讃岐十景美霞洞渓谷 というのが、どのくらい知られているのか、いないのか、僕はよく知りません。
もしかしたら、讃岐十景という言葉は一度くらいは聞いたことがあるでしょうか。
僕は以前に讃岐五景を全て見て来たのですが、それを調べているうちに、讃岐十景というのもあると知り、少しずつ見てみたいなあと思っていました。
今回はそのうち 讃岐十景美霞洞渓谷 へ行った記事を書いておきます。
本当は紅葉の季節なんかが一番良いのだろうけれど、人の少ないひっそりとした時期に行く方がいいなあと思い行ってきました。(何と言っても紅葉よりも讃岐十景が見たいので)
もし讃岐十景や、そのうちの一つ美霞洞渓谷、道の駅ことなみやエピアみかどのことなんかにご興味がおありでしたら、どうぞお読みください。
まずは美霞洞渓谷の場所から見て行きます。
高松から車で行くと、約1時間。
もうすぐその先は徳島県境という山の奥の方です。
へぇ、この道を行けば割と近い感じがするなあと眺めていましたが、何やら狭い道の予感…。
最後までこの道を通るか迷っていましたが、一度も行ったことが無いのに、書けないよな、と通ってきました。
もちろん舗装された県道なので、車が通れないということはないのですが、狭い道でした。
10分くらいこうした道を走ります。
この日は曇り空で(9,10月は本当に曇りが多い…)、とても暗い雰囲気でした。
幸いにも対向車とすれ違うことはありませんでしたが、どうしてもという時以外は、僕はこの道はもう通りたくないです…。
帰りは首切り峠を越えて、高山航空公園の方から帰りました。
少し遠回りでしたが、こちらの方が安心して運転できました。
阿讃琴南という新しくできたホテルを過ぎ、谷川米穀店を過ぎていきます。
谷川米穀店のできたてのうどん、美味しいですよね。
平面の地図ではわかり難いかもしれませんが、山と山に囲まれた谷の奥の方に、道の駅があります。
そういう時期なのか、車から一面が白で覆われた畑を見かけました。
そばの花だそうで、この辺りではそばの栽培が盛んに行われているのだそうです。
うどん県の蕎麦の町。
道の駅ことなみ エピアみかど
トンネルを抜けると、すぐに道の駅ことなみ・エピアみかどの駐車場がありました。
奥が高松から来る方向なので、右折して入ります。
駐車場は広いのですが、平日でも結構車が停まっていました。
道の駅の名前としては「道の駅ことなみ」(今はまんのう町ですが旧琴南町なので)、そこにある施設を「エピアみかど」と呼ぶようです。
エピアって何か気になりますよね。
「エピア」とはエンジョイ(Enjoy)・ピープル(People)・アセンブル(Assemble)の頭文字をとった造語で、多くの人が集まり楽しむ場所という意味が込められています。
エピアみかど | 温泉温浴施設 | 観光情報 | まんのう町より引用
なるほど、造語だったのですね。
温泉、レストラン、売店とあるので、立ち寄ってみます。
何というか、昔は観光情報などを展示するつもりでいたのだろうけれど、すでにその気配が消えてしまった、という建物です。
コンクリートの立派な建物なのですが、この地域にはあわなかったのか…。
一方で、次々と人が入って来ていたのは、産直コーナーです。
葡萄や柿、お惣菜など、幅広く取り扱っていて、地元の方が来ている感じがします。
一旦人がいなくなったので、写真良いですか、と聞いたら良いですよとのこと。
「お休みの日はあるんですか?」と尋ねたら、
「お正月以外は年中無休なんですよ。あとは台風とか大雪の時はお休み」
と言っていました。
確かに、この辺にはスーパーはないから、近所から買いに来られる方もいるのでしょうね。
もう一つの建物には温泉があるのですが、こちらは後編で紹介しますね。
讃岐十景
もうよくご存じの方には、今更説明しても、という感じですが、香川県には讃岐十景と呼ばれる景勝地があります。
他にも、香川県に限ると讃岐五景やさぬき百景なんていうのもあるから、間違えてしまうのですが、今回は讃岐十景です。
僕も詳しくは知らないのですが、昭和の初め頃、地元の新聞社(香川新報社)が県民の投票で五景、十景、五勝を決めたのだそうです。
屋島、栗林公園、金毘羅さんなどは別格として、決めた五景がこちらです。
・竹居観音岬(庵治)
・根来寺(五色台)
・塩江温泉(塩江)
・金倉寺(善通寺)
・榎井日柳燕石碑(琴平)
讃岐五景碑は全て見て来ました。
そして、十景は以下の通りだそうです。これはまだ見ていないところもありますので、少しずつ見ているところです。
・最明寺(塩江)
・木烏神社(本島)
・富丘八幡神社(土庄)
・亀鶴公園(長尾)
・汐木荒魂神社(三野町)
・国分寺(国分寺)
・法然寺(仏生山)
・美霞洞渓谷(琴南)
・天川神社(造田)
・洞雲山(坂手)
それぞれ現地には「讃岐五景」「讃岐十景」と書かれた松平頼寿(まつだいらよりなが)伯による石碑が建っているはずです。
いろんな経緯があるのだろうけれど、その石碑を見つけるというのも、今回の目的の一つです。
