さて、前回の城岬公園に続き、今回は 庵治やすらぎの道の彫刻 について書いてみたいと思います。
そもそも庵治に「やすらぎの道」なんてあっただろうか、と思うかもしれませんが、ありました。
そこと庵治支所周辺には、約20もの彫刻作品が並んでいました。
庵治やすらぎの道の彫刻や、庵治支所のことなんかにご興味のある方の参考になれば幸いです。
目次
- やすらぎの道の場所
- ① 空間のメビウス 牛尾啓三
- ② 生きる 空充秋
- ③ SPATIAL CONSTRUCTURE エーニオ・イオンミ
- ④ 古にはひとつ、これからもひとつ 全國光
- ⑤ ふれ愛
- ⑥ 我、浮上する者 近藤隆
- ⑦ 十六日月の下に 佐々木至
- ⑧ 潮風の積層 佐光庸行
- ⑨ ARIRANG 朴賛甲
- 庵治やすらぎの道の記念碑
- ⑩ 陽の華 長谷川八兄
- ⑪ 太郎 居上真人
- ⑫ 石のうた 田中江里
- ⑬ LANDSCAPE 湯村光
- ⑭ 初夏の海、山、白い雲 北島一夫
- ⑮ SNAKE ナグジ・パテル
- 庵治支所の彫刻
- マケット①
- マケット②
- 建物
庵治やすらぎの道の彫刻 の場所
「やすらぎの道」と言われても、ぴんと来る人の方が少ないのでは、と思います。
僕も実際にその場所に行くまで、その道が「やすらぎの道」だったというのは知りませんでした。
高松市屋島の東、庵治町にあります。
僕はその前に城岬公園に行ったので、そこからだと、道路の反対側から北に緑道公園がありました。
ちょうど道の向かい側です。
歩道の奥が芝生で覆われていて、そこに彫刻が展示されています。
1kmくらいあるのではないだろうか、というやすらぎの道。
一つずつ見て行きますね。
特にここやすらぎの道の彫刻には順番はないのですが、僕が見て行った南から順番に番号を振っておきます。
庵治やすらぎの道の彫刻①
空間のメビウス 牛尾啓三
まずは、一番南側の作品から見て行きます。
この道のその周囲には石材加工の会社や工場が立ち並んでいるので、どこからが始まりかわかりにくいのですが、恐らくここからです。
牛尾啓三氏の空間のメビウス。
どこかで見たことがあるような、と思っていたら、この東にあるあじ竜王山に作品がありました。
「メビウス」のところが印象に残っていたのでしょうね。
その隣には高さのある大きな彫刻。
庵治やすらぎの道の彫刻②
生きる 空充秋
同じ空充秋氏の作品が牟礼総合センターの前にもあります。
こんな感じで、誰も気に留めることもなく展示されているのですが、近くで見るとなかなかすごい迫力です。
無造作に石が置かれていますが、こんな光景がここからしばらく続きます。
歩いていても、奥から石を切る音や、サイレンのような音が聞こえてきます。
庵治やすらぎの道の彫刻③
SPATIAL CONSTRUCTURE エーニオ・イオンミ
SPATIAL CONSTRUCTURE Enio Iommiさんというアルゼンチンの作家の方の作品です。
どうやって作ったのだろうと思うほど前衛的な作品です。
こういう感じのはあんまり見たことがありません。
庵治やすらぎの道の彫刻④
古にはひとつ、これからもひとつ 全國光
庵治緑道公園やすらぎの道には、こんな感じでずらりと彫刻が並んでいますので、続けて見て行きますね。
上の写真では、左から車道、歩道、芝生の緑道公園となっています。
全國光氏「古にはひとつ、これからもひとつ」。
硬い石のはずでが、折りたたまれているような印象です。
一つ一つの彫刻の間には10~20mくらいの距離があります。
やすらぎの道彫刻⑤
ふれ愛
「ふれ愛」制作協力:庵治石工団地協同組合青年部とあります。
やすらぎの道彫刻⑥
我、浮上する者 近藤隆
近藤隆氏「我、浮上する者」。
確かに何かが地面から浮上する感じです。
