瀬戸芸秋会期の豊島 のことを書いておこうと思います。
秋会期も半分が終わり、瀬戸芸もあと少しという感じになってきました。
まだ行けてない西の島のことも気になりますが、まずは行った順にさらっと記しておきます。(どうやら詳しい版は終わってからになりそうです)
瀬戸芸秋会期の豊島 の雰囲気や、豊島の新作、海のレストランや島キッチン、豊島美術館のことなどにご興味のある方の参考になれば幸いです。
目次
- 高松から豊島への船
- 瀬戸芸秋会期の豊島 家浦地区の作品
- 瀬戸芸秋会期の豊島 甲生地区の作品
- 針工場と海のレストラン
- 空の粒子、ささやきの森
- 瀬戸芸秋会期の豊島 唐櫃地区の作品
- 豊島美術館
- 心臓音のアーカイブ
高松から豊島への船
豊島へ行くのに、今回一番困ったのはその行き方、船のアクセスです。
これまで利用していた高松港から豊島唐櫃港への船がなくなり、家浦港へ行くか、小豆島経由でフェリーで行くか、どちらかになってしまいました。

結構人気のある便利な航路で、芸術祭の期間は行列だったのだけれど、やめてしまったのですね。
今回は往路は豊島フェリーで高松港から直島本村経由(と言っても船に乗っていればいいだけ)で家浦港へ、復路は唐櫃港から土庄経由で帰りました。
なので、瀬戸芸の巡り方も家浦から甲生、甲生から家浦、家浦から唐櫃という順番になりました。
瀬戸芸秋会期の豊島 家浦地区の作品
前回の直島同様、高松港を9:07に出航し本村を経由して家浦港に着いたのは10時でした。
高松から家浦へ直接行く便は35分くらいだから20分ほど時間がかかります。

水飛沫を浴びながらも気持ちの良いまりんなつの後部屋外デッキです。

少し混んでいて、立ったままの方も数名いました。
豊島の西側から回り込むように家浦港へ到着です。
家浦港から歩いて5分ほどで豊島横尾館へ到着です。

以前は写真撮影ができませんでしたが、館内の一部がOKとなっていました。
ビデオ、フラッシュはだめですが「庭のインスタレーション」「トイレのインスタレーション」の写真撮影はOKでした。

大事なことを書いておくと、トイレには「鑑賞用」と「実際に利用できるトイレ」があるので、それぞれ間違わないようにご注意ください。

その南側へ徒歩5分で「針工場」。

閉まっている?と思ったら、10時30分からだそうです。
豊島横尾館は10時からだったので、こちらもそうだと思っていました。
ムムム、下調べが足りませんでした…。
仕方がないので、そのまま甲生地区へ向かいます。
瀬戸芸秋会期の豊島 甲生地区の作品
豊島をまわる時、ほとんどの方が電動のレンタルサイクルを借りておられました。
僕は毎回豊島は歩いて巡ると決めているので、今回も歩きます。

「電動自転車に抜かれていく」写真を撮れるのは、歩きだけなので。
皆さんはどうぞ無理なさらず、是非電動自転車を借りてください。


家浦から甲生までは約1.7kmの道のりで、途中までは上り、途中から下りです。
上り坂が終わると、本当に嬉しい気持ちです。

下り坂の正面には男木島灯台が見えます。

海に出る方向なので、写真右の下りの方に向かいます。

途中、「遠い記憶」という作品があった場所を通ります。
解体したとは聞いていましたが、こうして更地になると、ここに本当にあったのだろうか、という気にもなります。

今思うと2019年に訪れることができて、本当によかったです。
海辺まで下りて行くと、砂浜が見えてきました。


わあ、ブログやSNSで見聞きしていましたが、これは海と島と空とがあわさった綺麗な作品ですね。
そこから5分くらいの場所に、今回のもう一つの新作がありました。
これがとてもすごかった…。

小泉八雲『和解(The Reconciliation)』に着想を得て、虚と実が入り混じったかのような幻想的な体験を創出する。
豊島 | 瀬戸内国際芸術祭2022より引用
歴史や国語の教科書に出てくる小泉八雲さん、ラフカディオハーンさんの「和解」に着想、という点で気が付くべきでした…。
ええと、個人的には、これまでの瀬戸芸の中で最も怖い作品でした…。

全て一つ一つが作品です、と説明があり、「もしや今他に誰もいない?」と尋ねたら「おそらく」だって!
これはアートだ、と念じながら巡りましたが、とても美しいけれど、怖かった作品です。(一部撮影ができない場所があります)
針工場と海のレストラン
もう一度家浦の方へ戻り、針工場の中へ入りました。

針工場はこの船の建物と、となりのお店、そしてその隣の芝生と続きます。

緑に囲まれた芝生の広場もとても素敵です。
そこから北側へ歩き、12時前にランチをいただきました。
それほど時間があるということでもないのだけれど、今回はたくさん歩くので、座って食べました。

