オハネフの宿まで歩くというタイトルにしてみましたが、僕は車で雲辺寺ロープウェイ山麓駐車場まで行き、そこから歩いています。
先にお伝えすると、オハネフの宿や雲辺寺ロープウェイは車で行く観光地で、公共交通機関で行くことはおすすめしません。もし車が利用できない場合、最寄り駅(豊浜か観音寺)からタクシーで来ることをおすすめします。
しかし、オハネフの宿には鉄道やバス、歩きでも行けるのではという方、あるいは歩き遍路で雲辺寺山麓を目指す方(今回実際出会った)など、歩いて行く方に今回の記事が参考になれば幸いです。
もう一度最初にお伝えすると、車かタクシーで行くのが無難で、おすすめです。
目次
- オハネフの宿へは歩いて行けるの?
- オハネフの宿から雲辺寺ケ原史跡広場
- ひうち荘から瀧宮神社まで
- 瀧宮神社から谷上(教育センター)
- 五郷からオハネフの宿まで歩く
- 瀧宮神社から内野々集落センター、三部神社へ
- 竹藪に覆われた道
- ひうち荘からオハネフの宿まで歩く
- 四国遍路の駅オハネフの宿はブルートレイン
オハネフの宿へは歩いて行けるの?
まず普段は場所から見ていくのですが、オハネフの宿へは、そもそも歩いて行けるのか、というところから始めたいと思います。
今回僕が、岸井うどんでうどんを待つ間に岸井さん(オハネフの宿のご主人)とお話している時
「下からバスで歩いてきた人もおるよ、2キロくらい」
と言っておられたことが、今回の記事を書こうと思ったきっかけです。
ひぇー、歩いて来れるとは聞いていましたが、本当に歩いて来た方がいるとは、驚きです。(抜け蔵さんの「24系25形 四国遍路の駅「オハネフの宿」 「内野々集落センター」バス停からの徒歩ルート」だと思う)
でも2㎞位なら行けるかも、なんて考えてしまったのが、はじまりです。
調べてみると、観音寺駅や豊浜駅から、五郷地区の「谷上(教育センター)」というバス停までは、観音寺のりあいバスが来ているようです。
僕はこの辺りは何度か来ていまして、なぜならそれは、「豊稔池ダム」へと続く道だからです。
今年も9月に立ち寄りました。
なるほど、あの道まで行けば、バスがあるのだな、という方向や距離感はわかるのですが、その道がどういう道なのかはよくわかりません…。
まあ、行けば何とかなるだろう、と気楽に考え(そう考えないと進めない)、歩いて行ってみることにしました。
オハネフの宿から雲辺寺ケ原史跡広場
ルートは幾通りかあったのですが、できるだけ車が通れるような開けている道を通りたいです。
イノシシや蜘蛛の巣を払いながら、という感じではないように歩きたいところです。
まあ、他の方は駅からスタートするのだろうけれど、僕は雲辺寺の駐車場に車を停めて歩きました。
ちょうど下りながら西の方向へ進むルートです。
まずは車の往来も多い雲辺寺ケ原史跡広場まで行ってみます。
先が見えると、距離感がわかるのですが、ここからは見えませんでした。
少し歩くと雲辺寺ケ原史跡広場が見えてきます。
このT字路を写真の左へ曲がっていきます。
まあ、でもせっかく来ているから史跡広場も見ていきます。(ちょっと見てみたかった)
なるほど、善通寺に駐屯していた第十一師団の山砲射撃場の跡なのですね。
雲辺寺の山麓まで来て、砲撃の訓練をしていたのですね。
大きな史跡なので、道の目印になると思います。
そこから左へ曲がると、緩やかな下り坂が続きます。
僕が歩くたびに、ぽちょんと水の音がするので、何だろうと思ったら大きなカエルが逃げていく音でした。
史跡広場から坂を下ると、オレンジ色の屋根の少し大きい建物が見えてきます。
大きな建物は介護施設です。「燧灘」が見えるから、「ひうち荘」と名付けられたのだと思います。
五郷から歩く方は、まずこの「ひうち荘」を目指すとわかりやすいかと思います。
大きな看板がいくつもあるし、ここを目指して車の往来もあります。
振り返ると、雲辺寺の山頂が見えました。
このひうち荘の前にT字路があって、左に下る道と直進する道があります。
何となく近いのは左の道なのですが、ちょっと木々が生い茂っている感じがありまして…
少し行って引き返してきました。(帰りにはここを通りました)
