萩原寺の萩 のことを書いておこうと思います。
前回は雲辺寺山麓のブルートレインから五郷山公園まで見て来ました。
塩江最明寺には何度か訪れていましたが、香川県西の萩の名所萩原寺には行ったことがなかったので、一度萩の花の季節に訪れてみたいなあと思っていました。
萩原寺の萩やその境内の様子などにご興味のある方の参考になれば幸いです。
萩原寺の場所
まずは場所から見て行きますね。
その前に訪れた雲辺寺山麓の北側、上り口にあります。
僕はこの日戻ってくる途中で立ち寄ったので、雲辺寺からは下って行く途中という感じ。
高松から行くと、車で約1.5時間です。
五郷山公園からは車で1分ほどと近いです。
駐車場が道の向かい側にあります。
萩原寺の駐車場
無料の駐車場がありました。
いつも雲辺寺に行く時にこの前を通るので、萩原寺の駐車場はここなのだなあというのはわかっていました。
萩の時期ですが、車は4、5台でした。
後で出てくるお団子屋さんに聞いたら、週末はもう少し賑やかなのだそうです。
全体で20~30台
駐車場にはお手洗いもありました。
その脇には境内の案内図がありましたが、少しイラストが剥げていて見えにくくなっていました。
本堂は駐車場から少し道を下っていくのですね。
「萩まつり」「門前市」と看板にあるので、そういう行事もあるのでしょうね。
駐車場から下って行くと境内、本堂があります。
こちら☞という案内がありました。
確かにどこにあるのか初めてだとわかり難いかもしれません。
萩原寺の萩 境内へ
何となく萩の花がこんもりとあるので、ここが入り口だろうかと見てみます。
萩の奥に銘板の石碑がありました。
大きく「萩原寺」とあるので、ここが参拝口のようです。
隣には案内図があるのですが、こちらもやや薄くなっていました。
萩原寺のHPにも掲載されていますが、境内案内図を載せておきますね。
別格本山地藏院 巨龍山萩原寺
萩原寺略縁起より引用
所在地 〒106-15 香川県三豊郡大野原町萩原
0875-54-2066
略縁起
地蔵院と号し平城帝の大同二年の弘法大師の開創であり、朱雀天皇勅願談議所であった。
不動明王は大師ご自作で霊験古今に顕著である。
のちには細川勝元公の祈願所にもなる。
往古には伊予・阿波・讃岐に多数の末寺を有した。
六法憲深方一流の本山としての法灯が伝わり温座護摩は有名である。
また、急就章・法華曼荼羅図・観経曼荼羅図・銅水瓶・金銅塔鈴・金銅割五鈷杵など寺宝も多く保存されている。
県指定自然記念物の萩があり「萩」の名所として広く知られている。
なお、当寺の弁財天は仏説如意陀羅尼経に無量劫より以来、大慈大悲を修習して一切衆生のために大良福田となると、慈悲福徳学芸才能の女仏女神として広く思慕敬愛せられております。
また、平成三年春、萩原寺開創一二〇〇年にさきがけて勧請された泰平大黒は、天下泰平・万民豊楽を祈る七福即生・五穀豊饒・財宝招福を司る地祇神です。
なるほど、萩原寺は古くからの由緒ある古刹なのですね。
香川県の指定自然記念物なのだそうです。
指定自然記念物は全部で55か所あって、岩田神社のフジや天川神社社叢なんかがあります。
なるほど、萩原寺は古くからの由緒ある古刹なのですね。
境内には萩の花が咲いていました。
満開から少し時期が遅れたかな、という感じですが、たくさんの花が咲いていました。
さらに歩いて行くと「萩庵」というお茶処がありました。
「しゅうあん」と読むのだそうです。
休憩所になっているのですね。
本当は中に入ってみたかったのですが、9月下旬はまだコロナの様子を見ている時期でしたので、また次回に入ってみたいと思います。
萩原寺の萩 大門から宝物館
お茶処萩庵の奥には、右手に大きな門、左手に参道が伸びています。
最初に右手の大門へ行っています。
なかなか立派な門です。
僕はここが本堂かと思うくらいでしたが、違いました。
