今回は 紫雲出山の遺跡館 について書いておこうと思います。
桜やアジサイの時期には、お花に目がいってしまいますが、そうでない時にはここから見る瀬戸内海が綺麗だなと思います。
紫雲出山から見える景色や、紫雲出山山頂にあるカフェ遺跡館からの眺望などにご興味のある方の参考になれば幸いです。
紫雲出山山頂展望台
紫雲出山の場所や駐車場のことは前回の紫雲出山アジサイロードを参考にしてください。
この記事はアジサイロードから、山頂展望台に着いたところから始めます。
普段は人が大勢いる紫雲出山山頂展望台ですが、この時には誰もいませんでした。
多少季節や天気に左右されますが、誰が見ても、何時見ても、瀬戸内海は大体同じように見られます。
北東側には、粟島や高見島など、瀬戸芸で行った島々が見えます。
粟島の砂浜が見えていたので、向こうから紫雲出山は見えただろうかと過去の写真を見てみました。
写真の真ん中の奥の少し下がったところでしょうかね。
粟島にいる時には、紫雲出山はこっちの方だろうか、なんてあまり思えなかったけれど、次に行く時にはもっとよく見てみたいと思います。
続いて北側は岡山の島々です。
真鍋島、北木島などがあるというこということですが、岡山県になるので、ほとんど馴染みはありません。
高見島や佐柳島、今は渡航自粛が呼びかけられているので、行けません。
また自由に行けるようになると良いですね。
桜の時期、この下はピンク色になるのですが、緑と青の景色もなかなか綺麗です。
同じく岡山側の島々になるので、馴染みはありません。
南西側には伊吹島。
もっと遠くが見える日には、愛媛の方まで見えると思います。
この方向に見える伊吹島からは紫雲出山が見えるだろうかと探していたら、ちょうど伊吹島の北側、北浦の方から山影が見えました。
突き出るような荘内半島の紫雲出山は、瀬戸内の島々から様な角度から見ることができるので、一つの目印になっていたのだろうと思います。
紫雲出山遺跡館
展望台から下に降りて行くと、階段の途中に「さぬき百景」の石碑がありました。
紫雲出山はさぬき百景の一つなのですね。
遺跡館という建物があって、昔は本当に遺跡の展示のみだった場所なのですが(20年以上前に何となく入った記憶がある)、今は人気のカフェになっています。
メニューの看板がありました。
食事ができるようなカフェではなくて、コーヒーとシフォンケーキ、という感じのカフェです。
周囲にもいろいろあるのですが、まずは中に入って行きますね。
わあ、ガラスの展望台みたいになっているのですね。
入口にお店の方がおられて、ここで注文するみたいです。
うどん屋さんのセルフ方式に慣れているかがわさんたちにとっては、何の違和感もないけれど、僕も一応「ここで注文するんですか?」と尋ねてしまいました。
先に席に座っていても「何か注文されますか?」なんて声かけてくれるけれど、はじめての方にはわかりにくいですよね。
先ほどの展望台から見た景色のうち、北東から北側の眺望がガラス越しに広がっています。
右から粟島、高見島、佐柳島、真鍋島、北木島くらいまで。
室内には、紫雲出山遺跡から出土した土器などが展示されていました。
これは20年前に来た時にも、置かれていたから、まさに「遺跡館」という感じ。
僕はこれを一度見ていたので、目新しい展示という感じではありませんでしたが、大規模な発掘調査をしたのだな、ということはわかります。
もう少し何と言うか、町の教育委員会が作った学習向けの展示館というスタイルだったと思います。
当時は小学生が遠足で見に来ますよ、という感じのつくりではなかったと思います。
カフェなのですが、銅鐸がありまして、これも良い音を響かせるのを何だか覚えていました。
他にもお客さんがいましたが、銅鐸を見て鳴らさない、という訳にもいきません。
思ったよりも甲高い「キーン」とか「カーン」という音がします。
鐘の音、こんな感じでジャランジャランと鳴らしていたのでしょうかね。
暫く待っていたら、注文したアイスコーヒーがきました。
飲み物、食べ物は取りに行かず、席まで運んでくれるスタイルです。
余程尋ねられることが多いのか、テーブルには島の名前の説明がありました。
アイスコーヒーを飲むうちに、前面の展望席が空いたので、そのうちに写真を撮りました。
何度も訪れている方や見飽きている方ならば、そんなものかと思うかもしれませんが、なかなか綺麗な瀬戸内の眺望です。
箱浦漁港が見えましたが、あの辺りの登山口から登ってくるのは、やはり大変だろうなあとここでも思いました。
このままずっとここにいても良いのですが、周りも見てみたいので、出ることにします。
最初に注文したところでお会計をしました。
次々お客さんが来ていたから、人気があるのでしょうね。
紫雲出山の遺跡館周辺
遺跡館には桜募金のポスターが貼ってありました。
遺跡館のカフェに比べてその周辺の遺跡に、皆さんがご興味が薄いのは知っていますが、僕は見ないわけにはいきません…。
かつてはこの説明版にあるように香川県指定の史跡でしたが、2019年に国指定史跡となりました。
紫雲出山遺跡 しゅうでやまいせき
紫雲出山遺跡 文化遺産オンラインより引用
集落跡 / 中国・四国
香川県
弥生時代中期~後期初頭