人通りがなくて、車も通らない道は、イノシシなどの野生動物との遭遇の危険があるので、一人では出来るだけ通らないようにしています。
ひうち荘から瀧宮神社まで
ひうち荘から下る道は、幅も広く、2、3台車が通りました。
民家もあるので、こちらは安心な道です。
途中で牛舎が見えてきました。
「モオォ!」という声が聞こえてきました。
時々こうして振り返って確かめるのですが、雲辺寺の山頂は見えるけれど、山麓は見られませんでした。
大体あの辺かな、という想像はできるのだけれど、木々に覆われて見通すことができません。
このカーブを曲がると、今度は鶏舎が見えてきました。
結構大きな鶏舎で、中ではお仕事している方もおられました。
通りすがりですが、人の気配を感じられるというのは、大事なことだなあと思います。
鶏舎を過ぎた頃、五郷の街が眼下に見えてきました。
眼下に見えるということは、ここからは坂です。
下に見える道路を行くので、結構急な坂でした。
下りは良いけれど、上りは大変かも…
坂を下っていくと、遠くに海、燧灘が見えてきました。
徐々に下って来ているので、雲辺寺ロープウェイ山麓駅ほどではないのですが、海を見ると嬉しくなってしまいます。
この先のT字路を左へ行くと瀧宮神社です。
建物の向こう側にこんもりとした社叢がありますが、ここが瀧宮神社です。
ここまでくれば、後は集落の平坦な道が続きます。
瀧宮神社から谷上(教育センター)
瀧宮神社からは、そんなに難しい道はないのだけれど、一応詳しく書いておきますね。
googlmapでは「五郷活性化センター」となっているのですが、バス停の名は「谷上(教育センター)」なので、その名称を使います。実際にはどちらも同じ場所です。
瀧宮神社の西側には、柞田川という川が流れていまして、「豊稔池のゆる抜き」の水が、ここに流れ、井関池を潤します。
なので、僕はこの辺に何度か訪れたことがあり、はじめてではない道でした。
そしてここは川なので、橋が神社の西にかけられています。
もう一つは上流なので、結局多くの方がこの橋を通ることになると思います。
五郷分団の屯所、
自治会の集会所などを過ぎ、
天理教の大きな協会が見えると、香川県道・徳島県道8号観音寺佐野線という比較的大きな道路に出ます。
僕は知らなかったのですが、ここにもバス停があり「五郷井関(ごごういせき)」というバス停になっていました。
わかる方は、ここで乗り降りしてもよいかと思います。
後でも出てきますが「ピンクのひうち荘の看板」があり目立つので、これを辿ってもよいかと思います。
県道を今度は山側、南へ歩きます。
遠回りだな、という気もしますが、一番わかりやすく歩きやすい道だと思います。
この辺りはいつも僕は車で通り、「ゆる抜きが始まっていないか、終わっていないか」と心配しながら走る道です。
実際に歩くのははじめてかもしれません。
一度来てみたかった旧JAの建物です。
ニュースでJAが退去した後、地域活性化に利用するというのを聞きました。
「ふれあいの場・五郷おるで」というのですね。
催し物は「ハーモニカの演奏会」だそうです。いろいろイベントがあるのですね。
先ほど下ってきた坂が見えました。
ムムム、もう一度あそこを上るということは、あんまり考えたくないところ…
もしかしたら違うかもしれませんが、一瞬だけロープウェイ山麓駅の駐車場の建物が見えた気がします。(下の写真真ん中よりやや左)
約4km、この位の距離感なら歩けるよ、という方向けです。
先に行くと、教育センター(五郷活性化センター、旧五郷小学校)が見えてきました。
この地域では、最も大きくて目立つ建物ですので、これを目印に来るとわかりやすいと思います。
そしてこちらが観音寺のりあいバス、谷上教育センターのバス停です。
いやあ、このバス停を撮るために歩いて来たようなものですから、本当に来られてよかったです。
この先は、豊稔池へと繋がって行く道です。
こちらの「夢ハウス山里」にはしげちゃんさんというブロガーの方がいまして、何度かコメントいただいたことがあります。
五郷地区について、最も詳しく発信されているのはしげちゃんさんです。
