の呼称である城(き)をそのまま山名とした山。山上一帯には、天智天皇時代に(668年~670年)朝鮮勢力の侵攻に備えて築かれた山城と考えられる遺構が残り国の史跡に指定されている。ホロソ石やまないた石、カガミ石といった石造加工物も点在している。春には桜が咲き誇り、西は燧灘(ひうちなだ)、東は淡路島、南は阿讃の山並みを一望できる頂上までは、JR鴨川駅から車で約15分のドライブや、歩いて約2時間のハイキングコースとして最適な道があり、麓にはお芝居も楽しめる城山温泉、山中には2つのゴルフ場がある。
瀬戸内海国立公園が昭和9年に指定され、城山も昭和25年に追加で指定されたのだそうです。昭和の初め、僕が巡っている讃岐十景も同時期なので、香川県全体で観光を盛り上げようという機運が、この時期にあったのでしょうね。
あれも、これも、という説明版が並びますが、城山は史跡でもあります、という内容でした。
城山は朝鮮式山城とも神篭石とも呼ばれていますが,今日では朝鮮式山城に類似する構造の城跡と考えられています。 朝鮮式山城は7世紀後半頃の朝鮮半島の政治的緊張に伴い,日本国内の防御体制を整えるために築かれたとされています。
史跡城山 – 坂出市ホームページより抜粋して引用
城山には古墳もありますが、古代の山城だったのですね。
7世紀後半頃、防御の山城というと、屋嶋城も同じような時期でしょうかね。
確かに駐車場からも北側に瀬戸内海が広がっています。
東側は五色台。
西側は瀬戸大橋まで、ちょうど備讃瀬戸を見渡せる場所です。
(手前はゴルフ場になっています)
きっと昔からこうやって海の行き来を見ていたのでしょうね。
史跡のことなんかを書いていたら、おそらく山頂に辿り着かないだろうから、今回は城山園地の山頂を目指します。
少しだけ桜が咲き始めていた頃だったので、それを見に来た方もいたようです。
城山園地
僕の他には2組の方がおられました。
そして、後から1組の方が来られたから、天気の良い日にはやはり皆さんが訪れる憩いの場所なのですね。
前の方が上ったのを見て、僕も上の方へ歩いて行きます。
その道の途中には「城山の植物」という説明版もありました。
わあ、展望台のようなものと大きな木が見えました。
ちょうど駐車場とは反対側、南側の斜面に向かって眺望が広がっていました。
東側を見ると、国分寺町の市街地や鷲の山、府中湖、高松自動車道などが見えました。
少し西側は綾川町。
更には丸亀市のレオマの方までが見渡せました。
山頂園地は予想以上に広い敷地で、各方面の眺望が見えるようになっていました。
城山園地の説明版
少し西側に移動してみます。
丸亀市の方向には木々の合間から讃岐富士、飯野山が見えます。
ここから見る飯野山も、なかなか綺麗な形をしています。
こちら側から、また上の方から見下ろすことはなかったので、見ることが出来て良かったです。
そしてまだまだ続く説明版の数々…。
石碑がこれでもかというほどある満濃池に続き、説明版がこれでもかというほどある城山です。
こちらは「城山の野鳥」についての説明版。
確かに野鳥もたくさんいるようで、ピピピという鳴き声が四方から聞こえてきます。
野鳥もあれば、城山の地形・地質の説明版も。
五色台同様にサヌカイトが出るのですね。
サヌカイトは,この五色台や屋島をはじめとする本県北部地域に広く分布する古銅輝石安山岩の一種で,瀬戸内地域に起こった火山活動によってマグマが地表に流出し,冷え固まってできた岩石です。
サヌカイト(カンカン石) – 坂出市ホームページより抜粋して引用
カンカン石、もともとは火山のマグマなのですね。
瀬戸大橋の方面も見えるのですが、木々が少し遮ってしまっていて、海が広がるという感じではありません。
瀬戸内の島々が眺められるからか、「瀬戸内海の生い立ち」が記されています。
陸地だったところに海の水が入って来た当時は、驚いただろうなあと思います。
さらには「マツ林」の説明版もありました。
いずれの説明版も平成4年、1992年に香川県が設置したのですが、翌年に国体があったので、その前にと、設置したのでしょうかね。
僕が見ただけでも7つありましたので、何かここに設置しようという機運が高まった時期があったのでしょうね。
木製のベンチやテーブルなどが並んでいますが、この日は特に利用されている方はいませんでした。
城山園地の一本榎と展望台
僕は全くそんなのがあることを知らずに行って、知らないうちに戻ってから気が付いたのですが、この山頂に立つ大きな木を「城山の一本榎」と呼んでいるようです。
確かに、一本だけ立派な木があるから目立ちますね。
西の方であれば、天空のエノキとか名付けてしまいそうなところですが、そういうところを狙わないのが坂出らしいところです。
