北斎展に続いて 岡山県立美術館 高畑勲展 に行ったお話を書いておこうと思います。
本当は会期がもう少しあると勘違いしていて、会期末の週末に行ってきました。
もちろんそんなに気にする必要もないのかもしれませんが、未だに香川県ではコロナ感染者が出るたびに「2週間以内の海外渡航、県外滞在歴なし」なんて発表をしていますので、まるで海外や県外に出かけたらコロナになってしまうのではないか、という印象の発表が続いています。
もう海外でも、県外でも、県内でも、なるものはなるで良いのでは、という気もしますが、興味本位以外ないこの行動履歴の発表をいつまで続けるのでしょうね。
まあ、そうは言っても、僕もそれで万が一そうなってしまったら、「県外滞在、美術館に訪問し作品鑑賞」なんて発表されてしまうのは嫌なので、2週間経過した後に書いておくことにします。
もう終わってしまったけれど、 岡山県立美術館 高畑勲展 のことなんかに、もしご興味がおありでしたら、どうぞお読みください。
岡山県立美術館 高畑勲展
まずは場所から見て行きますね。
純粋に新幹線の乗り継ぎとかで高松駅から岡山駅へ行くのであれば、JR瀬戸大橋線マリンライナーが50分くらいで一番早いです。
景色も良いし、僕一人であればマリンライナーに乗る予定でした。
しかし、奥さんも一緒に行くというので、車で行くことにしました。
それで高松市内から岡山市内への道を調べてみると、案外時間がかかって、1.5時間ほどかかるようです。(実際にはもっとかかる)
週末なので、前の週に引き続き、交通量が多めでした。
高松中央から早島までは、さーっと走るのですが、インターを下りてからは少し渋滞していました。
後からまた書くけれど、この美術展は時間の予約制になっていまして、時間を15分過ぎると予約が無効となる仕組みとなっていましたので、少し慌てます。
北側の高速を通るルートも示されましたが、何だか遠回りの感じがああったので、計画した通りの道を行きました。
もう一つ岡山の中心部へ行く時に気を付けなければいけないのは、路面電車です。
広島、高知、松山、岡山の中四国の都市には、路面電車が走っていますので、出来れば右折をあまりしたくない気持ちがあります。(もちろん慣れていれば何でもないのだが)
これは個人的な気持ちですが、「路面電車の走らない道で最後に右折して駐車場へ」という道を選びました。
交通量の多い道でしたが、1時間40分ほどで到着です。市営天神町駐車場というところに停めました。
岡山県立美術館へは歩いて2、3分でした。
まあ、割とどうでもよいことですが、少し高畑勲展に触れておくと、本来は4月頃に見に来る予定にしていました。
昨年東京国立近代美術館で開催されていて、その後出身地である岡山で開催するというのを、楽しみにしていました。
その後コロナの時期と丁度重なってしまって、最初は延期してやるかも、とCM流れてましたが、延び延びになって、結局夏休みに始まりました。
本当は子どもと行く予定を立てていたのですが、「不要不急の県外移動は要検討」が9月半ばまで続いていましたので、結局会期の最終盤になってしまいました。
(※この後結局翌年2021年4月に福岡市美術館でも開催されることが決まりました。)
いよいよ会期も残りわずか、となったところで、行かねばと準備をします。
必要なのは鑑賞券と、日時を指定した入場予約チケットでした。
日時の指定予約は公式サイトからすぐにできたのですが、肝心の鑑賞券が手に入りません。
コンビニで発券しているという案内だったので、ローソンとセブンに行って操作しますが、いずれも「該当番号なし」となります。
これはまずいと、直接美術館に電話したら、
「今週末はコンビニ発券中止しましたので、鑑賞券は美術館でお買い求めください」
とのことでした。
そうか、発券・購入したけれど入れないというのを防ぐためですね。
いやあ、そんなに混んでいるのか、と思いながら行ってみます。
美術館のエントランスには、行列が出来ていたりすることはなくて、むしろ開いているのだろうか、という程閑散としていました。
入口で、鑑賞券をお持ちでない方はこちらです、と案内され窓口で購入できました。
僕は午前中の最期の方でしたが、この日はもう午後2時頃まで空きはなかったです。