僕もこの記事を核にあたり、なんども検索で出てきました。
よかったらご覧になってみてください。
(ちょっと前を通ってみたのですが、誰もおられなかった…また今度)
バス停に戻ると、大きなリュックを背負った男性がおられました。
年は僕より少し上くらいで、何と海外からのお客さんでした。
「OHENRO,UNPENJI?」
「Yes, very tired」
「Wow,same」
「It’s very high」
「Do you take the bus?」
すると、バス停の13:05を指さしました。
まだ1時間弱あるのだけれど…
「Have a nice trip」
「Thnak you」
なるほど、僕はオハネフの宿に来る方のことばかり想像していましたが、お遍路のためにバスを利用する方がいるのですね。
正直に言うと、こんなところまで?と、とても驚きましたが、よく調べて来られているのですね。
五郷からオハネフの宿まで歩く
僕は雲辺寺山麓の駐車場から歩いて来たので、今度は戻らないといけません。
僕はこの道が一番安全と思って通ったけれど、もう一つ集落を通る道があるようなので、帰りにはそこを通ってみたいと思います。
先ほどは県道沿いを歩いたので、今度は柞田川沿いを歩いてみます。
川なので、向こう岸に渡るには橋を通る必要がありますが、瀧宮神社のところ以外には、その上流に行かないと渡れません。
そちらの方が近いけれど、ちょっと心細い道だったので、遠回りだけれど下流の瀧宮神社まで戻ります。
瀧宮神社から内野々集落センター、三部神社へ
瀧宮神社の森、確かに立派ですね。
五郷からオハネフ宿まで歩いて行く途中には、「ひうち荘」の看板が見えるので、これに従って行くと行きやすいです。
ここにも看板がある!と思ってよくよく見ると…、
おお、お遍路さんとロープウェイのイラスト、そして「2.9㎞」という表示がありました。
なるほど、やはりこの道はお遍路さんやロープウェイの利用者にとって必要があって、この看板を見ながら歩けばオハネフの宿まで歩けるということですね。
しかし、僕が先ほど歩いて来た「ひうち荘」とは逆の方向を示しています。
一台、また一台と車がそちらに行ったから、この道は車も行ける道だろう、と行ってみることにしました。
ちょうどその近くの会社の駐車場に自販機があって、飲み物を買いました。
ここから山麓駅まで他に自販機見当たらなかったから、もし道中の飲み物が欲しい方かここで調達してください。
郵便を配達するバイクが一台行き、戻ってきました。
先ほどの鶏舎へ上る坂道に比べれれば、こちらは緩やかな上り坂です。
距離はあるけれど、歩く分には上りやすかったです。
カーブを過ぎると、家がいくつも見えてきました。
何だか安心しますね。
ところどころこのマークが表示されていますので、わかりやすいです。
そして、見つけました観音寺のりあいバスのバス停。
「内野々(うちのの)集落センター」です。
その前には内野々集落センターの建物がありました。
なんだ、随分近い場所にバス停があるじゃないか、と思うかもしれません。
そして、このバス停を紹介されている記事もありましたが、このバス停は一日に一便なのです。
先ほど見て来た「谷上教育センター」や「五郷井関」は一日4便ありますが、「内野々集落センター」は10:20に観音寺駅に行き、15:40に戻って来る便のみです。
もしオハネフの宿に一泊するのでなければ、このバス停はおすすめしません。
泊まるのであれば、夕方について、翌朝帰ることは可能です。
もう一つ加えると観音寺乗り合いバス「運休は、日曜日と、12月29日から1月3日までの間です」とあるので、日曜日は運行しません。
そう考えると、なかなか行きにくいよなあ、と思うけれど、海外のお遍路の方は来ていましたから、時間がり、お財布や環境に優しいこのルートに、ご興味がある方は利用してみてください。
この先に大きな社叢が見えました。大きな神社があるのだろうなというのが遠くから見てもわかります。
「三部(さんぶ)神社」というのですね。
本当はゆっくりお参りして、中を拝見したいけれどさすがにちょっと疲れてきたので、先に進みます。