この「大門(萩原寺大門及び番所)」と奥にちらっと見えるのが「茅葺き客殿(萩原寺客殿)」だそうで、ぞれぞれ国の登録有形文化財(建造物)なのですね。
境内西側本坊の中心に東面して建つ大型客殿で、北端に唐破風屋根の式台を構えて御成門を従え、南側は西列に三室、東列に二室を配し、南西隅に上段の間を配する。
萩原寺客殿 文化遺産オンラインより引用
屋根は茅葺の四方に瓦葺屋根を廻らす、当地で四方蓋と呼ぶ形式をもち、地方的特色を見せる。
これは帰ってから知ったので、全体の写真を撮っていませんでした。
ムムム、これは残念…。
萩の向こうには菊の紋がありました。
パンフレットに「朱雀天皇勅願談議所」とあるので、それが関係しているのでしょうかね。
同じ敷地には宝物館がありました。
訪れた時には何とか萩の花を見ようと、必死だったのでわかりませんでしたが、なかなか風情のあるお庭でした。
萩原寺の萩 参道から仁王門へ
続いて大門の向かい側、参道の方へ行ってみます。
途中には「萩だんご」の幟があって、おだんごを売っていました。
帰りに寄って買って帰ろうと思い、写真は撮らなかったのですが、帰りには他の方ともお話してしまい、撮り損ねてしまいました。
後に出てくる「おだんご屋さん」はこのテントのことです。
お団子に目がいってしまいましたが、その向かいにはたくさんの萩の花が咲いていました。
後からこの向こう側が池(前池)だと知るのですが、それを知るまでは壁か何かと思っていました。
最明寺は萩の花の中をかき分けて歩いて行くけれど、萩原寺では見上げるような萩でした。
遠くからだと咲いているのかな?という感じですが、近づいて見ると…
小さな花がたくさんついていました。
この遠くからと近くから見た花の雰囲気が大きく違うのも、ハギの花の面白いところです。
だんご屋さんのテントの奥には大師堂に続く道がありました。
右手には一つお堂があり、地図を見ると忠霊堂とありました。
本当は左手の大黒天を撮ればよかったのですが、なぜか撮り忘れていました。
不思議なもので、これを撮ろう、これも撮ろう、お参りもしなければ、なんてしているうちに、忘れてしまうのでしょうね。
また次回訪れた時に撮ってみたいと思います。(そしてそのことも忘れるのだろう…)
一番正面の奥には「大師堂」とあります。
この建物も「萩原寺護摩堂」として登録有形文化財になっているのですね。
この右奥に見える建物がお不動さんなのでしょうかね。
仁王門から本堂へ
先ほどの参道へ引き返し、仁王門の方へ行ってみます。
萩原寺の仁王門、寺伝によると室町時代に細川勝元公が奉納したものとされているのですね。
こちらの仁王門は観音寺市の指定有形文化財(建造物)なのですね。
萩原寺の案内文の看板もありました。
「土塀修理」という看板もありました。
「寄進承ります¥1000」とあるので、土塀の修理のために寄付してください、という呼びかけなのでしょうかね。
仁王門を見てみますと、まずは大きな草鞋。
向かって左側にも草鞋があり、
なかなか立派な木造の仁王像です。
以前最明寺を訪れた際に年配の方が「萩原寺は本堂に行くのに階段があるやろ…」と言っていましたが、ここのことでしょうかね。
確かに本堂に行くにはこの階段を上らなければいけません。
階段途中に小さなお堂があって、その右奥に茅葺きの建物がちらっと見えます。
あれが茶堂でしょうか。
なかなか一言では言い表せないのですが、境内の至る所に建物があって、昔から地元の信仰を集めておられたのだなあ、と思います。
一歩階段を上れば鐘楼堂。
こちらも登録有形文化財「萩原寺鐘楼」なのだそうです。
境内の中を少し行けば文化財だらけ、という感じです。
萩原寺本堂
階段を上りきると手水舎があります。
案内図には「洗心」とありますが、こちらも登録有形文化財「萩原寺手水舎」です。
この脇に階段があって、「塔跡」となっていたのですが、鬱蒼とした感じで誰もいなかったのでやめておきました。