地下での展示になっているため、階段で降りて行きます。
そうしてら、驚いたことに、入場の為の列が出来ていました。
そんなに長いものではなかったけれど、時間ごとに列が区切られていて、グループごとに少しずつ入る感じです。
僕らが並んで列には、前に4~5組ほどの方がいて、一定の感覚で中に入っているようでした。
なるほど、こうやって中の混雑を防いでいるのだな、と思って中に入ると、美術館の中はさらにすごい行列でした…。
中は撮影が禁止なので、さらりと内容を紹介していくと、「やぶにらみの暴君」を見てアニメで様々な表現が出来る時が付き、その後「安寿と厨子王丸」や「わんぱく王子の大蛇退治」などの制作に関わった、という資料が展示されていました。
「太陽の王子ホルス」の原画や背景などは、綺麗に保存されていて、岩男や氷のマンモスのスケッチがありました。
面白いなあと思ったのは、登場人物の「テンション・チャート」と呼ばれる表があって、この場面では高揚、次では抑え目に、というのが一目でわかるようになっていました。
パンダコパンダ、ハイジ、母を訪ねて三千里、赤毛のアンと続いて行きます。
赤毛のアンは数年前に近藤喜文展でも同じような原画がありました。
馬車で空を駆け巡るオープニングの最期にアンの横顔が出てくるところがあるのですが、The Lake of Shining Watersと書かれた資料があって、やっぱりこれ輝く湖水だったんだ、とじっくり見てしまいました。
こんな感じでここまで約1時間ほど僕はじっくり他の方とも歩調をあわせながら見ていったのですが、このペースでは、全部見るのに何時間もかかってしまいます。
実際にホルスの辺りから、奥さんは自分の興味のある方へ行ってしまいました。
途中に撮影コーナーがあって、ハイジのジオラマがありました。
撮影OKのところでは、皆さんスマホで写真を撮られていました。
タイミングにもよるだろうけれど、終始館内はこんな感じでした。
下からペーター、上にはハイジと薪割りするおじいさん。
奥行きを感じられる背景になっていて、この先にはドーラ一家が潜んでいてラピュタの宝を探しているに違いないところ。
じゃりン子ちえ、僕は見ていなかったけど、奥さんは見ていたそうです。
火垂るの墓はトトロの同時上映で一度見ただけで、今も可哀そうで見てられないので、パスです。(実際そのコーナーに人は少なかった…)
この辺りからジブリの作品になってきます。
学生の頃に見た時には、何だかよくわからないなというところもあったけれど、大人になってから視ると、本当にジーンときますね。
僕は勘違いしていて、1991年当時と昔の場面と思っていたのですが、1982年と1966年を行ったり来たりしているのですね。
当時は柳葉敏郎と今井美樹が似ているかそうでないか、みたいなことばっかり気になってしまっていましたが、リアルな82年とファンタジーの66年の対比を公開から30年近く経った2020年に見ているのが、とても不思議な感覚でした。
背景男鹿さんの描き方も、こんなに違ったのか、と驚いてしまい、紅花畑のクリアファイル買っちゃいました。
かぐや姫の物語
ぽんぽこ、山田君も好きだけれど、何となく時間が気になりだして、最後のコーナーへ。
先月だったか、ジブリは「常識の範囲で自由にお使いください」と画像の提供を始めました。
第一弾の中にかぐや姫の物語が入っていました。
確か、最初は風立ちぬと同時に公開予定だったのですが、結局延期になって、2013年の秋に公開されたと思います。
オープニングのこの場面を見て、淡い雰囲気で綺麗な場面だけれど、このまま最後までこんな感じってことはないのだろうなあなんて思いながら見始めました。
そしてら、結構そのままの感じで物語が進むではありませんか。
これすごいなあ、このままの線で動くのだろうか、と思っていたら、かぐや姫がコロコロ転がったりしています。
あんまり比較対象にはならないかもしれないけれど、その前に観た北斎の線もこんな感じでした。
赤毛のアンのところでも、アンが成長していく姿が印象的でしたが、かぐやも短い時間の中で、どんどん別人になっていくところも凄かったです。
ちょうどのこのシーンの解説があって、何枚もの原画が置かれていました。
劇中では、本当に短い時間ですが、これを一枚ずつ書いたのかと思うと、言葉が出ません。
