さて、今回は女木島の桜と岬の白灯台について書いておこうと思います。
ここ一ヶ月ほど書いた桜のシリーズも今回で最後です。
初めて訪れたこともあって、とても新鮮で印象に残った女木島の桜並木と岬の白灯台。
新しく就航した「めおん」のことについても触れています。
長い長い記事(写真も100枚!)ですが、もし女木島行のフェリーめおんのことや、女木島の桜、女木島南部にある岬の白灯台のことなどにご興味のある方の参考になれば幸いです。
目次
- 女木島の桜と岬の白灯台の場所
- 新造船めおんに乗って女木島へ
- めおんの客室
- めおんの欄間・男木島
- めおんの欄間・女木島
- めおん前方屋外デッキ
- めおん後方の屋外デッキからの眺望
- 高松港を出港
- めおんから見る瀬戸内海
- 女木港に到着
- 女木島の桜を見ながら岬の白灯台へ
- 女木島の桜と岬の白灯台への道
- 岬の白灯台まで続く桜並木
- 女木島の桜並木
- 女木島岬の白灯台へ坂を下る
- 女木島岬の白灯台
- 岬の白灯台から
- 岬の白灯台の上にて
- 岬の白灯台上の斜面にて
- 女木島の桜と岬の白灯台から女木港へ戻る
- 鬼ヶ島倶楽部
- カモメの駐車場
- 鬼ケ島防波堤灯台
- 女木港から高松港へ
女木島の桜と岬の白灯台の場所
まずは場所から見て行きます。
香川県の中央北側、高松港の沖合4kmに位置する島です。
高松港から雌雄島海運株式会社のフェリーめおんに乗って女木島へ行くことができます。
女木島のさらに北には男木島があるので、高松港から女木島、男木島に行く観光の方は、「めおん」に乗って行きます。
新造船めおんに乗って女木島へ
それでは、高松港から見て行きますね。
僕はこの日高松港までは歩いて行きましたが、瀬戸芸の3シーズンパスポートをお持ちの方は専用駐車場が便利です。
瀬戸芸の会期以外、高松港にそんなに人はいないし混みあうこともありません。
雌雄島海運さんの乗船券売り場で女木島まで往復(740円現金のみ)乗船券を買います。
片道、男木島往復、男木・女木それぞれで下船で料金は変わりますので注意です。
就航して一年位経つけれど、実は2021年4月にめおんは新しくなりました。
通称「シマシマのめおん」です。
前回男木島へ水仙を見に行った時には定期検査に入っていて、乗れませんでしたので、何と初乗船です。
dot architectsドットアーキテクツさんのデザインだそうで、瀬戸芸2022のガイドブックの表紙にもなっていました。
シマシマめおんが、瀬戸芸2022の公式ガイドブックの表紙に採用されました。
シマシマめおんが瀬戸芸公式ガイドブックの表紙になりました! | 男木島・女木島フェリーの雌雄島海運より引用
しかも、高松港を象徴する作品になっている大巻伸嗣さんの「Liminal Air -core-」とのコラボ!
次第に高松港にいる姿にも慣れて来たけれど、最初は赤白のびっくりするような感じでした。
新造船”シマシマ”めおんに乗ると、女木、男木に行った時の思い出がまた一つ増えますね。
めおんの客室
瀬戸芸の会期中になると、めおんは満席になってしまい、なかなか写真を自由に撮れる感じではなくなります。(身動きできない感じ)
それに、乗れないと臨時便「めおん2」になってしまうので、この機会にめおんの船内を見学し、写真を撮ってきました。
女木島の桜や岬の白灯台はもっと先の方なので、めおんに興味のない方は読み飛ばしてください。
車両デッキにはバリアフリー客室があります。(島の方が多くいたので、写真はなし)
前後4か所の階段から客室に上がります。
わあ、三人掛けのシートが3列、6から7つありますので、50人くらいは座れます。
そして、なにより船内が明るくて綺麗です。
ボックスのシート席が後方にありました。
ボックス席の奥がお手洗いになっていました。
このボックス席と通路を隔てる欄間に工夫があったので、一つずつ見ていきますね。
めおんの欄間・男木島
進行方向向かって左が男木島のデザインでした。
まずは男木島灯台。
点灯しているから夜なのでしょうね。
続いて男木島の水仙。
最後は男木島のタコ漁をモチーフにしたタコでした。
めおんの欄間・女木島
続いては本日向かっている女木島のデザイン。
光の加減で見にくくなっていて申し訳ないのですが、「オオテ」と呼ばれる風除けの石垣です。
続いては、お魚の鯛です。
女木島の近くでは、鯛が良く釣れるのでしょうね。
そして、最後は本日の目的の一つ、女木島の桜でした。
瀬戸芸の期間中、めおんが満席で座れなかったら、この通路で過ごす方もいるかもしれません。
座れずがっかり、と思わずに、是非この欄間のデザインを見て、それが何であるのか思いを巡らせてみてください。
男木、女木6つのデザイン、名所、花、魚介とバランスがとられていて、とてもよかったです。
めおん前方屋外デッキ
その次に僕が見たのは屋外デッキです。
わあ、前方にスペースが設けれれているのですね!
