安田川の石舟のお話に続き、高松市塩江町の 塩江美術館へ 行ったことを書いておこうと思います。
5月の連休中だったと思いますが、香川県の感染者もやや増え始めていたけれど、お店や施設はまだ閉まっていなくて、来週から閉まりますよ、というその直前の時期です。
最初は道の駅塩江のカフェほのり(ここは奥さんが行きたい)に行ったのですが、駐車場が満車で予想以上に人が多かったので、ちょっと場所を変えようということになりました。
その前に訪れていた塩江美術館の方に行ってみる?という感じで、行ってみました。
連休後、会期を早めて終了してしまった大島よしふみ彫刻展、swing展や、ホタルと文化の里公園のことについて、興味がある方の参考になれば幸いです。
塩江美術館へ の行き方
まず場所から見て行きますね。
香川県のちょうど真ん中よりやや南東の方角、高松市塩江町にあります。
高松からだと車で約50分ほど。
いや、40分で行ける、という方もおられるかもしれませんが、道の上り具合を考えると、大体50分くらいです。(逆の塩江から高松へは下ってくるので、約40分)
何度も訪れたこのことのある方は、もう行き方なんて、と思われるかもしれません。
しかし、国道193号沿いにはなくて、川(香東川)を隔てて、一本奥の道へ行かなければいけません。
地図に表したように、一つ目は岩部八幡神社の先を右折する道。
もう一つは塩江病院東の交差点を内場ダムの方へ右折し、すぐにまた右折する道です。
岩部八幡神社の先の道は、狭い上に、降りていく道なので、見通しが悪いです。
前回の安田川へ行った際も、地元の方の軽はここを走っていたけれど、慣れていない場合には、もう一つの道をお勧めします。(ちょっとあれなgoogleマップはここ通そうとする)
少し遠回りになるけれど、塩江美術館にはじめて訪れる方が安全に行くには、その先の交差点をお勧めします。
内場ダムの方へ右折する赤い橋のある交差点。
右折すると、またすぐに右へ入る細い道があるので、そこを右折します。
塩江病院(今は名前変わってた)の前を通り、川沿いの道を行くと、塩江美術館の駐車場に着きます。
ちょうど塩江のホタルと文化の里公園の中にあるのですね。
1994年(平成6)4月25日に塩江町民の文化的活動の中心として、町域全体の文化・教育の振興と発展に寄与することと観光地の新しい観光資源とすることを目的として、ホタルと文化の里公圏の中核施設として建設されました。建設に際して塩江町出身で東京在住に在住していた画家熊野俊一氏から約350点の作品寄贈を受けました。
ホタルと文化の里公園とは | ホタルと文化の里公園|高松市塩江美術館公式サイトより引用
美術館では、熊野氏の作品をはじめ香川県ゆかりの作家の作品を収蔵・保存しています。
2005年(平成17)高松市との合併後には、「塩江町立美術館」から「高松市塩江美術館」へと名称を変更し、高松市2館目の美術館として運営しています。
道の駅は満車でしたが、一つ奥に入ったところにあるからか、車は数台という感じでした。
いつも通り、歩いた順に、見て行きますね。
ホタルと文化の里公園の 塩江美術館へ
駐車場にはホタルと文化の里公園の案内図がありました。
「ホタル」の名称は、カタカナで一つに統一されているのですね。
「ほたる」「ホタル」「蛍」で随分印象が変わってきますね。
「塩江町」という表記が残っているから、合併前の看板をそのまま使用しているのですね。(こういうのは割とそのまま残してほしい)
その奥には、青々とした山に囲まれた、芝生の広場と建物が見えます。
ちょうど車から降りて来た子どもたちが網を持って虫を追いかけていました。
ここにはたくさんいるよね、虫。
見上げると、青空に緑と岩肌のグレー。
川沿いだからか、穏やかに風が吹き抜けて、とても気持ちが良いところです。
駐車場の脇には、川沿いに遊歩道が整備されていて、地元の方なのか、散歩をされていました。
ちょうど感染者が増えてきたので、この後の臨時休館を告げる張り紙がありました。
ここから遊歩道に降りて行けるのだけれど、先に行った方が、道の途中で何かを避けたり、振り払ったりしています。
これは、もしや…。
とても、素敵な桜の下の遊歩道なのですが、この時期、プラーンと虫さんが下りてきていました。
一つ、二つくらいなら、まあ、仕方がないのですが、もうこれは無数に、という感じ…。
奥さんは「先に行って!先に」というのですが、僕はこの芝生広場もじっくり見てみたいところです。
逆光になってしまっていますが、芝生には、彫刻作品がいくつか置かれています。
アキホ・タタさんの「Fantasia‐ん」。
庵治の竜王山公園や女木島の鬼、最近では兵庫町のうどん屋の前にもその作品を見かけました。
左の方にも、もう一つアキホタタの彫刻作品があります。