ここから雲辺寺の方面を見ると、実際には山麓駅は見えないけれど、何となくあの辺りでは、というような感じがわかります。
緩い上り坂を上がって行くと、またお遍路の道案内マークがありました。
僕はてっきりこのまま道を直進と思っていたのですが、ここを左へ行くように矢印が出ていました。
ちょっと立ち止まりgooglemapで確認すると…
わあ、やはり先ほど行くのをやめた「ひうち荘から下る道」に行くようですね。
地図を見ると、直進しても、曲がっても行けるけれど、心細い道を通ることに変わりはない模様です。
それなら、矢印を信じて行ってみようかと思います。
竹藪に覆われた道
まずまず道幅もあるし、地元の方は慣れているし、車で行くことも多いからそうでもないかもしれませんが、この道が一番注意するべき道です。
ここから見えているカーブまでは大丈夫。
この辺りから人里を離れ、山に入って行くような感覚があります。
先ほどの牛舎、鶏舎の道は、道路沿いにそれぞれ人の気配があったので、そんな風に思わなかったけれど、ここは人の気配がありません。
ムムム、しかし、お遍路マークはこちらへ行け、と方向を指しています。
ムムム、これは大丈夫だろうか…
もう先が暗くなっていて、野生の感じが伝わってきます。
いや、そんなに強調して書くほど危険なことはないのですよ。
僕も何もなかった。
しかし、いきなり人里から歩いて行って、こういう道になると、ちょっと「ううう」となります。
僕はスマホを取り出し、なるべく元気のよい曲を大きな音量で流すことにしました。
せっかくなので、コルトレーンのブルートレイン。
車の一台でも通ってくれればよいのだけれど…
僕が歩くと、コルトレーンのトランペットが鳴るので、森の奥からカサコソと音がしてきます。
まあ、よく考えれば、これが自然の状態で、そこにのこのこやってきたのは僕の方ですよね。
先のカーブを曲がると、ひうち荘が見えてきました。
いやあ、この200mくらいは少し緊張しましたが、それ以外は大丈夫です。
ひうち荘からオハネフの宿まで歩く
来るときには気が付かなかったけれど、ひうち荘まで来たら、残りは約1㎞です。
ここからは通った道なので、と歩きはじめますが、ここの上り坂が何だか一番きつかったです。
これと言って急でもないし、綺麗に舗装された道なのですが、下りより何となく長い…
しかし、しばし立ち止まり雲辺寺山頂を見上げると、まあ、あそこまで行くわけではないのだから、という気持ちになります。
よく晴れていたから、気持ちがよいというより暑いほど。
雲辺寺ケ原史跡広場が見えてきました!
ここが最後のお遍路マークで、ここから約500m、もう一息です。
ロープウェイ山麓駅のブルーの屋根が見えると、何だか安心しますね。
他の場所では見られなかったので、ここまで来ると到着が見えてきます。
雲辺寺山麓駐車場に到着です!
ちょうど13時半頃、少し遅めのお昼を食べに来ている方がいました。
ああ、この感じだと、すぐに人気がでるなあ、という感じ。
四国遍路の駅オハネフの宿はブルートレイン
このままこの記事を終えても良いのだけれど、せっかくだからブルートレインも見ていこうと思います。(本当は僕もとても見たい)
結局二日に渡って行きましたので、二日分あります。
おおむね晴れでしたが、雲の感じとか光の加減とか少し違うのはご了承ください。
岸井さんが「今は幕を富士にしてる」と言っていましたが、本当だ、「なは」が「富士」になっていました。
これはこれで良い雰囲気ですね。
隣は瀬戸。
お土産うどんのパッケージにも使われていましたが、夜になると星がきれいなんだそうです。
流星群とか見えるんだって。
夜行列車、銀河鉄道みたいに、山に向かって線路風のレーザーライト当ててライトアップ出来たら、と岸井さんは言ってました。
いろいろ夢が広がりますね。
少し遠いところにあるけれど、歩いても来れないことはないことがわかったので、もしご興味のある方はぜひ訪れてみてください。
岸井うどんは火曜日が定休日、観音寺のりあいバスは日曜運休ですので、お忘れなく。
それでは、今日はこの辺で。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。