これまでのめおんは客室からしか前が見られなかったので、港に到着する際に客室のボックス席に行かないと前が見られませんでした。
しかし、新しいめおんでは前方をしっかり見ることができます。
これはとても嬉しいところです。
客室を中心に、ぐるりと一周できるということなので、子どもさんも楽しいでしょうね。
この上が操舵室で、乗員のみのエリアでした。
めおん後方の屋外デッキからの眺望
後方に行くと、驚いたことにもうワンフロア上がれるようになっていました。
階段を上ると、後方の展望デッキになっていました。
わあ、これは見晴らしが良くて気持ちが良い!
春休みだったからか、小学生くらいの子が乗っていて、
「あれが何島?」「あれは何の船?」
と尋ねていました。
そう、そう、それ、それ、その気持ち!
僕もそう思い続けて数十年、今も船に乗る度にあれは何の島だろうか、どこへ行く船だろうか、とずっと思いながら乗っています。
その興味や好奇心をもとに、自分で探して、時に教わって、学んでいくのが一番楽しいよね。
高松港を出港
時間が来ると、ウィーンと音がして船が動き始めます。
以前のめおん2に比べ、少し船体が大きくなったからか、少し後ろに後退してから旋回するような気がします。
向きを変えると、スピードを上げて港を出ます。
ガラスの赤灯台せとしるべを過ぎる頃、その向こうの島の先端に白い灯台が見えました。
あれが、今日訪れる予定の女木島の灯台です。
ムムム、行けるのだろうか岬の白灯台。
写真ではわかりにくいのですが、桜が満開の時期で、女木島全体が白い何かに覆われているようでした。
めおんから見る瀬戸内海
出航して20分ほどで女木島に着いてしまうので、なかなか忙しいところです。
前方デッキからは手前から女木島、男木島、そして豊島が並んで見えました。
後方デッキのシート席も人気で、皆さんそこから写真を撮っておられました。
高松港からの出港、絵になって良いですよね。
3人掛けのシートが二列、4列ほどありましたので、24人ほど座れます。
この後雨の日にも乗ったのですが、一番目、二番目の海側シートは雨に濡れるので注意です。
女木島に近づいてくると、桜が筋のように並んで植えれれているのがわかります。
道沿いに植えれているのでしょうかね。
後方の階段から下りていくと、中二階のようなスペースがありました。
この日は気が付かなかったのですが、後方左階段の下、バリアフリー客室の奥に遊歩デッキみたいなのがあり、そこからも海を眺めることができたようです。
さあ、いよいよ女木島に到着です。
女木港に到着
女木港では、半分ほどの方が下船されていました。
女木を出ると、次に男木島へ行き、再び乗客を乗せて戻ってきます。
なので、非常に混雑して多くの方が乗る便(特に帰る便)は、女木では乗れない、ということもあります。
しかし、女木で乗り切れない時には、もう一台の「めおん2」が臨時便として運行します。
混雑する期間に来られる方で、列車や飛行機の時間がある方は、女木では少し早めに並んでください。
遅れると言っても20分程度だけれど、列車やバス、船や飛行機は待ってくれないものね。
めおんを見送り、岬の白灯台を目指します。
特に行く道が書かれているわけではないけれど、一本道なので方向さえ間違えなければ迷うことはありません。
女木島の桜を見ながら岬の白灯台へ
女木港から南へ向かいます。
ほとんど人がいないけれど、お一人だけ自転車で先に進んでおられました。
道の先には桜が咲く道が筋になって見えるけれど、あの道を行けるのでしょうかね。
港近くには、先ほどのめおんの欄間にあった「オオテ」がありました。
女木の白猫が、するっとその間へ入っていきました。