石に原色のカラフルな模様が入っているから、ぱっと見てわかりやすいですよね。
その他にも、彫刻崎品や歌碑などが設置されているそうで、これは全て見てみたい、と言うと、「虫がおるから、やめて…」とのこと。
ムムム、確かに、ホタルがいるということは、その他の虫もたくさんいるということなので、僕は気にならないのだけれど、奥さんはとても気になるのだそうです。
仕方がないので、それはまた今度にして、美術館の方へ向かいます。
(冬場なら大丈夫かもしれませんが、この辺りは凍るのでは…)
遊歩道沿いには「ほたるの里美術館」という案内板がありました。
ここでは「ほたる」とひらがなで、ほたるの里美術館という名称も、浸透しているということでもないようです。
しかしながら、このホタルの水路、写真で見ている分には美しい水辺です。
実際には、小さな虫たちが飛び交っているので、僕も急いで美術館の方へ。
よくよく考えてみたら、ホタルのような野生の虫と、美術館のような文化施設を組み合わせたところって、他にあんまり聞かないななと思います。
地元の慣れている方たちのように、ひょいっと虫を除けられれば、とても良い小径です。
美術館へ上がる道の途中にも、彫刻作品がありました。
「光響曲」という作品で、 水谷忠敬さんという方のお名前がありました。
高松市出身の彫刻家の方なのですね。
その奥に「塩江美術館」と書かれたプレートがありました。
ちょうど道の駅で、コーヒーとカフェオレをテイクアウトしていたので、テラスの席でで飲みました。
ええと、ここは塩江で、あまり人が来ないからかもしれませんが、美術館に併設された綺麗なお部屋が一つ、開いていました。
調理台のカウンターなんかもあるのですが、誰もいません。
ご自由に雑誌を閲覧してください、という感じなのですが、これは実にもったいないところ。
道の駅に集中している観光資源を、少しこういうところにわけてもよいのでは、という気もします。
コーヒーを飲み終わったので、美術館の方へ行ってみます。
(氷が残ったカップは持ち込めないので、持ち帰るまでしばらく置かせてもらいました)
写真右奥の方に、竹の柱のようなものが見えます。
巣箱みたいなのが真ん中にあって、なかなか斬新な柱だなあと思っていたら、彫刻展の作品でした。
巣箱みたい、と思っていたものは、本当に巣箱でした。
中を覗いてみたけれど、この時には、誰もいませんでした。
20年近く前から展示を企画していたけど、「泥土持ち込んではいけない」ということで、今回乗って動かせる彫刻シリーズだったのだそう。
なるほど、ホタルの里ならではのルールがあるのですね。
「彫刻展だって。見てみる?」と奥さんに言うと、「見る、入って見よう」と言うので、入ってみることにしました。
もう終わってしまったけれど、大島よしふみ彫刻展とありました。
大島さん、どこかで聞いたことがあるなあ、と思っていましたら、男木島のオンバ・ファクトリーの方なのですね。
窓口でチケット(大人300円)を支払います。
「カメラは大丈夫ですか?」と聞くと、企画展はOKで、常設展示はNGだとのことでした。
なるほど、窓口の奥の建物が常設展示室なのですね。
大島よしふみ彫刻展
では、扉を開けて、中に入ってみますね。
大島さん、香川の皆さんが一度は目にしたことのある、あのキャラクターの生みの親なのですね。
高松駅前のロータリーの南側。
駅を行き交う人を見守る「親切な青鬼くん」の作者です。
親切な青鬼くんは、浜田廣介さんの童話『泣いた赤鬼』に出てくるキャラクターで、友達の赤鬼を助けるやさしい青鬼がモデルとなっています。
親切な青鬼くん|親切な青鬼くん|親切な青鬼くん|香川県観光協会公式サイト – うどん県旅ネットより引用
童話の中では、青鬼が旅に出たところで終わっていますが、その後の設定として、香川県に立ち寄った青鬼が讃岐のお接待の心(四国霊場八十八カ所巡りのお遍路さんに対するおもてなしの心に代表されるもの)にふれ人々の温かい心に感謝してこの地に住み着いたということにしています。
香川県では、瀬戸大橋が完成した平成元年から、県内の市や町、観光業界、運輸業界などの方々といっしょに、「わがかがわ観光推進協議会」をつくり、魅力ある観光香川の創造と発信を図っています。このなかで、マスコットキャラクターとして親切な青鬼くんが活躍しています。
親切な青鬼くんのはっぴやのぼり、着ぐるみなどをイベントに貸出しているほか、デザインもいろいろなところで使われていて、荷台に親切な青鬼くんをデザインしたトラックも走っています。また、県内の主要な駅前や観光地にモニュメントもありますし、様々なパンフレットやチラシにも顔を出しています。
なるほど、泣いた赤鬼で、最後に旅に出た青鬼が辿り着いたのが香川だった、ということなのですね。