やすらぎの道彫刻⑦
十六日月の下に 佐々木至
続いては佐々木至氏「十六日月の下に」というプレートがありました。
プレートがあるものとないものがありました。
佐光庸行氏「潮風の積層」。
やすらぎの道彫刻⑧
潮風の積層 佐光庸行
薄く緩やかなカーブが重なったのは、どこかで見たような…、
この方の作品もあじ竜王山公園にありました。
やすらぎの道彫刻⑨
ARIRANG 朴賛甲
そして、この奥には朴賛甲氏の「ARIRANG」。
なかなか写真ではわかりにくいのですが、表面に横縞の模様が刻まれています。
庵治やすらぎの道の記念碑
やすらぎの道は緑道公園になっていますが、時折道路があるので、横断する際には注意してください。
この日は歩道の修繕なのか、工事もされていました。
道路を超え、一つブロックが違うところに着きました。
「庵治小学校入学記念児童作品広場」とあります。
かつて小学校に入る際に、作ったのでしょうね。
記念碑のそばに看板がありました。
緑道公園(やすらぎの道)
総延長:600m
モニュメント16基
小学校記念碑31個
高松市公園緑地課と管理事務所の電話番号が掲載されていました。
少し古いものだったので、昔立てたものをそのまま利用しているのでしょうね。
全体は600mよりも長いような気もします。
やすらぎの道彫刻⑩
陽の華 長谷川八兄
記念碑の広場を抜けると、長谷川八兄氏の作品がありました。
実はこの作品の前にはプレートがあって、「石の音」と記されています。
いくつかのサイトやブログを拝見したのですが、作品名は「陽の華」となっているので、どちらが正しいのか…。
この後に訪れる庵治支所の窓口で「作品名はわかりますか?」と尋ねたのですが、「わからない」とのこと。
結構月日が経つうちに、作品の入れ替わりもあるので、なかなか全部のプレートはそろっていないのだそうです。
窓口の方が「牟礼のマルナカの近くにある石材加工組合に聞けばわかるかも」と教えてくれたので、讃岐石材加工協同組合に問い合わせてみました。
すると、やはり作品名は「陽の華」が正しく、プレートが違っているとのことでした。
ひとまず、正しい作品名がわかってよかったです。
やすらぎの道彫刻⑪
太郎 居上真人
先ほどの小学校の記念碑そばには「象」がいましたが、こちらは恐らく牛です。
居上真人氏の「太郎」という名の作品で、牛の名が「太郎」だったのでしょうかね。
結構表面が滑らかで、すべすべでしたので、触れたくなりますよね。
八栗ライオンズクラブの結成15周年の記念碑や、
庵治庁舎新築記念碑がありました。
ちょうどこの向かい側が庵治支所(旧庵治町役場)なので、その向かいに記念碑を建てたのですね。
やすらぎの道彫刻⑫
石のうた 田中江里
記念碑コーナーを過ぎると田中江里氏の「石のうた」。
やすらぎの道彫刻⑬
LANDSCAPE 湯村光
湯村光氏の「LANDSCAPE」
この下のモニュメントは歌碑だと思うのですが、これは石彫作品だろうか、としばらく考えてしまいました。
ちょっとした広場もありますので、散歩をするには良い場所ですね。
やすらぎの道彫刻⑭
初夏の海、山、白い雲 北島一夫
北島一夫氏の「初夏の海、山、白い雲」。
海、山、雲、というのは、何となくこの場所に来ればそうだろうなあ、という感じがします。
やすらぎの道彫刻⑮
SNAKE ナグジ・パテル
最後はナグジ・パテル氏の「SNAKE」。
ナグジ・パテルさんはインドのアーティストの方なのですね。
独特な形なので、一度見たら印象に残ります。
さて、ここまでずらりと庵治やすらぎの道の彫刻を眺めてきました。
僕が見落としていなければ、この緑道沿いには2021年12月現在、15基の彫刻が展示されていました。