「何しに来たんじゃ?」という表情。
きっとこの辺が猫の遊び場なのでしょうね。
緩い上りの道が続いていました。
やはり先ほど見た桜の道に続いているみたいです。
女木島の桜と岬の白灯台への道
もともと女木島の桜を見てみたいと思ったのは、新聞の桜情報に「女木島」とあったからです。
そんなに大きな広場や公園があるわけではなくて、島全体に桜が咲くのだとか。
女木港から女木島灯台へと続く桜並木は、3,000本の桜を植えようと活動している「女木島に桜を植える会」が植樹したもの。標高188mの鷲ヶ峰展望台もまた桜の名勝地として知られ、春の女木島は桜色に包まれます。
女木島|香川の島旅に出かけよう!|島旅|香川県観光協会公式サイト – うどん県旅ネットより引用
普通は鬼ヶ島の洞窟の方へ行く方が多いけれど、一度この「女木島灯台へと続く桜並木」を見てみたかったのですよね。
「女木島に桜を植える会」の方が、時間をかけて植樹されているのだそうです。
わあ、確かに海側に桜が一直線に植えられていて、桜並木という表現がぴったりです。
そして、周りには誰もいないので、この先行っても大丈夫?という感じです。
(大丈夫でした)
桜が途切れると、その隙間からは海と屋島が見えました。
こうしてみると、屋島は「島」だなあと思います。
二つに道が分かれていますが、桜の木のある下の方が奥へと続く道です。
岬の白灯台まで続く桜並木
写真を見ていると、道沿いにずっと桜並木が続いているように思われるかもしれませんが、時々途切れます。
50mあったら、50m途切れる、そんな感じです。
道の脇にはお地蔵さんがありました。
そして、この奥はお墓があって、先ほど前を行った自転車がそこに停まっていました。
後から聞いたのですが、お彼岸の時期にお墓参りに来られなかった方が、結構この桜の時期に来られるのだとか。
確かに、春休みで桜の時期の方が来やすいかもしれませんね。
静かな雰囲気でお墓参りをされていたので、僕も静かに通り過ぎます。
青い空に微かに聴こえる潮の音、道には桜の影が揺れ、いい匂いが辺りを包みます。
その匂いに誘われてやってきた虫が羽ばたき、それを目当てに鳥も集まってきます。
女木島の桜、いろいろな見方があって面白いですね。
女木島の桜並木
先ほどの場所からもう少し進むと、少しずつ小高い場所に上がってきているのがわかります。
やはり先ほどめおんから見ていた山沿いの筋のような桜が、この道でした。
直島の行きのフェリーあさひが下を過ぎていきました。
桜を見ながら歩いていると、少し時を忘れてしまいますが、少し先に開けた場所が見えてきました。
ここは両サイドの桜が植えられているので、桜のトンネルになっていました。
とてもいい景色なのですが、誰もいないのが不思議なところ。
皆さん洞窟の方へ行かれたのでしょうかね。
その桜のトンネルを抜けると、少し辺りを見渡せる場所があり、「岬の白灯台」の道標がありました。
女木島岬の白灯台へ坂を下る
ここからは舗装されていない道を少し下っていくようです。
写真で見ると、傾斜がわかりにくいのですが、結構急な斜面になっています。
そして、枯葉で非常に滑りやすくなっていましたので、十分ご注意ください。
僕も滑ってバランスを失い、転びそうになりました。
一見、大丈夫そうに見えるのですが、そうでもないので注意です。
(なんて思いながら写真を撮るからだけれど)
わあ、灯台の上部が見えてきました!
そして、その向こうには高松の西部の街並みです。
女木島岬の白灯台
あとひと息、というところなのですが、繰り返しになりますが、十分に足元にお気を付けください。
さすがに最後の急坂はカメラをしまい、ゆっくりと下りました。
女木島、岬の白灯台に到着です!
