小豆島の作品坂手港・田浦半島について、書いておこうと思います。
この記事を書いて、次の土庄港で小豆島の瀬戸芸作品は終わりです。
長かった、という気もするけれど、書こうと思っていたことを大体書いているので、何となくそれで満足です。
今回は小豆島田浦半島の二十四の瞳映画村の作品2つと、坂手港周辺の3つの作品です。
二十四の瞳映画村や、小豆島の作品坂手港・田浦半島にご興味のある方の参考になれば幸いです。
目次
- 小豆島の作品坂手港・田浦半島 愛のボラード
- 二十四の瞳映画村へ
- 小豆島の作品坂手港・田浦半島 漁師の家
- 二十四の瞳映画村の海岸
- 小豆島の作品坂手港・田浦半島 小豆島ハウスプロジェクト
- アンガー・フロム・ザ・ボトム 美井戸神社
- 坂手港待合室 小豆島縁起絵巻
- スター・アンガー
小豆島の作品坂手港・田浦半島 愛のボラード
田浦半島と言われても、多くの方には「どこ?」という印象だと思います。
小豆島や、よほど田浦を訪れる方でないと場所はわからないと思います。
小豆島の南西、内海湾を囲む陸のうち、南の半島です。
そのほぼ先端に「岬の分教場」や「二十四の瞳映画村」があります。
三都半島も港から遠いけれど、田浦半島もなかなか遠い場所にあります。
瀬戸芸の作品の有無に関係なく、小豆島の中でも大きな観光スポットの一つなので、訪れる方の車で駐車場はいっぱいです。
団体の方はバスに乗ってきていました。
その駐車場の奥に白いオブジェがあり、緑の中でひときわ目立っていました。
「ボラード」、船をつなぎ留めたり、道を隔てたりする杭のことをボラードというのだそうです。
僕はぱっと見て「ボ」が「ポ」に見えたのですが、「ボラード」が正しいです。
駐車場の一角に、巨大なボラード(船を繋留するための岸壁にある柱)を設置。力強くて無表情で、ナンセンスな立体作品である。
小豆島 | 瀬戸内国際芸術祭2022より引用
本当だ、確かに無表情…。
前回醤の郷で見た「オリーブのリーゼント」と同じ作者による作品です。
二つ見比べるのも面白いです。
僕は写真を撮りながら、背景の街を見ていました。
あの建物はどの辺だろうか…
上の二枚の写真の左側にある白い建物が、オリーブ公園のサン・オリーブだと思います。
ここからは向こう側がとても良く見えるので、向こうからもこちらは見えるのでしょうね。
結構人気があるのか、次々に訪れる方がいて、楽しそうに写真を撮られていました。
「愛のボラード」は屋外作品の為、会期外も常時展示されています。
二十四の瞳映画村へ
2022年の夏に土村芳さん主演で「二十四の瞳」が放送されていました。
なかなかよかったので、二十四の瞳映画村を訪れるのも、少し楽しみにしていました。
二十四の瞳映画村へ訪れるのは3度目、10年程前に来て以来です。
入場受付で、作品は中にあるかどうかを確認し、入場券を買いました。
(芸術祭のパスポート提示で割引になりました)
わあ、二十四の瞳映画村、久しぶりに入りました。
もちろん、ゆっくり映画村を見てもよいのだけれど、今回は瀬戸芸の作品です。
昔ながらの建物や、お土産屋さんを抜けて、奥の海岸へと向かいます。
僕もこの作品ははじめて見るので、探しながら歩いたのですが、何となく奥の方というイメージがあったのですよね。
建物の一つに瀬戸芸のフラッグが見えました。
小豆島の作品坂手港・田浦半島 漁師の家
「漁師の夢」という作品なのですが、それは「漁師の家」と名付けられた建物にあります。
入口に説明書きがあったのですが、日本語だけなかった…
家の中に入ると、自動で音声が流れますよ、という案内だったようです。
確かに、いくつか賑やかな声が流れていました。
昔の「漁師の家」が再現されています。
タンスや囲炉裏に仕掛けがあるということでしたが、よくわかりませんでした。
奥の納戸の方へ行くと、魚のイラストや魚拓などがありました。
ええと、少しいただけでじんわりと汗が出てきます。
醤の郷現代美術館アネックスの二階も暑かったけれど、こちらも暑かったことを強く記憶えています。
密閉された空間だから、余計に暑さをかんじるのでしょうね。
二十四の瞳に登場する漁師に焦点をあてたサイドストーリーを作家が独自に想像。
瀬戸内国際芸術祭2022 Setouchi Triennale 2022 | 二十四の瞳映画村より引用
新たな命を与えられた映画撮影用の古民家・漁師の家に、漁師の夢みた少し奇妙で愛らしい魚の女神像が登場します。
じっくり見ていたいのだけれど、暑い、暑いけれど見ていたい、という気持ちで、なるべく限界までいたつもりです。
奥には何かを祀ったような入れ物がありました。
あの中に何かあるのでしょうかね。
梁があって、少し身をかがめると、少し汗が出てくるのを感じました。
これはいけない、早く出なければ、という感じ。
この中には「消しゴムのカス」でつくられた女神像があるのだそうです。
なかなか気の遠くなるような作業ですが、丁寧に造形されていましたので、何となく手を合わせてきました。