僕は15分ほど前に入ったのですが、お昼を過ぎると多くの方で満席になりました。

アジアからのお客様も少しいたようで、知らない言葉を聞きました。
少しずつ外国の旅行者も入ってきているのですね。

今回はピッツァという名のピザ。

海風が気持ちよくて、いつまでも座っていたいけれど、先に行かないといけません。

海のレストランから唐櫃地区への道が、最も長い道です。
僕が行く方向がほぼ上り、反対側はほぼ下りでした。

以前に作品があった場所や、

なかなかその全体像が見えない豊島美術館をチラ見しながら頑張って歩きます。
日向は暑いし、日影だとバスや自転車から見えにくいし、なかなか歩く場所も難しいところです。
空の粒子、ささやきの森
海のレストランから30分ほどで空の粒子に到着です。

この辺りで誰もいないのは、はじめてです。

そして、豊島最難関作品、ささやきの森へ。

1kmほどの山道を徒歩で上らないといけません。
豊島に来るたび、ここはやめておこうか、と思いますが、ボルタンスキーさんの追悼を、と思い上ります。

途中から森の中に入りますが、蚊がたくさんいるので、長袖推奨です。

来るのは大変だけれど、無料なので誰もいませんでした。

風が吹くと、チリン、チリンと鳴るのを、三年ぶりに聞きました。
これもやっぱり来て聞けてよかったです。
瀬戸芸秋会期の豊島 唐櫃地区の作品
縞キッチンへ行くと、思ったほど混雑しておらず、スムーズに作品が見られました。


この作品を誰も他に人がいない状況で見るのははじめてです。
島キッチンでは13時半頃「14時の予約枠が終わりました」とのこと。

さすがに少し疲れていたので、テラスでアイスコーヒーをいただきました。

もちろんレストランでお食事もいいのだろうけれど、僕は広々としたテラスの方が好みです。
以前ストームハウスがあった場所に新しい作品がありました。


楽しい作品ばかりで、ここも見ることができてよかったです。
豊島美術館
さて、坂を下って豊島美術館へ向かいます。
海のレストランでチケット予約を見たら、この日は枠ががたくさん空いていました。



レンタルサイクルの方に尋ねると、天気の悪い日の自転車事故がとても多いのだそうです。
坂が急で、車やバスが通るので、是非慎重に行ってください。
気持ちはわかるけれど、ここは普通の県道です。

まあ、綺麗な景色が広がっていれば、楽しくて開放的な気分になるのも、わかります。

普通の県道にしては、やはり景色が良すぎますね。

一度下りて行ったのに、もう一度上って来る、そんな気持ちも良く理解できます。

外観は写真が撮れますが、靴を脱ぐところから撮影禁止です。

細い小径を抜けていくところ、途中で木々の隙間から海が見えます。

海から見たのでは、この場所がどこなのか全くわかりませんが、こちらから見るととても美しい景色です。
豊島美術館は外からは本当に見えないのですよね。
心臓音のアーカイブ
さて、最後に心臓音のアーカイブへ向かいます。
途中にバスケットゴール。

ここのスタンプが紐から外れていまして、「これ何?豊って書いてある?」と言っていました。
「これ、パスポートのスタンプですよ」と言いましたら「こういう楽しみ方があるのか」と驚かれていました。
ムムム、パスポートのスタンプ、最早少数派か…。
しかしながら、今回の豊島でははじめて「たくさんまわられていますね!」と言われました。
大体春から夏はそうでもないけれど、秋のこの時期になるとスタンプが溜まってきます。(溜めたからどうということはないのだが)
豊島の最後は心臓音のアーカイブ。


先ほどが森ならば、こちらは海沿いにある作品です。

係の方に今回は思わず尋ねてしまいました。
「毎日この場所にいると、やはり景色も見飽きてきますか?」
「季節ごとに変わるので、そうでもないですよ」
そうか、一日ごとに様変わりしていくものね。
係の方たち、心臓音の守り人だ。

中は撮影できないのですが、中から外の景色は大丈夫ですよ、とのこと。
正面は小豆島、絶景が広がります。

これで 瀬戸芸秋会期の豊島 の作品廻りは終わりです。
唐櫃港へ戻り、フェリーを待ちます。
16:25発なので、これまでより比較的ゆったりできましたが、やはり高松に直接アクセスできる便が良かったです。

夕暮れ、とても美しい色に瀬戸内海が輝いて見えました。

陽が落ちる少し前、この位の時間の海の色が好きです。
そういう点では、土庄行のフェリーに乗れてよかったです。
土庄から高松へは17:10の高速船に乗りました。
約35分後、17:45に高松港に到着です。
歩きでまわると大変ですが、巡った感覚があるのですよね。
どうぞ皆さんもお気をつけて、良い瀬戸芸の旅を!