さて、前回の牟礼石匠の里公園の彫刻に続き、今回は 高松市石の民俗資料館 のことを書いておこうと思います。
公園の中に資料館があるから、実質的には同じ施設なのですが、今回は資料館で開催されていた、「石の里のアーティストたち「テーマ庵治石」Part20」、「庵治を愛したアメリカ」などの展示の様子について書いておきます。
香川県高松市牟礼にある 高松市石の民俗資料館 や、その企画展石の里のアーティストたちのことにご興味がある方のさんこうになれば幸いです。
目次
- 高松市 石の民俗資料館の場所
- 高松市 石の民俗資料館石の里のアーティストたち
- 庵治を愛したアメリカ人 ショーン・ブラウン
- 庵治を愛したアメリカ人 デウィット・ゴドフリー
- ワークショップ「ゴド・フレーム (God • Flame)」
高松市石の民俗資料館 の場所
場所については、前回の石匠の里公園と同じ場所です。
公園から階段を上って行くと、建物があります。
中央に入口があり、中へ入って行きます。
施設に入るだけならば無料ですが、中の常設展示室、企画展示室は有料です。
以前子どもとストーンハンティングしたことを思い出しました。
この日も何人かの方がされていました。
常設展示では、石切場の様子などが再現されています。
エントランスホールには、この時展示されていた「石の里のアーティストたち」のアーティスト紹介がありました。
最初はほうほう、と眺めていたのですが、開催当時石匠の里公園の芝生広場にその作品が並んでいるとのことでじっくり見てしまいました。
すると聞いたことのあるお名前がいくつかありましたので、お一人ずつ作品とともに紹介していきますね。HPなどがある場合にはリンク掲載しておきます。(11人、意外とこれが時間のかかる作業で…)
高松市石の民俗資料館 石の里のアーティストたち
特に紹介する順番はないので、アイウエオ順でいきますね。
まずはアキホタタさん。
SAP | 石屋タタ アキホタタ
階段に向かう途中で、一目でわかる作品が置かれていました。
続いて安部重竹さんの「祈り」。
安部さん、親子二代で彫刻されているのですね。
HPは見当たらなかったのですが、うどん本陣山田家さんの道の向かいなのですね。
続いて岩田一輝さん、「無題」。
庵治の方で、香川県伝統工芸士の方なのですね。
プロフィールの石工になったきっかけを見ると、皆さん地元で家業を継ぐとされていますので、代々受け継がれていくものなのでしょうかね。
上村隆之さんの「勝虫」。
上村さん、 石の里のアーティストたち以外に情報がないのですが、同じメンバーで展示を実施されてきたのでしょうかね。
太田眞介さん、「幸せ地蔵」。
太田眞介さん、アキホタタさんのご長男なのですね。
インスタ@ishiya.akiho.tata は眞介さんがされているのでしょうね。
岡田昌臣さんの「TE」。
この作品はエントランスホールに展示されていました。
何処かで聞いたお名前だな、と思っていたら、車の彫刻を作成される方ですね。
庵治石のインテリアを作成するajiprojectにも参加されているのですね。
坂本英之さん。
高松駅広場クレメントホテル前の「森の王様」やとらまる公園の「遼遠からの汐風」を見てきたので、見られるるかな、と思いましたが今回は展示は見当たりませんでした。何かご事情があったのでしょうね。
神野淳平さんの「地蔵」。
源平の里アートビレッジ〔庵治・牟礼・屋島〕
国分寺の如意輪寺公園に石彫が設置されているのですね。
以前行った際に付近を草刈りしていて、見られなかったので、また見に行ってみたいです。
高石覚さんの「大地の力」。
「サラリーマンが好きではなかった」というのも面白いです。
庵治の方で石材店をされているのですね。
森岡量基さんは 「今度こそ出番」(紙でもらった作品一覧には「今こそ出番」となっている)と「早すぎちゃった。」 。
とらまる公園のごっこの方で、笑っている表情が面白いです。
山田浩之さんの「愛のポリゴン」。
山田さん、山田忠石材店の代表をされているのですね。
出品されている方のお名前を検索していると、これまでの「石の里のアーティストたち」の作品が出てきます。
作品展を毎年開催されていたのですね。
庵治を愛したアメリカ人 ショーン・ブラウン
企画展示室では、「庵治を愛したアメリカ人」という作品展が行われていました。
ちょうど2021年たかまつ工芸ウィークの関連イベントとなっていました。
撮影OKで、SNS投稿もOKとなっていたので、入って見てみます。
なるほど、ショーン・ブラウンさんもデウィット・ゴドフリーさんもアメリカの方で、以前に庵治に滞在して作品を作られた方なのですね。
Sean Browne (ショーン・ブラウン)
「庵治を愛したアメリカ人」より引用
ハワイ在住の彫刻家。
1953年にハワイのヒロで生まれ る。
イサム・ノグチを師と仰ぐ。
1985年にフルブライト奨学金で日本へ留学した際には、庵治町にて作品制作に取り組み、ノグチに師事。
故郷ハワイにて、彫刻家と して精力的に活動しており、近年はハワイの空港のモ ニュメントを制作。
へえ、ハワイに彼の彫刻が設置されているのですね。
是非ハワイに行かれる予定のある方は、見てください。
ショーンさん、イサムノグチに師事した現代彫刻家の方なのですね。
近くに作品は展示されていないのだろうか、と思っていたら、高松市西宝町にあるHOTEL花樹海 に作品があるのですね。
この後また書きますが、行ったらありました「 Liberty」。
もう一つ庵治にあるのだそうですが、坂の上なので、見かけることはできましたが、行って写真を撮れるかどうかを考え中です。
