香川県の西の端、道の駅とよはまや一の宮公園に行ったので、今回は東の うずしおロマンチック海道 へ行ったお話を書いておこうと思います。
特に県境に興味があるということでもないのですが、そういえばあんまり行ったことのないなと思っていて、一度行ってみたいと思っていました。
何がある、ということもなくて、瀬戸内海の海岸線と、うずしおロマンチック海道という彫刻公園を観て来ただけなのですが、この辺りのことにもしご興味がおありでしたら、どうぞお読みください。
うずしおロマンチック海道は徳島県鳴門市
まずは場所から見ていきます。
僕は高松から行くので、できれば香川県から歩いて県境を跨ぎたかったのですが、手前の東かがわ市の一帯には、何もありません。
地図を見ながら、これは鳴門の方へ入った方がいいなあと眺めて見つけたのがうずしおロマンチック海道です。
高松からは高速を利用すると約1時間ほどですが、高速を使わなくても10分ほどしか違いません。
そうやって考えると、やはり高松から西讃へ行くより東讃へ行く方が幾分距離が近いのだなと感じます。
この日は国道11号線を東へ行きました。
途中とらまる公園付近のバイパス(大内白鳥バイパス)が延伸されていて、そこを行くと以前より少し早く行けるようになりました。
僕が香川に来た時代から、ずっと作っているけれど、もう少しで完成するのですね。
最終的には長尾バイパスと結ぶ計画のようです。
元々の南海道に近い道が着々と作られていました。
本来であれば大坂峠という名所があって、その景色や昔からの街道を見てみたいという気持ちもあるのですが、なにしろ細くてクネクネした道となっていまして、そこは無理です。
三谷製糖を過ぎ、讃岐相生駅を過ぎ県境を越えます。
まっすぐな海岸線の道に、ぴんぴん亭というお食事処があって、その目の前に小さな駐車場があります。
この場所の名前を調べたのですが、よくわかりませんでした。
7~8台停められるようになっていて、僕が到着した際には1台停まっていました。
ちょうど休憩するのに良いのかもしれませんね。
特に何があるということでもなくて、駐車スペースといくつかの案内板、オブジェ石碑がありました。
ここは徳島県なので、もちろん徳島の地図になっています。
鳴門市といっても、広いようで、大塚国際美術館や渦潮の見えるところへは、ここからまだ海岸線を走らねばなりません。
鳴門防災事業記念碑とあって、この海岸線の工事をしたのでしょうね。
「大須川口御番所跡 東 200m」という史跡がありました。
明治五年まではこの東が阿讃の国境で、番所が置かれていたのだという説明がありました。
なるほど、現在の県境よりも随分東側にあったのですね。
そして、もしここに来られたならば是非見ていただきたいのが海です。
もちろん海なんて毎日目の前にあるから、全く関心がない、という方もおられるかもしれませんが、やっぱり僕は何度見ても飽きません。
東かがわ市になると思いますが、いくつかの無人島が見えました。
足元には、さざ波というのか、ザザア、ザザアという感じで波が消波ブロックにあたっています。
海の中みたいですよね、僕もです。
わあ、海底が綺麗に透けて見えます。
また後から出てきますが、この辺りの岩肌の柱状節理感がたまらないところです。
この辺り一帯に剥き出しの地層が残っていました。
県境へ
ここから西側へ500mくらいの場所が香川県と徳島県の県境となっています。
下の画像では、左側のこんもりした森の辺りです。
まっすぐな海岸線沿いの国道に沿って歩いて行きます。
ええと、非常に交通量が多い道で、なおかつ大型車がバンバン走る道です。
この日も僕以外に歩いている方は一人もお見かけしませんでしたので、歩く際には十分に気を付けて行ってください。(まあ、あんまりいないとは思うけど)
塗装が剥げて見にくいけれど、高松まで44キロだそうです。
そう、左側のような大きな車両が、ドドドっと駐車スペースに入ってくることもあるから、十分に気を付けてください。
ドライバーの方もまさかこんな看板を撮っている人がいるとは思っていないはず…。
僕が行ったのは6月の下旬にさしかかる頃でした。
海岸でしたが、晴れていたので、涼しいということはなく、ああ何か飲み物があればよかった、という感じ。
