さて、高知の旅を書き終えたので、次は 讃岐十景亀鶴公園 の桜のお話を書いておきます。
ムムム、2~3週間あけて書こう、なんて思っていたら、桜から早くも2か月…。
季節感の欠片もない記事になってしまいますが、讃岐十景の石碑のことを書くのはこれが最後だろうから、これまで訪れたところをまとめながら見てみようと思います。
現在のところ讃岐十景を検索しても、全ての讃岐十景碑を巡った記事はない(2021年5月)から、もし讃岐十景にご興味のある方(いるのかな?)の参考になれば幸いです。
目次
讃岐十景碑は全部で9つ
別に誰に頼まれたわけでもないし、讃岐十景碑に格別興味があるわけでもないのですが、もともと竹居観音岬で「讃岐五景」の石碑を見た時、あれ?これは根来寺でも見たような気がするけれど、香川にそんな五景があるのだろうか、というところから始まりました。
讃岐五景は行きやすい場所にあったから、意外とあっさり見つけられました。
・竹居観音岬
・根来寺
・塩江温泉郷
・榎井日柳燕石碑
・金倉寺
どこかの質問には金倉寺が見つけられていない回答がありましたが、当時の香川新報投票結果を新聞記事で見たら、金倉寺でしたし、実際に石碑もありました。
まだそれぞれ大事に設置されていると思うので、近くまで行かれましたら、見てみてください。
そして、讃岐十景…。
これは小豆島も含め、特に現在のメジャーな観光地ではない場所も含んでいたので、まあまあ大変でした。
最初に見かけたのは、塩江萩の寺でした。
最初の讃岐十景最明寺。
続いて二番目は瀬戸芸本島、木烏神社。
三番目。
この辺りから本格的に巡ってみようという気持ちになりました。
寅さんのロケ地、小豆島富丘八幡神社。
ちょうど国道沿いの神社の手前にありました。
当時は工事をしていたから、近くでは見られませんでした。
四番目は昨年秋の美霞洞渓谷、
そして五番目には天川神社社叢。
この二つはまんのう町で、緑の中にありました。
六番目は、思わず喜びのあまり声を上げた小豆島の洞雲山に、
七番目、三豊の汐木荒魂神社も訪れました。
ここの桜も綺麗だというから、いつか見に行ってみたいところです。
八番目は仏生山法然寺。
ここは随分探したけれど見つからず、今もわかりません…。
(いつか見つかって、ここに追記したいところ)
九番目は讃岐国分寺。
そして今回の亀鶴公園が十番目、最後の讃岐十景となります。
塩江最明寺
塩飽本島木烏神社
小豆島富丘八幡神社
美霞洞渓谷
天川神社社叢
小豆島坂手洞雲山
汐木荒魂神社
仏生山法然寺
讃岐国分寺
亀鶴公園
別に順番があるわけではないから、どこから訪れてもよいけれど、今回の亀鶴公園はわかりやすいし、行きやすいことで言えば一番です。
(最も難しいのは洞雲山です。これは間違いない…)
讃岐十景亀鶴公園 の場所
さて、そして今回の亀鶴公園ですが、香川県さぬき市長尾町にあります。
駐車場は満車とまではいかないけれど、車が出てはそこに1台入り、という感じでした。
もし亀鶴公園の讃岐十景を書くならば、ちょうど桜の時期に、と思っていたのでその時期に行きました。
県立亀鶴公園は、東讃きっての桜の名所。西方に鶴の飛ぶ姿を形どっている”鶴が山”があり、また宇佐神社境内には碑の石だん・万葉の庭があります。その濃い緑の中に宇佐神社が鎮座しています。鶴が山の東方には、紺青の水をたたえた広大な宮池があり、池の中央には亀島が浮かんでいます。とりわけ桜が見事なのは、この亀島と神社を結ぶ幅20m、長さ約300mの長堤。両側に桜の大樹が立ち並んで”花のトンネル”をなし、それが水面に映える様はまさに絶景です。また、さくら橋がライトアップされ、春の宵のそぞろ歩きが人々の心をなごませます。
亀鶴公園・長尾総合公園ゾーン | 香川県 さぬき市より引用
桜の奥がこんもりと2段に盛り上がった鶴が山。
こちらが鶴の口サイド。
そして、宮池を挟んで反対側には亀島。
亀のサイドです。
この宮池の間を結ぶ堤がありまして、この歩道脇に桜が植えられています。
駐車場の脇には、菖蒲園もあり、ちょうど今僕がこの記事を書く頃に、たくさん咲いているのだろうと思います。
池の周囲に花菖蒲園がぐるりとあるのですが、その中に桜が植えられています。
池の方を眺めていたら、もぞもぞと動いている生き物がいて、もしかして、と見てみたら亀でした。
亀鶴公園だから、亀もいますよね。
3月の末頃ですが、満開から、少し散り始めに近い雰囲気でした。
花菖蒲を抜けて、西側、鶴の先の方へ向かいます。
ちょうど亀島からかかる赤い橋が遠くに見えました。
桜の時期にはたくさんの方が訪れるので、神社の前に露店がいくつか並びます。
低い桜の木の下を抜けると、堤防の一番西側に出ます。
わあ、綺麗に咲いている!