ふう、と外に出て息を吐くと、その後新鮮な空気が入ってきました。
真夏は長い時間いられないので、ご注意ください。
二十四の瞳映画村の海岸
漁師の家を出ると、その奥には岬の分教場がありました。
奥さんに「中に入る?」と聞くと「今日はいい」というので、今回は中へは行きませんでした。
まだ訪れたことがない方は是非中に入ってみてください。
看板の奥に海岸があって、下りられるようになっていました。
ちょっと下りてくる、というと奥さんも来たのですがフナムシが結構いたので、早々に引き上げていました。
フナムシ、海や海岸にはいますよね。
砂浜ではないのだけれど、ざざあ、ざざあと波打ち際で音がします。
わあ、ここはまた気持ちが良い。
小豆島の更に東側「大角ノ鼻灯台」のあたりになるのでしょうかね。
南側には一つ島が見えました。
「福部島」という無人島なのだそうです。
レトロなカフェや文学館などがあったのですが、先へ進まないといけないので、ソフトクリームだけ食べることにしました。
ソフトクリームの看板があったお土産屋さん「大正屋」さんです。
ミルクソフトをいただきました。
食べる間、他のお客さんが少なかったのでお店の方と少しお話しました。
「二十四の瞳撮影してたんですか」
「ドラマの撮影この通りでしよったんですよ、主人がエキストラで出ました」
「わあ、それはすごい!時々出られるんですか」
「時々お呼びがかかるんよ」
と話しておられました。
出演していると、やはりドラマも見てみたくなりますよね。
コロナでお客さんが減ってしまい、この夏少し戻りかけているけれど、海外からのお客さんがいないというのが悩みだそうです。
他でも売店の方は同じように言っていました。
瀬戸芸の閉幕後に韓国の便が再開し少しずつ海外の方の姿も見かけるようになりました。
観光地にまた賑わいが戻ると良いですね。
小豆島の作品坂手港・田浦半島 小豆島ハウスプロジェクト
二十四の瞳映画村から坂手港に移動します。
坂手港の周辺の作品は、坂手港の駐車場に車を置いて歩いて行かないといけないので、暑い中を歩きました。
もう冬という今思い返せば楽しかった気もするのですが、当時は真夏の坂道で辛かった気がします。
住宅地の中を抜けていく、雰囲気のあるいい坂道です。
背景に洞雲山が見えていて、それもまたよかったところです。
手前の軽自動車のワゴンが軽食の販売をしていて、少し人で賑わっていました。(フィッシュ&チップスの店でした)
寄ってみたかったのですが、ちょっと奥はいっぱいという感じだったので、作品へ向かいます。
この正面の建物、ほぼ普通の民家が作品のようです。
新建築社が行うメディアとしての場づくりをテーマとした「新建築ハウスプロジェクト」の青山(東京)、北大路(京都)に続く第3弾。空き家の改修工事を一旦停止し、その中で展覧会やイベントを行う。建築を恒久的なモニュメントではなく、常に変化するドキュメントとして捉えることで、建築の新たな可能性を模索する。
小豆島 | 瀬戸内国際芸術祭2022より引用
「新建築社」という建築の出版社があり、そこと設計事務所が手がけた建築の作品なのですね。
砂木さんの「SUNAKI」という字が、どうしても「SANUKI」に見えてしまいます…。「A」と「U」がずれているだけのですね。
遠くからだとわからなかったのですが、よく見ると建物は古いのに外観が変わっています。
わあ、すごい、見知らぬ方の家のリフォームの途中にお邪魔したような気分です。
建築が専門の方やお好きな方は意味がわかるのかもしれませんが、どういう意図なのかは理解が追い付きませんでした。
映像で改装しているところを流していましたが、ポイントがつかめず、景色や見た感じなどをそのまま掲載することにしておきます。
窓からの見晴らしはよくて、ちょうど坂手港からジャンボフェリーが出航中でした。
受付のところに係の方がいて、そこから二階に吹き抜けがあり、階段で上がれるようになっていました。
解説聞けたらよかったのですが、静かに皆さん鑑賞されていました。
他の方もそうかもしれませんが、坂道を上がってきて、空調が効いている涼しい部屋に入って来られたことも嬉しかったところ。(結構皆さん長くおられた)
二階にも部屋があります。
外にベランダがあり、出られるようになっていました。
外に出ても、そこに何があるということもないのですが、そこからはまた港と海の景色が見えました。
出る際に「隣の建物でも資料を展示していますのでご覧ください」というので見てきました。
わあ、こちらの方がアート、瀬戸芸っぽい感じがします。
制作過程のドキュメンタリーなのか、映像も流れていました。
テーブルの上に様々なプラスチックの物が積み上げら、組まれていました。
何かよくわからないけいれど、それが魅力なのかもしれません。
一つずつ見ていると、これはあれかなと思う物もありますが、正体がわからない物もあり、じっと見てしまいます。
ここも冷房が効いていて、少し長居してしまいました。
※この作品の展示は瀬戸芸会期終了とともに終わっています。