看板には「16基」とあったのですが、もしかしたら庵治竜王山公園に移設された速水史朗氏の「出会いの門」がカウントされているのかもしれません。
以前はこのやすらぎの道に展示されていたようです。
庵治やすらぎの道の彫刻 、こうしてみると多くの作品が展示されていて、面白い公園でした。
一応この辺かな、と思う場所を地図にしたので、よろしければご覧ください。
向かいにある、庵治支所も見てみたいので、もう少し記事が続きます。
庵治支所の彫刻
やすらぎの道の反対側には、庵治支所があります。
なかなか綺麗な庁舎で、一度見てみたかったのですよね。
〈施設紹介〉
高松市庵治支所 | 源平の里アートビレッジ〔庵治・牟礼・屋島〕より引用
平成8年春に完成した高松市庵治支所は、第47回芸術選奨の新人賞を受賞した村上徹氏によって設計されました。庵治の産品でもある石材とガラスを使った個性的な建物からは、海越しに屋島や五剣山が見渡せ、夕焼けの眺めはまさに絶景。親しみやすくゆとりある空間は、地元の人にも愛される人気の癒しスポットです。
〒761-0187 香川県高松市庵治町6393-5
tel 087-871-3111
入館料 : 無料
開館時間 : 8:30~17:15
駐車場 : 100台あり
エントランスには大きな彫刻がありました。
髙岡典男氏の「2000年の華」
髙岡典男さんもあじ竜王山公園に作品があります。
あじ竜王山公園の「LOVEING A CUBE」でした。
庵治支所の彫刻 マケット①
周囲には彫刻の模型、マケットがいくつかありました。
先ほど見た城岬公園にあった竹内淑浩氏の「空間の記憶」のマケット、
同じく城岬公園の宮地豊氏「石の事」のマケットがありました。
城岬公園では地上に設置してあったので、印象が違う伊藤正人氏の「合掌」。
これまでのコンクールの受賞作品なのでしょうかね。
向かいのやすらぎの道にあった近藤隆氏の「我、浮上する者」のマケットもありました。
「翔」と記された作品は三枝惣太郎氏の作品なのだそうです。
似たようなモニュメントを高松でいくつか見かけました。
仏生山公園の平和の礎も三枝氏のものだそうです。
庵治支所の彫刻 マケット②
横にまわると、野崎窮市の「豊石」。
野崎窮氏の名前もどこかで拝見したような、と思っていたらうずしおロマンチック海道でした。
何処かで見たことをなかなか思い出せないけれど、こうして記事にしていると探してくれるので、頼もしいところです。
櫻井壽人氏の「光と風のボルダリングストーン ‘97-2」のマケット。
実物は庵治中学校にあるらしいのですが、「ボルダリングストーン」もどこかで聞いた気がします。
そうそう、これもあじ竜王山公園にありました。
同じ作者だったのですね。
そんなに何か熱心に探している訳でもないのですが、香川県内でも牟礼や庵治と同じようにたくさん展示されている場所はないので、なかなか面白いところです。
庵治支所の建物
もちろん建築物に興味がある方と、そうでない方がいるかもしれませんが、僕はどちらでもよい方です。
しかし、はじめて訪れたので、なかなか素敵な建物なのだなあと感心しました。
村上徹さんという方が設計された建物だそうです。
僕が訪れた時には(いや、いつだってそうかもしれませんが)、誰もいなくて、陽ざしがガラスを照らし、地面を照らしていました。
旧町の役場だったのですが、記念碑を作りたくなる気持ちもわかります。
突き出たスロープの下は花壇になっていましたので、季節が良い時にはあじさいの花が咲いているのでしょうね。
彫刻だけでなく、建物も魅力的だったのだなあと思います。
城岬公園からはじまり、庵治やすらぎの道の彫刻、庵治支所となかなか面白い場所でした。
いつでも見ることができるので、近くに来られた際には是非立ち寄ってみてください。
それでは、今日はこの辺で。