この花見の桜のシーンも凄いのですが、今回見ていて気が付いたのは、髪の毛の1本1本が描かれているところです。
かぐや姫がくるくると舞い踊るのですが、目線を変えながら、髪の毛が一コマずつ描かれていました。
かぐや姫が止まっていると安心するほどです。
公開当時に、まだ就学前の子どもと一緒に見に行ったのですが、いよいよかぐやが月に帰ってしまうシーンで、この音楽が流れます。
天人の音楽と言うのですね。
そうしたらですね、子どもが突然大きな声で泣き出してしまいました。
場内を包む、クスン、クスンというすすり泣きとかではなくて、「ウワーン!ウワーアン!」と、徐々にボルテージの上がる泣き方で、僕と奥さんは、最初何が起こったかわからなかったほど。
映画の音声のようにも聞こえたのですよね。
ぽかんとした後に、やっとこれは自分の子が大声出して泣いている声だ!と気が付き、抱っこして、よしよしと慰めたのを覚えています。
(当時同じ映画館におられた方、ご迷惑をおかけしました…)
なので、最後のお迎えが来るシーンは、その後ブルーレイで見ただけ。
落ち着いてから聞いてみたら、かぐや姫が可哀そうだったんだって。
そうか、きっと後から見ても、そのことを思い出すのでしょうね。(僕の火垂るの墓のように、二度目はないのかもしれないが…)
このエピソードを書きたいがためにこの記事を書いたようなものです、たぶん。
男鹿さんのこの辺の原画も少し展示されていました。
なので、もしこの後ジブリの作品を再度劇場でやるならば、かぐや姫の物語をみてみたいです。
興行的には、あまりということだったようですが、この後アカデミー賞にノミネートされ(この年はベイマックス…)ました。
個人的には’10年代のアニメ映画はかぐや姫の物語がベストだと思います。
ちょっと他には考えられないほど。
外国の方に日本のナンバーワンアニメは何だと聞かれたら(聞かれることはもちろんないが)、これですと答えると思います。それぐらいダントツで群を抜いています。
何回も繰り返して見たいけれど、見すぎてしまうのが怖くなるほど。
今は公開後数年という時期ですが、10年、20年、30年と時間が経つにつれ評価が高まっていくだろうし、そうなってほしいなあと思います。
地下から出て、階段を上ると再びフォトスポットがありました。
パンダコパンダ、可愛らしいですよね。
その奥にグッズコーナーがあったので、僕は図録、絵葉書、クリアファイルを買いました。奥さんもパンダコパンダの人形とか買っていて、それぞれ欲しいものはあるのだなあ、と思いました。
ばーる ぼっこーね。
そのまま僕は帰ってもよかったのですが、お昼ご飯を食べたいと言うので、美術館近くのお店を探します。
本当は川沿いのカフェへ行って見たのですが、川沿いに行列が。
お休みの日だったので、この周辺は人気があるのか、混んでいました。
これは無理と引き返し、交差点のパスタ屋さんへ。
検索したら出て来たのが「ばーる ぼっこーね。」というお店だったようです。
二階に上がる階段がありますが、幅が狭くて急なので、酔っていたら転げてしまいそう。
右のドアから中に入りますが、「すみません、先に手を洗ってください」とのこと。
なるほど、手洗い場があれば手をある方がアルコールより安心ですね。
カウンター以外、他の席には空きがなかったから、人気のお店なのでしょうね。
女性ばかりでしたが…。
二人ともパスタランチにしました。
ちょっと記憶が定かではないのですが、人参のスムージーだった気がします。
お互いに何を見て、何を見なかったか、などを話しました。混んでいたから、空いているところを探してみたのだそうです。
本格的な感じの美味しいパスタでした。
奥さんはケーキも頼んでいました。
時間があれば、すぐ目の前に見えている後楽園や岡山城なんかにも立ち寄ってみたいところですが、夕方に戻らなくてはいけないので、このまま帰ります。
何となくカフェや雑貨屋さんがありそうだったので、また来てみたいのだそうで、その時には後楽園にも寄ってみたいです。
またジブリ関連の美術展があれば、行ってみたいと思います。
それでは今日はこの辺で。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。