思ったよりも高く、細い灯台です。
そして、何より白く、「岬の白灯台」の名前がぴったり。
正確には「女木島灯台」というのだそうで、昭和31(1956)年3月に初めて点灯、平成16(2004)年に改築されたとありました。
66年に渡って、女木沖の航海を見守ってきたのですね。
岬の白灯台から
眺望は、というと少し南側が開けている程度、ぐるりと見渡せるという感じではありません。
しかし、次々と船が通るので、見ていて面白い場所です。
しばらく眺めていると、上の方から人の話し声が聞こえてきました。
別の2人組グループの方が来られたようです。
一人だったので、少しほっとした気持ちもあります。
岬の白灯台、ずっと見てみたかったので、来られて本当によかったです。
岬の白灯台の上にて
灯台の坂道を上ると、元来た遊歩道に戻ります。
その先に、桜と花の綺麗な場所がありました。
最初は奥が白くなっていて、それが花であるとはわかりませんでした。
近づいていくと、斜面に白い花がたくさん咲いています。
地図を見ると、この先を進めば、山の頂上まで遊歩道が続いているようです。
登り口の案内板もありました。
岬の白灯台上の斜面にて
ここの斜面だけ、いっぱいにお花が広がっていました。
花の種類が特定できないので、間違ってはいけないから書きませんが、白い花と黄色い花でした。
こんな感じで花々に囲まれる経験はなかなかなかったので、とても気持ちがよかったです。
ここでずっと見ていたいけれど、戻らないといけません。
この先には日蓮上人像などがあって、それはそれで見てみたいけれど、今回は岬の灯台まで。
もし20年程前であったら、思い付きで行ってみようと思ったかもしれませんが、今回は
ここで引き返します。
どんなところかは分かったら、また来ることができますよね。
この場所が今年見た桜の中では一番印象に残りました。
女木島の桜と岬の白灯台から女木港へ戻る
元来た道を戻り、女木港の方へ向かいます。
一度歩いて見ながら来た桜ですが、戻りながらも見てしまいます。
途切れた場所からめおんが見えました。
女木港まで戻りましたが、帰りのフェリーまでもう少し時間がありましたので、少し先まで行ってみます。
鬼ヶ島倶楽部
女木港を超えて、女木の海水浴場の方へ歩いて行きます。
もうすぐ瀬戸芸が始まる、という時期だったので、女木島名店街では皆さん作業をされていました。
そうか、こういう感じで海を見ながら集まり、作業したり、準備したりするのも楽しい時間なのかもしれませんね。
女木島には幾つかの飲食店やカフェがあるのですが、この日は開いているお店がありませんでした。
その中で、一つだけテラス席にお客さんがいるのが見えました。
近づいてみると、何組の方が玄関から出てきました。
「駄菓子もあります」とあるし、他のお店が閉まっているからか、若い中学生くらいの子たちが入って行きました。
なるほど、鬼ヶ島倶楽部さん骨董とおいしい珈琲の小さなお店なのですね。
戸をそっと開けて入ると、ご主人らしき男性がおられました。
ランチは終わっているけれど、良いですか、とのこと。
僕はアイスコーヒーをお願いしました。
他のお客さんがいなくなったところで、ビートルズの流れる店内でご主人と少し会話しました。
今日は女木ではこの店ともう1店のみが営業していること、普段は金土日月と営業していること、ランチは予約で受け付けていることなど。
他にも世間話のような会話をしましたが、とてもゆっくり出来てよかったです。
そして、アイスコーヒーもとても美味しかったです。
この日は僕だけ来たので、このお店の事を奥さんに話したらきっと行きたがるだろうなあと思いました。(そして実際に訪れました。その話はまた別の機会にしますが、こっそりお知らせすると、とても美味しいランチですよ)
カモメの駐車場
そろそろ船の時間が近くなってきたので、女木港に戻ります。
女木港のシンボルの一つ、カモメの駐車場。
腰くらいの高さにあって、海と空が入るので、ちょうど良い場所にあるのですよね。
帰る前に見ておきたかった、女木島のもう一つの灯台、鬼ヶ島灯台のモニュメント。
アキホタタさんの作品ですが、これを一度近くで見てみたかったのです。
カモメたちに見守られながら、突堤の先を目指します。
鬼ケ島防波堤灯台
鬼ケ島防波堤灯台、近くでみると、結構大きな石像です。
僕は夜に訪れたことはないので知らなかったのですが、この像は灯台なのですね。
鬼の金棒の部分が光るのでしょうかね。
下には可愛らしい子鬼たちがいました。
女木港から高松港へ
さて、長く書いてしまいましたが女木島の桜と岬の白灯台のお話もそろそろ終わりです。
男木から戻ってきためおんが見えてきました。
わあ、青い海と空の上を赤白のシマシマの模様が動くと、とても目立ちますね。
これまでの赤い船体もよかったけれど、シマシマも少しずつ女木、男木の風景に馴染んでいくのように思います。
女木港に入港してきました。
この日は大丈夫でしたが、混雑すると並ばないといけないから、なかなかこういう景色を撮れません。
そして、訪れた日が晴れているとは限りません。
再びめおんに乗り、女木島をあとにします。
まもなく高松港に到着です。
瀬戸芸も5回目だけれど、コロナの時期でははじめての開催です。
多くの方が瀬戸芸でめおんに乗られるのだろうから、どうぞ慌てず、時間に余裕をもって乗船してください。
女木島の桜と岬の白灯台をしっかり見ることができて本当に楽しかったです。
桜の時期、もし女木に訪れる機会があったら、是非立ち寄ってみてください。
それでは、今日はこの辺で。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。