何となくこの辺りであれば、どこにでもありそうな雰囲気もしてきますが、やはり曲線やそのデザインなんかが違うのでしょうかね。
お隣にはイサムノグチ氏の紹介文がありました。
アトリエを構えた牟礼に庭園美術館があり、高松空港にタイムアンドスペースがある、というのは、本当に素敵なことですね。
庵治を愛したアメリカ人 デウィット・ゴドフリー
デウィット・ゴドフリーさんについて知っているか、と言われれば全く知りませんでした。
ニューヨーク在住の彫刻家の方なのですね。
DeWitt Godfey デウィット・ゴドフリー
「庵治を愛したアメリカ人」より引用
ニューヨーク在住の彫刻家。
1960年にテキサス州ヒューストンに生まれる。
国際交流基金によって庵治町 に滞在した際には、石に穴を開けた1個のリング状の作品や、 鉄工所にて鉄製の作品を制作していた。
その後、現在のようなリングを数多く組み合わせた作風へと展開している。
近年ではベネチア・ビエンナーレ建築部門に出品するなど、精力的に活動している。
しかし、なかなか見応えのある面白い形状の作品でした。
なかなか写真では伝わりにくいところですが、円は同じ大きさでなくて、幅も違います。
おお、どうして繋ぎ合わせるとこんな形になるのだろうか、としばらく見てしまいました。
小型の模型、マケットの奥に大きめのものがありましたので、こちらが実物ということになるのしょうかね。
ゴドフリーさんのサイトがありました。
DeWitt Godfrey Studio
なるほど、屋外に展示する大きな作品なのですね。
これを目的に、と訪れたわけではないのですが、見ることが出来てよかったです。
そのまま帰ろうとしたその時、ふとパンフレットの最後のところに目がいきました。
ワークショップ「ゴド・フレーム (God • Flame)」
「庵治を愛したアメリカ人」より引用
色紙の帯を組み合わせて、 デウィット・ゴドフリー氏の作品のような模型作りにチャレンジ!
講 師 :アキホタタ
おお、ワークショップが開催されるのですね!
しかも、講師はアキホタタさん。
受付で尋ねてみると、まだ空きはあって参加できるとのこと。
少し子ども向けの雰囲気かな?とも思ったのですが、アキホタタさんが講師というのは、なかなか見かけませんので、申し込みました。
ワークショップ「ゴド・フレーム (God • Flame)」
そして後日、ワークショップの当日、再び石の民俗資料館へ。
講座研修室という部屋でワークショップが開催されました。
ほぼ毎月ワークショップ開催されているのですね。
お部屋の中へ入ると、親子で参加されている方が数組おられました。
そして、正面に講師のアキホタタさんご夫婦。
ゴドフリーさんの作品の説明の後、画用紙に色を塗り、切り取ってホチキスで止め、形を作っていく、という内容でした。
最初はうまくできるだろうか、と思っていましたが、結構どんな形でも止める時に工夫すればうまくいくのでは、と思いましたが、紙と金属でするのは違うだろうなあ、と思います。
アキホタタさん、お二人ともお話することができました。
「香川のいろんなところで作品をお見かけして、ぜひ一度お目にかかりたいと思ってきました」
男性がタタさん、女性がアキホさん。
いろいろお話したのですが、要約しておきますね。
・国内だけでなく、オーストラリアにも作品を展示。
・石の民俗資料館の様々なお手伝いをされている。
・高松市内で展示されている場所を教えてもらった。(これはまた後で、と思うけれど、高松築港のベンチ、中央公園の狸、田町交番のベンチ、八栗駅前など、知らなかったところがたくさんありました)
・フェイスブックをタタさんが更新されている。
・ゴドフリーさんは金属加工が得意で、設計図を緻密に作られている。
・各地の作品は一覧にしてあるので、もし不明なものがあれば大体わかる。
・是非ギャラリーにも足を運んでください。
作業しながらですが、いろいろお話させていただいて、楽しく時間を過ごしました。
講座が終わった後、写真を撮らせていただきました。
2時間ほどのワークショップでしたが、楽しく参加することができました。
ありがとうございました。
帰宅して調べたら、海外の展示はこちらですね。
Sculpture by the Sea
本当だ、ギャラリーにアキホタタさんの作品がありますね。
シドニー近郊のボンダイビーチで行われる野外彫刻展なのですね。
ヤフーニュースにも掲載されていました。
香川県から海を渡りオーストラリアへ 庵治石を使った石彫作品を生み出す夫婦共同アーティスト「アキホタタ」
ユニットなったのは中岡慎太郎さんのアドバイスで、ユニット名は空充秋さんなのだそうです。
赤は太陽、黄色は月、青は地球(大地)の意味を込めています。私たちの作品の中で一種のトレードマークなんです。
香川県から海を渡りオーストラリアへ 庵治石を使った石彫作品を生み出す夫婦共同アーティスト「アキホタタ」 より引用
なるほど、あの三色にはそういう意味が込められていたのですね。
高松に来れば、ほとんどどこでもアキホタタさんの作品を見られます。
僕も引き続き探します。
是非、皆さまも探して見つけてみてください。
石の民俗資料館は、石彫作品の展示の場としても貴重なところなのですね。
資料館とありますが、僕はどちらかというと美術館に近い印象を持っています。
庵治や牟礼の海岸に彫刻並べたら、Setouchi Sculpture by the seaになると思うのだけれど…。
是非、お近くに来られた際には立ち寄ってみて下さい。
それでは、今日はこの辺で。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。