本当に様々なところで出てくるので、香川に来られた際には、親切な青鬼くんを、是非探してみて下さい。
展示室の中はこんな感じになっているのですね。
彫刻展の関係者の方なのか、何人かの方がおられました。
他には僕と奥さんだけなので、ほぼ貸し切りの状態でした。
ええと、連休中の美術館では、なかなか貸し切りのような状態にはなりませんよね。
中央には、鳥人間コンテストに出てきそうな漕いだら進みそうな作品がありました。
実際には乗って動かせるのだそうだけれど、感染防止で見るだけだそう。
他には誰もいない館内で、いったい何を予防してるのか?という気持ちになりますが、まあ仕方がありません。
もう誰にも気兼ねせず、横から縦から見ることが出来ます。
気を付けるのは、奥さんがファインダーに入らないことだけ。
「まいまい new」と書かれた三輪車。
こんな三輪車で遊べたらいいなあと思います。
すぐ隣のガラス越しに、テラス席が見えました。
この日陰の風通しのよい素敵な場所に、誰もいないなんて、ちょっと驚くところです。
ONBA FACTORY
その奥には、見慣れたオンバが並んでいました。
え、こんなの見たことない?と思うかもしれませんが、そんなことはありません。
僕は少なくても高松で年に数回は見かけます。
最初は丸亀町商店街で、次にゆめタウン高松で、最近では、男木島に水仙を観煮った際に。
もう生活に普通に溶け込んでいて、男木のお年寄りに重宝されているのでしょうね。
(蓋閉めて上に腰掛けているの姿も見るけれど、あれいいですよね)
高松港と女木島、男木島を行き来するフェリー「めおん」をイメージしているらしく「めおん4」とありました。
こちらも船のような感じ。
こんな感じだと、小さい子だったら載せて動かせるかもしれません。
こちらはこの春に引退した初代めおんを模したものだそうです。
ガラス展示の中には、これまで作成されたのオンバの写真がありました。
新しくできた、シマシマデザインのオンバも登場すると良いですね。
奥の部屋は、また違った展示となっていました。
引き出しの小箱の中には、たくさんの小物が入っていました。
箱の裏側には、オブジェが設置されていました。
なるほど、これが今回の彫刻展のタイトルSwingなのですね。
お孫さんの絵を元にした海の生き物のオブジェもありました。
自由な感じで、瀬戸内海という感じがしますね。
じっと見ていると、ハリーポッターに出てくるクィディッチのゴールデンスニッチに見えてきました。
羽ばたいて、飛んでいくボール。
奥の方は屋外になっているから、展示はここまで。
先ほど駐車場で見かけた、山と芝生の広場が見えました。
この屋外にも、いくつかオブジェの作品が常設展示されているのですね。
帰り際、ドアに「オリジナルグッズ販売中」とあるので、どれどれと見てみると、ゴールデンスニッチが!(違う)
奥さんが欲しかったらしく、ゆらゆらと今も我が家で揺れています。
※追記
調べているうちに大島よしふみ氏の「KOCHI東風」という作品が瀬戸大橋記念公園にあるというので、見てきました。
屋内に展示されているあれだろうか、と思っていたら、それでした。
瀬戸大橋記念公園に行かれた際には、是非探して見て下さい。
※追記終わり
塩江美術館の屋外展示
この先は屋外の常設展示なので、そこへ行けば誰でも見ることが出来ます。
先ほど彫刻展を見て来た大島よしふみさんのMANDARA。
山端篤史さんのエリアという作品。
その奥、建物の近くには、塩田繚麻さんのスパイラルウインドがありました。
この奥に洗濯物が干してあったので、そうだよね、美術館の方もこんな天気の良い日は洗濯したくなるよね、と見ていると、
中井弘二郎さんの「生活圏」という作品でした。
この日の空模様は、快晴でしたが、これはやはり雨の日にも見てみたいものです。
きっと雨でも取り込まないのだろうから。
美術館から出て、野球場や野外ステージの方も見てきました。
東屋の下の花壇に、お花がたくさん咲いていました。
階段の傍には小さなトカゲがいました。
トカゲにとって、ここはとても生きやすいだろうね。
この後、香川県でも不要不急の外出は自粛が求められるようになりました。
五月の気持ちの良い季節なのに、とてももったいない気はしますが、仕方がありません。
しかし、またそれも徐々に緩和され、元に戻って来ています。
自然豊かで、綺麗な美術館なので、もしお近くに来られた際には、立ち寄ってみてください。
さて、僕はこの後いくつかバラを見に行きました。(これは不要不急ではなくて、急がないとバラは終わってしまうので)
そのお話は、また次回に。
それでは、今日はこの辺で。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。