※この記事を書いた後、ポツポツと訪れていますので、リンクを更新しておきます。
駐車場から美霞洞温泉公園という案内板に従って遊歩道を歩いていきます。
左側には川が流れていて、その川沿いにこうした歩いて行ける道が整備されていました。
トンネルが見えるので、そちらの方へ歩いて行ってみます。
美霞洞トンネル、そんなに古いトンネルではなかったです。
その脇には石仏が並んでいました。
なんと言うか、こう人がいないところで並んだ石仏を前にすると、神妙な気持ちになるものです。
この日は曇りだったので、当たりは少し薄暗いため、少し寂しい気持ちになってきます。他に人は一人もいないので。
その先には、石碑が置かれていました。
石碑を撮っていると「カサカサ…」なんて音がしていたので、見てみるとアオダイショウが道を這って行ってしまいました。
もし天気が良くて、時折人が行き交うような道ならば、何の躊躇いもないのですが、蛇が一匹ではね…。
しかし、せっかく来て、そのまま帰るわけにもいかないので、歩みを進めます。
讃岐十景美霞洞渓谷
ところどころに説明版があって、下に行ける道もありました。
もう少し先に進んでみます。
道の駅からトンネルを超えたところにも一つ駐車場がありました。
なるほど、美霞洞温泉公園というのは、この辺りのことなのですね。実際には、今はありませんが、昔はここに美霞洞温泉という温泉があったそうなので、その後に公園だけ残しているのでしょうかね。
こちらの駐車場には、車は一台も停まっていませんでした。
旧琴南町が作成した案内図がありまして、この川は明神川という川なのだそうです。
地図を見ると、ちょうど先ほどの駐車場のところに温泉施設があったようです。
下流に向かって道沿いに遊歩道が整備されているのですね。
美霞洞温泉源泉についての説明がありました。
平家の落人が傷を癒したとか、平賀源内さんが紹介したなどの説明が書いてありました。
源泉をエピアみかどの浴場の方へ引いて来ているのですね。
駐車場から一度下に下りる道がありましたので下りてみます。
僕は特に名水に興味があるわけではないのですが、以前ここまで水を汲みに来ている料理屋さんの話を聞いたことがあります。
毎日来るのは大変だろうなと聞いた当時も思いましたが、やはり大変だ…。
この日も水を汲んでいる人がいましたが、そこがそうなのでしょうかね。
あと僕の心に残ったのは、「美霞洞八景」。
美霞洞八景、本当にあったのですね。
もちろんこれも探してきましたが、今回の記事は讃岐十景がテーマなので、美霞洞八景については後編で触れますね。(いろいろ聞いてきました)
美霞洞渓谷の讃岐十景碑
この辺に石碑がありそう、と思って視ていると、なにやら碑っぽいものが見えました。
何もないかな?と思ってよく見てみると、
ありました、讃岐十景の石碑です。
何があったのかはわからないのですが、台座だけが残る場所の脇に、草木が少し覆いかぶさるように、石碑はありました。
撤去されなくてよかった、という感じ。
※これは他の讃岐十景碑を探しに行った後に思ったのですが、讃岐十景碑が既に失われてしまったのではないかと思われる場所もありました。
これは昔の方がとても大事にしていた石碑ですので、どうぞ草木を避けて、大切に保管をしていただければ幸いです。
先ほど歩いて来た遊歩道の一つ下に、細い道がありました。
来た方向へ戻るような方向です。
まずまず蚊やクモなどの虫さんたちはいますが、大きなハチなどは見当たりませんでしたので、先に進みます。
奥の方に鳥居が見えてきました。
神社があるのですね。
竜王山という香川で一番高い山が近くにあるので、そこから来ているのでしょうね。
小さな古い石仏なのか、もう表面が削られていて、よくわからなくなっていました。
きっと古い時代のものなのでしょうね。
一つ一つが苔むしていますが、その威厳を失ってはいません。
どなたか定期的にお世話されているのでしょうね。
扉からお賽銭を入れ、お参りします。
ふと思ったのですが、讃岐五景も讃岐十景も、いずれも寺社がすぐそばにあったり、そのものであったりという場所ですね。
四国霊場八十八か所があるように、四国全体が比較的信仰と観光が近い位置にあるなあと思っていましたが、当時の景勝地は、今よりもっと深く信仰と結びついていたのですね。
そこから石段を下りていくと、いよいよ川の傍にきたようです。
なかなか言葉で表現するのは難しいところですが、何だか川の傍に来ると水辺という感じで、とても気持ちがよいです。
マイナスイオン的な何かがあるのでしょうかね。
ザアザアという流れではなくて、付近の音はサーという感じ。
大きな岩肌の奥に、何やらあるな、と近づいていきます。
奥の方、見たいですよね、僕もです。
しかし、ここから美霞洞八景に入っていくので、ここからは次に記事にて書きたいと思います。
讃岐十景美霞洞渓谷、静かで素敵な雰囲気でしたので、またご興味がおありでしたら、次回もご覧ください。
それでは、今日はこの辺で。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。