次の場所へ行くのに、一度坂道を下りて、また上るのがしんどいよね、と受付の方に尋ねてみます。
「下に降りないで、そのまま横に抜ける道がありますか?」
「ちょっと狭いけどね、すぐ下に右に曲がる道があるから、そのままお墓の前を上って抜けて下りてまた右に介護施設があるから、その先いけば出られるで」
「右でお墓でまた右ですね」
と聞いたので、早速その道を行ってみました。
ムムム、確かに道はあるけれど、人が一人通るのがやっとという感じでした。
少しだけ距離が短縮できた気もしますが、下りて上っても大した差はなかった気がします。
アンガー・フロム・ザ・ボトム 美井戸神社
暑いし疲れた、と言いあいながら、何とか上ってきました。
ここから目の前の洞雲山まで歩いて行けるけど、と言ったら絶対むり、と言っていました。
確かに、暑い時には無理かも。
もうここから見たのでいいかも、と言っていましたが、水が流れるのを見ようともうひと踏ん張り。
先ほどの作品でご一緒だった方は車で上がって来られたようです。
ここには停めるところ、ないのですよね…。
他の場所は駐車場があって、車で作品の目の前まで行けるから、行ける気がしてくるのですよね。(実際車で坂道を上がれることは上がれます)
美井戸神社には「ここに停めても大丈夫ですよ」というスペースがないから、なかなかブログなどでは書きにくいところです。
祠の屋根の部分はドットアーキテクツさんの設計なのですね。
僕がこの写真を撮っていると、もう一人(もちろんこの前の作品でも一緒だった方)坂道を歩いて上がって来られました。
はあはあ息をしているので、やはり下から歩いて来られたのだろうと思います。
車で近くに来たとしても、最後は坂道を300mほど歩かないといけないという意味では、こちらもなかなかの難関作品なのかもしれません。
水が出る時間が決まっていて、20分ごとに水が出ますよという案内がありました。
時計を見ると、もうすぐ出る感じ。
瀬戸芸2013の作品なので、設置後もう10年も経っているのですね。
外からはちらっと見たことがあったけれど、間近で見るのははじめてでした。
メンテナンスしながら、地元で親しまれている感じが伝わってきます。
時間が来たら「ヒタヒタ」と水が口から出始めました。
わあ、結構な水の量が流れるのですね。
これはこれで、なかなか面白いです。
井戸に登場する巨大な彫刻。古井戸の底に潜む地霊的化け物が、人々を脅かすという寓話的な設定だ。
小豆島 | 瀬戸内国際芸術祭2022より引用
2,3分だったか、数分間水が出ていました。
神社というよりアトラクション的な要素が強い楽しい作品でした。
瀬戸芸期間中にここまで来て見られていなかったので、今回は見ることが出来てよかったです。
坂手港待合室 小豆島縁起絵巻
上りに比べて、下りはすいすい進みます。下り坂最高!
坂手港まで下りて行くと、待合室の壁に大きな絵が描かれています。
とても大きな絵で、ヤノベケンジさんの原画を岡村美紀さんが描いたのだそうです。
岡村美紀さん、後で気が付いたのですが二十四の瞳映画村でも壁に絵を描いているそうなので、見てくればよかった、と後で思いました。
一時期小豆島の地域おこし協力隊として活躍されていたのですね。
その後ドイツに渡られたのだそうです。
この壁画、なかなかいいんですよね
竜がいて、先ほどの神社のお化けがいて、小豆島の海と山がある、そんな絵は他ではなかなか見かけません。
この絵が描かれた時にはなかったけれど、草壁港にあった辿り着く向こう岸を思い出しました。
スター・アンガー
向かい側はフェリー乗り場、その奥に瀬戸芸の作品が展示されています。
港の灯台跡地に巨大な立体作品を設置。設置以来、坂手港のシンボル・モニュメントとなっている。
小豆島 | 瀬戸内国際芸術祭2022より引用
日没後から23:30頃までライトアップを実施
2019年に来た際にはクルクルと回転していた気がするけれど、今回は止まっていました。
日時にもよるのでしょうかね。
すっかり坂手港のシンボルとして定着した感じがします。
動いていない方が写真は撮りやすかったのですが、作品としては動いていた方がよかったです。
小豆島でこれを見ると瀬戸芸にきたなあという気になります。
また次の機会まで、あるといいなあという気持ちになりました。
時間が夕方になっていたので、案内所も閉まっていました。
日中や週末であれば、また賑わいがあるのだろうと思います。
二十四の瞳映画村の作品と坂手港周辺の作品は屋外での展示が多いです。
観光で行かれた際には、立ち寄ってみてください。
坂手港は坂道があり、暑い時期だと大変でした。
行くのであれば春か秋の方が行きやすいかもしれません。
さて、次回は小豆島の最後、土庄港周辺のことを書く予定です。
瀬戸芸の作品の中では最も鑑賞が困難だった作品のことを書いておこうと思います。
もしよろしければご覧ください。
それでは、今日はこの辺で。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。