案内図には「三部宮」とある建物。
またそのお隣は「世界一観」と書かれた石碑がありました。
更にその横に目を移すと、西国三十三か所石仏と修行大師。
忘れかけていましたが、萩原寺には萩の花を見に来ていました。
この辺りにもたくさんの萩があります。
石仏に囲まれるように本堂がありました。
こちらも「萩原寺本堂」登録有形文化財となっています。
境内東丘陵上に南面し、桁行五間梁間六間、正面三間向拝付、本瓦葺。内部は前後に二分し、内外陣とも三間梁を架けて無柱の室とする。
萩原寺本堂 文化遺産オンラインより引用
粽付円柱に台輪を廻して三斗詰組とし、桟唐戸をたてるなど禅宗様を積極的に取入れており、近世密教系寺院仏堂の一様相を示す。
本堂前の萩は、もう終わりかけてしまっていましたが、階段を上ってきてよかったと思います。
萩原寺の本堂、なかなか素敵な建物です。
だんご屋にて
本堂を見終わったので、下へ降りて行きます。
もう一組一緒に階段を上られていたのですが、いつの間にか姿が見えなくなりました。
行きには前や上方しか見ないからわかりにくいのですが、下りて行く際にはいろんなものが見えます。
先ほどの参道の萩は池の周囲に咲いていたのですね。
仁王門の横から道が一つ伸びていて、お稲荷さんへ繋がるようです。
もちろん行ってみようかな、とは思ったのですが、誰もいないので今回はやめておきました。(この日は既に藪の中に入っている…)
参道を戻り、お団子屋さんのテントに立ち寄ります。
先にお一人女性の方が店主とお話されていまして、そこに途中から入って行くような感じになりました。
「萩はこの前の日曜日が一番やった」
「人が多かったですか」
「まあ、まあおったよ」
こんな感じの会話を15分くらい。
全て会話調で書いても良いのだけれど、長くなるのでポイントだけ書いておきますね。
・例年行われる萩まつりはもっと多くの人で賑わう
・先週の日曜はカメラ持った人が多かった
・萩はお彼岸前後が見頃だが、今年は早かった
・新聞紙面で紹介された写真はその池の角の辺り
・茅葺き客殿の他にも、南門に菊の紋がある
・白壁は皇族所縁のある場所
・お団子は餡入りの焼だんごが人気
などなどのお話をしてくれました。
少し距離を取りながらでしたが、久しぶりに訪れた先の地元の方と会話して現地のお話を聞けたなあと思います。
※追記
萩だんごのお団子屋さんは門前市と萩まつりの時期だけ販売されているそうです。
わたうさぎさん、聞いてくださりありがとうございました。
※追記終わり
南門と萩の花
この付近にはたくさんの萩の花が咲いていました。
この辺りが萩原寺では一番萩があるところなのでしょうかね。
石積みが見えるので、この向こう側が池だとは、やはり思えないところです。
光の加減で花がないように見えたところも、近づいて行くと淡い色の花がたくさん咲いているから不思議なものです。
先ほど聞いたので、見ておこうと思った南門はこちらです。
ここも登録有形文化財になっていました。
「萩原寺南門及び土塀」という指定になっているので、土塀も入っているのですね。
先ほど寄進を呼び掛けていた「土塀」はこのことなのでしょうかね。
白と薄い紫の萩の花に囲まれ、趣のある建物を見られてよかったです。
本当は動画も撮りたかったのですが、雨がポツポツとしてきたので、帰ります。
(すぐに止んだ…)
帰宅して購入した萩だんご(1パック500円)。
前回最明寺のおはぎに続き、この焼だんごも奥さんと子どもは美味しいと食べていました。
確かに、僕も一つ食べてみましたが、餡の入った大きい焼だんご美味しかったです。
萩の花に文化財の建物、お団子と面白いことがたくさんあった萩原寺でした。
雲辺寺のロープウェイも近いので、是非お近くにお越しの際には立ち寄って見て下さい。
それでは、今日はこの辺で。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。