香川県三豊市
指定年月日:20191016
管理団体名:
史跡名勝天然記念物
弥生時代中期の高地性集落の性格や同時代の社会の評価に多大な影響を与えた学史上著名な遺跡。その立地や出土遺物は,弥生時代中期の高地性集落の性格や瀬戸内海を介した広域交流の在り方を考える上で極めて重要。
なるほど、弥生時代の遺跡なのですね。
僕がもう一つ注目したのは「しゅうでやま」という読み方です。
ほとんどが現在「しうでやま」で統一されてるのかな、と思っていましたが、史跡としては「しゅうでやま」と表記されているのですね。
なので、紫雲出山の読み方は「しうでやま」でも「しゅうでやま」でも大丈夫です。
ぼくもいろいろ香川県をまわってみましたが、こうした半地下構造の住居を再現したものは、もう一つ朝日山森林公園で見かけました。
紫雲出山と同じ三豊市に朝日山森林公園(ここも桜の名所)というところがあるのですが、そこにも弥生時代の住居があります。
三豊市の方では、かつてこうした半地下構造の住居を作ることが流行っていた時期があるのでしょうね。
弥生時代の住居に興味がある方は、是非三豊市を訪ねてほしいと思います。
すぐそばには、東四国国体の石碑もありました。
満濃池、とらまるてぶくろ体育館でも見かけましたが、当時は一大イベントだったのでしょうね。
紫雲出山遺跡を発見した郷土史家前田雄三氏を称える石碑もありました。
前田氏の功績があったから、今の紫雲出山があるのでしょうね。
遺跡館の隣には屋外に東屋がありました。
以前浦島太郎さんにお目にかかったのもこの辺りではなかったかと思います。
瀬戸内海国立公園80周年記念植樹の碑の向こうには、瀬戸内海の眺望が広がります。
遺跡館の反対側、西の方からは南側の眺望が開けていました。
手前には仁尾の市街地や大蔦島、奥には高屋神社のある稲積山が見えました。
こうして見ると、やはりこの辺りをぐるりと見渡せる海上交通の要衝だったのだろうなあと思います。
紫雲出山第二展望台
大体山頂展望台と遺跡館の周辺は見てまわったので、アジサイロードを抜け、第一駐車場へ降りて行きます。
まあ、特に僕以外には注目してる方はいないだろうけれど、紫雲出山は看板や説明版の宝庫でして、かつては変わったものがたくさんありました。
しかし、今回行ってみたら、ほとんどが新しいものに変わってしまっていました。
やはり多くの方が訪れるようになると、こうした案内板は新しくなるものなのですね。
こちらは遺跡館喫茶コーナーの営業時間などを案内している看板。
ここから徒歩7分とありますが、僕の印象だともう少しかかります。
これは少し驚いたのですが、香川だけでなく、四国には【四国のみち(四国自然歩道)】という登山道というか、散策路みたいなのがあるのですが、その看板が新しくなっている!
古い四国のみちの案内板しか知らなかったので、新しくすることもあるのですね。
イラストはかなり単純化して書いてあるので、もし歩いて登る方は、気を付けて行ってください。
まあ、もしかしたら国指定史跡になったことと無関係ではないのかもしれません。
しかし、10年くらい前には、それほど紫雲出山が素晴らしいなんて言う声は少なかったので、変われば変わるものだなあと思います。
駐車場から、この植え込みの中を歩いて少し登って行きます。
ここからの見晴らしはまた山頂とは違うので、何人かの方がおられました。
先ほどまでいた山頂展望台の方面です。
わあ、ここからの瀬戸内海の景色もまた、綺麗ですね。
おお、ここの看板も新しいものに変わっています。
以前のはもう今にも朽ち果ててしまいそうな看板でしたが、新しくなっていました。
先ほどの山頂展望台とは違う場所から眺めることになるので、少し眺望も違います。
南東側、詫間、三野、多度津、丸亀の海岸線が見えています。
ここからだと、粟島の向こう側に志々島も見えました。
ちょうど真下がフラワーパーク浦島の辺りになるのでしょうかね。
ここもずっと見ていたいところですが、この後ろ側も見てみます。
この奥にあるのは、遺跡か何かのようですが、よくわかりませんでした。
この手前には石碑があります。
香川進氏の顕彰碑の様です。
あめつちのひそけきふるさと緑なす
山あり島ありなつかしきかな
香川進
歌人の香川進さんは多度津町のご出身なのですね。
ここから見下ろすと多度津の方も見えるから、この歌碑はいい場所にありますね。
他にも山口誓子の句碑があるらしいのですが、僕は今回も見つけられませんでした。
まあ、また今度探してみようと思います。
本当はもう一つ先の第二駐車場に、第三展望台があって、いつも言ってみたいなあと思っているのですが、今回も行けませんでした。
やはり最初に行かないと、なかなか後からは行けないものですね。
また次に来る時の楽しみを残しながら、紫雲出山をあとにしました。
アジサイは終わってしまっていますが、桜の時期よりも人が少なくて、自由に見られるので、お勧めです。
また、花の時期でなくても、晴れていれば綺麗な瀬戸内海が見られるから、もしお近くに来られた際には、立ち寄ってみてください。
それでは、今日はこの辺で。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。