高屋神社や雲辺寺なども、とても景色がよかったけれど、この城山の景色もそれらとは全く変わりません。
天空の何とか、と言っていないだけ。
またこれから葉を付けたら、立派な姿になるのだろうなあと思います。
ふと思ったけれどスタンプラリーの中にあるナカンダ浜にも砂浜に一本の木があったけれど、あれもエノキなのだそうです。
そのエノキの木の横には城山の三角点がありました。
「462.3M さかいで山の会」とありました。
もしスタンプを押すなら(押すのかなあ、アプリだけれど)、ここだとアプリを開きます。無事に二か所目が完了です。
さて、全国の展望台ファンの皆さん(いるのかな)、お待たせいたしました。
香川県には変わった形の展望台がいくつかありますが、この展望台も変わっています。
僕は調べているわけではないのですが、香川県でこういう変わった形の建造物を作っている方は大体同じ方だと思います。展望台を普通はこんな形にしないもの。
ちょっとした山頂の山城にて、見張りをする気分です。
海の向こう、瀬戸大橋の影から、フラップターに乗った空中海賊の一家がめがけてやって来るのです。
「このまままっすぐ飛んで。小さな塔の上にいる!」
なんてことは起こらない、長閑な雰囲気ではありましたが、ぐるりと一周。
雲辺寺の毘沙門天像の展望台からもぐるりと見渡すことが出来ましたが、こちらもなかなかよい景色でした。
坂出市街地へ
大体景色も見たし、スタンプも得ることができたので、次のスポットに向かいます。
与島パーキングとナカンダ浜は行ったことがあるので、行ったことのない「四谷シモン人形館 淡翁荘」へ向かいます。
山頂から来た方向(城山温泉側)とは逆の西の方向へ車で下ります。
菖蒲の花を見に行った川津町の方へ下りて行くのですね。(かわつの菖蒲もコロナで2021年も中止)
坂出駅の前を過ぎ、坂出市民ホールの裏に駐車場があったことを思い出し、そこへ停めました。
坂出市営京町駐車場というのですが、坂出市民ホールは休館しているのですね。
坂出市民ホールは、平成31年3月31日をもって休館しました。
坂出市民ホール – 坂出市ホームページより引用
ホールの裏側から入る駐車場はまだあって、停めることができました。
この駐車場は、はじめて坂出市内に来て見かけた時から面白い造りになっているなあ、と思っていました。
駐車場の脇に植物が植えられていまして、上の階へ伸びています。
しかしここが地下にあるわけではなく、地上1階です。
歩行者用通路を抜けると、お店が立ち並んでいます。
こちらは坂出人工土地という建造物で、上の階には住宅などがあります。
どの木が下の方へ繋がっているのだろうか、と思うのですが、上はお住いになっている方がいるので、遠慮しておきます。
ちょうどこの南側がJR坂出駅。
外から見ると商店街のようでもあり、住宅地でもあり、駐車場でもあるというなかなか不思議な建物です。
西側にはアーケードの通りがあって、坂出元町の商店街があります。
まだ少し前までは人の往来もあったのかもしれませんが、行き交う人もまばらです。
春休みだったから、時折近所の子どもを見かける程度でした。
お店の建物がなくなって、駐車場やマンションになっている場所もありました。
でも、その中でもいくつかのお店は開いていて、馴染みのお客さんなのか、お店で話をされていました。
100mくらい行ったところだと思いますが、一度通り過ぎてしまいました。
あら、行き過ぎた、と引き返し門の前に到着。
これは東側からまわらないといけない、とよくその地図を見ましたら、
あ、「開館日 金・土・日」ですって…。
ウムム、残念、週末以外は開いていないのですね。
しかし、せっかく来たのでスタンプのアプリを開けてみますと、スタンプは得ることができました。
はじめて来たので、中に入ってみたかったけれど、残念。
しかし、今回は見られなかったけれど、場所はわかったので、またいつか必ず来てみたいと思います。
このように神谷神社、城山頂上、坂出市街地をぐるりと巡ったわけですが、13時前に家を出て、5時前には帰宅していましたので4時間ほどでした。
ナカンダ浜や与島パーキングまで行くと、それからプラス1時間ほどかかるかと思います。(香川の方が他の用事もないのに与島パーキングだけに行くとは思えないが…)
しかし、「近たびスタンプラリーINさかいで」のおかげで、行ったことのない神谷神社や 城山山頂 へ行けたので、よかったです。
誰もが訪れるような観光地ではなく、地元の方が良く知る場所を、少しでも知ってほしいというそんな気持ちを感じるスタンプラリーでした。
それでは、今日はこの辺で。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。