亀鶴公園の讃岐十景碑
普段でであれば、このままこの桜並木を行くのですが、今回は讃岐十景碑を見なければなりません。
この堤防西側の自販機の隣に、讃岐十景碑はあります。
ムムム、それにしても、この配置については、指摘せずにはおられません…。
まあ、駐車場が目の前にあるのは仕方がないとしても、この柵はいけません。
そして、一番ううっとなるのが、自販機の置き方と向きです。
置くなとは言いませんが、背中を向けているから、自販機の裏側となってしまい、僕が来たルートからは全く見えません…。
ちなみにGoogleストリートビューで確認いたしますと、2012年当時にはまだ柵はありません。
僕もこの状態の讃岐十景碑を一度見たことがあります。
つまり、この柵は最近できたものです。
まあ、はっきり言えば柵も赤い模様も邪魔で仕方がないところ。
もし県の管理者の方や観光協会の方がこの記事をご覧になったなら、是非次回の改修の際に工夫してみてください。
本来であれば、桜と讃岐十景碑という感じで撮ってみたかったのですが、柵と自販機裏側となってしまいました。
しかし、讃岐十景碑の中では、もっとも見つけやすいし、行きやすいので、是非亀鶴公園を訪れた際には、讃岐十景碑を探してみてください。
裏側もじっくりみたいのですが、木があり、全てを確認することはできませんでした。
それでも、讃岐十景碑がこうしてきちんと建っているので、それでよいことにしたいと思います。
いつまでも見ていても仕方がないので、桜並木の方へ移ります。
桜並木を抜けて亀島へ
目の前の駐車場から段差がなく来られるからか、年配の方も多くおられました。
ベビーカーを押す若いご夫婦の姿も。
特に遊具などはないけれど、小さい子もその桜の雰囲気は楽しいのか、堤の上を走って抜けていきます。
まだ先端には、咲いていない花もあるのに、もう風が吹くとハラハラと花弁が落ち始めていました。
目線の高さ、手に触れられるくらいの高さに、ちょうど桜があるというのも、人気のあるところなのだろうなあと思います。
もっと大きいと遠くから眺めるしかないのだけれど、もわぁっとした桜の花の香りに包まれながら、桜を見る感じです。
ワンちゃんを連れた方々も多く見かけました。
そりゃ春になって嬉しいのは動物も同じですよね。
普段この時期には、道沿いでシートを敷き、お弁当食べてお花見している方々で賑わうのですが、今年もそういう雰囲気ではありませんでした。
ベンチ、誰も座っていないのが不思議な気持ちになりますね。
堤防の一番東まで行くと、さらに先には神社の御旅所があります。
毎年この時期に、鎮花祭(はなしずめまつり)とうのがあって、ここまで練り歩くのですね。
鎮花祭(はなしずめのまつり)
鎮花祭(はなしずめのまつり) | さぬき市観光ガイド|一般社団法人 さぬき市観光協会より引用
かつて桜の散る頃に多かった疫病を鎮めようと願う神事で奈良県の大神神社で約2千年前に始まったとされています。宇佐神社では1980年から行われ、神職による降神の儀の後、御幣(ごへい)を乗せた花みこしを中心に勇壮な少年武者や稚児、舞女などの行列が約300メートルある桜並木の下を練り歩きます。
2021年は規模を縮小して開催したそうです。
「疫病を鎮めようと願う神事」だそうだから、今こそやらなければいけない行事ですね。
なるほど、この300mほどをずっと歩いて来るのですね。
風が吹くと、さらさらと花弁が落ちるのでは、としばらく見ていましたが、そんなときに風が吹くことなんてありません…。
そうこうしているうちに、山の奥からひょっこり子どもさんが出て来られて、あらこんにちは、という感じに。
もう一度来た道を戻ります。
亀鶴公園の桜
亀鶴公園の桜並木は、当初明治40年に植えられ、その後枯損により植え替えられ、現在は二代目なのだそうです。
Wikipediaには、1969年に桜を植え替えとあるので、その頃から同じ桜なのでしょうかね。
それでも50年以上になりますね。
衆議院議員も務めた長尾町出身の小西和氏が、埼玉県から桜の苗木を持って来て植えたのがはじまりだそうです。
瀬戸内海国立公園の指定に尽力された方だそうです。
ちょうどその略歴や亀鶴公園との関係なんかを見ていると、亀鶴公園が讃岐十景に選定されることと、無関係ではないような気もしてきます。
もちろん今は東讃を代表する桜の名所となっていますが、他の讃岐十景にはこうした都市公園は選ばれていません。
他は寺社、山と渓谷ばかりなのに、何で亀鶴公園だけが讃岐十景に選定されていたのか、少し不思議に思っていました。
この場所を地域の桜の名所にしようと、懸命に働きかけ、桜を植え、県立公園とし、賑わいを生み出そうと考えた方がいたのですね。
そう思うと、何となくその約100年前の情熱のようなものが、この桜並木にも垣間見ることが出来るような気がして、見方が変わります。
地域の新しい観光名所を作ろう、人が集まるような試みをしよう、というのは、当時も今もそれほど変わらないのだなあと思います。
それを受け継ぎながら、伝えていくのは、本当に大変だとは思いますが、是非頑張って次の世代にも受け渡していきたいですね。
さて、少し長くなりましたが、讃岐十景を探すお話はここまでです。
最後まで見つけられない場所もありましたが、まだ物語に続きがあるみたいで、ちょうどよいと思います。
それぞれとても良い場所ですので、是非お近くに来た際には、立ち寄って見てください。
それでは、今日はこの辺で。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。