付近一帯には自販機やコンビニ、スーパーなどはありませんのでしたので、先に用意されることをお勧めします。
切れ目なく車が往来するのですが、一瞬、車の流れがなくなる時がありました。
その瞬間を狙って県境を見ます。
香川県側は県章と東かがわ市章のシンプルな表示です。
見やすいと言えば見やすいです。
看板を超えて香川県側へ。
鳴門市の表示は鳴門大橋に渦潮、そして鯛とちょっと趣向を凝らした感じです。
反対側には、大きなソテツの木がありました。
以前は民家があったのかもしれませんが、自然に戻っていて、巨大化している感じで、
とても立派なソテツです。
そのまま来た道を戻ろうと思ったら、一つ看板を見つけましたので、立ち寄ってみます。
伊能忠敬上陸地点と碁浦漁港
県境を徳島側に戻ると、少し広い場所があって、バス停が見えました。
僕は知らなかったのですが、徳島バスが走っているようで、引田駅と鳴門駅を結ぶ路線があるようです。
その奥に看板があるので、近づいて見てみます。
伊能忠敬が四国へ測量に来ていたのは何となく知っていたけれど、上陸地点を見るのはたぶん初めてです。
引田村を船で出て、碁之浦(この辺の地名が碁浦)へ着いたという記述があるのですね。
下に続く坂道があるので、行ってみます。
わあ、と思わず声がでてしまいそうな感じの入り江に、漁港がありました。
伊能さん、ここから上陸されたのでしょうね。
僕も看板が無かったら全く気が付かなったので、山側からは見えなかったので、ここに港があるとは想像できないと思います。
車の行き交う音は木々に遮られて、チャプン、チャプンと静かな港の音がしています。
堤防では、男性の方が一人釣りをされていました。
まあ、釣りをされている感じからしても地元の方であろうから、この小さな漁港にノコノコと突然やって来る僕は当然「不審な人物」ということになります。
ちらっとこちらを見られたので、軽く会釈をして、カメラのシャッターを切るポーズ。
特に何か悪いことしに来たのではなくて、風景を写真に撮って帰りますよ、というアピールは、どうも成功したようです。(と自分に言い聞かせる)
余談ですが、コロナの話が持ち上がって以降、マスクをしている人も多いし、知らない人(知っていても)なかなか会話を交わすことが少なくなってきました。
本当は「何が釣れるんですか?」みたいな会話をほのぼのとして、それを書いていきたい気持ちはあるのですが、なるべく接触を避ける、というのがここ最近の流れだから、なるべく声かけないように、かけられないようにしています。
なので一人だと、家を出てから帰るまで、無言ということもしばしばです。
漁港の海面もとても透き通っていて、綺麗でした。
海底まで見えて、海藻が揺らぐ様子や小魚が群れで泳ぐ様子も見えました。
その反対側の崖というのか、岩肌にもびっくりです。
隆起した地層というのか、断面が斜めに走っているので、思わず手で触れてしまいました。
東かがわ市にはランプロファイアという天然記念物があるのですが(見たことがない)、こういう感じなのでしょうか。
まあ、舗装してしまうのもやむを得ないことですが、立派な岩場だったのでしょうね。
伊能さんたち測量隊の皆さんもこんな景色をみていたのでしょうね。
特に何という名前のない場所でしたが、とても雰囲気の良いところでした。
うずしおロマンチック海道
その後再び駐車場に戻ると、さすがにちょっと暑くて、という感じになりましたが、うずしおロマンチック海道へ行ってみます。
地図で見るとこんな感じのルートです。
行ってみてわかったのですが、うずしおロマンチック海道にも車を停めるスペースはあったので、そこまで車で行っても大丈夫でした。
香川県側から行くと、トンネルに入る直前に、左の脇道に入って行きます。
「海道」というので、どんな感じかと思っていましたが、結構普通の道です。
ちょうど海岸線に舗装された道路がのびていて、その途中に彫刻がいくつか設置されているという感じ。
結構この紹介文は面白くて、何度かと読み返してしまいました。
英語や中国語に翻訳されているのですが、観光地として盛り上げたいという気持ちが伝わってきます。
「特に夕方、海に沈む太陽のサンセットがとてもロマンチック。」のところが良いですね。
夕方、海に沈む、サンセットが二重、三重で表現されていて、とてもロマンチック。
どうぞ何度も読み返してみてください。
その隣には密漁禁止の大きな看板がありました。
確かに、この透明な海を見ていると、この看板が必要なのも頷けます。
地元の方なのか、軽トラで何度か通りすぎて行ったから、漁協で見回りされているのでしょうね。
あつ森されている方はわかると思いますが、7月のアップデートで海に入って潜れるようになりました。
そんな海が本当にあるのだろうか、と思う方は、是非こちらでお確かめください。
ざぶんと入って泳ぎたい気持ちになりますね。(繰り返しですが密漁は禁止です)
うずしおロマンチック海道の彫刻作品
いくつかのブログや口コミなどを拝見すると、以前はもっとたくさんの彫刻作品があったのだそうです。
まあ、それを思っても仕方がないので、僕が見た範囲(2020年6月)で紹介していきますね。
道のところどころに、こういう感じで展示されています。
車が通行するには、少し避けなければいけないけれど、急いでいる方はこの道には来ないから、皆さん景色などを眺めながらゆっくり過ごされていました。
僕はそんなに彫刻なんかには詳しくないのですが、この形に似ているのを見たことがあるなあ、と思って見ていました。瀬戸芸で訪れた大島青松園のモニュメント風の舞に似ています。
この時には気が付かなかったけれど、帰宅して調べたら橋本清孝さんという方で、同じ彫刻家でした。
他にもさぬき子どもの国にあるニョロニョロのオブジェもこの方が作られていましたので、有名な方なのですね。
下の画像ですが、こちらについては、作品の名前や作者の名前がわかりませんでした。
花壇のようになっていましたが、石を組み合わせてあるので、きっとこれも作品だろうと思い近づきますと、プレートがありました。
野崎窮さんという方の聴触界北灘という作品です。
鳴門教育大学の先生なのですね。
作品の解説がありました。
委嘱制作,うずしおロマンチック海道彫刻公園,
・野崎窮作品集より引用
徳島県鳴門市北灘町折野の現場にて制作・設置,
石彫(石積み)・白御影石
(約180㎝×約910㎝×約680㎝)
鑑賞者や周りの景観がこの彫刻(環境造形作品)
が在ることにより主役となるような作品にした。
従来の彫刻の概念を超えた立体作品。
つまり海を眺めるための小さな丘を制作し,
人がこの丘に登り座ることで
完結するような装置(環境造形作品)をめざした。
なるほど、石の真ん中に入って、そこから海を眺めるという趣向なのですね。
僕はしませんでしたが、是非行かれた方は真ん中に座って眺めてみてください。
結構目立つオブジェなのですが、こちらも作品の名前などはわかりませんでした。
道路にこれがあったら、やはり下をくぐってみたくなりますよね。
続いては佐藤隆さんのトリデという作品です。
徳島彫刻集団という団体があるようで、そこに所属している彫刻家の方の作品がメインで置かれているのですね。
はじめて来たし、終わりがどこなのかを知らないので、どこまでもロマンチック海道が続くような気持になってきました。
白い石でできた彫刻は「凝」という作品で、作者は 福島隆資さんとあります。
こちらのオブジェも名前がわかりませんでした。
ぐにゃっとした感じで、背景の海とあわさって良い感じです。
続いては風景のスケールという作品で、松永勉さんという方が作られたとあります。
潮風を受けて少し錆びてしまっていますが、なかなか鮮やかなオブジェでした。
この海道が出来た時に小学生だった子の手形がありました。
もうそれぞれ大人になっているのでしょうね。
まあ、食べるものはないし、これと言って驚くようなこともないのだけれど、天気の良い日は特に海の景色が素晴らしいです。
きっと先ほど紹介があったように夕陽なんかも綺麗なのだろうなと思います。
もしかして、まだまだ先に何かあるのかもしれませんが、暑くなってきたので、公園の区切りで引き返しました。
渦潮を見ることはできませんが、確かにロマンチックな海道でした。
彫刻や海岸、瀬戸内海の景色が見たい方や、ちょっと車で休憩したい方なんかにもおすすめです。
機会があれば、立ち寄ってみてください。
それでは、今日はこの辺で。
いつもお読みいただきありがとうございます。