瀬戸芸直島家プロジェクト のことについて書いておこうと思います。
春会期に一度直島を訪れていて、その際にはベネッセハウスミュージアム周辺を巡りました。
今回は秋会期の瀬戸芸直島家プロジェクトを巡ったことをさらっと記事にします。
いろいろ楽しいこともあったので、忘れないうちに書いておきます。
(と言いながら完成までに半年かかりました!21章、約1.8万字)
瀬戸芸直島秋会期のことや、直島家プロジェクトなどにご興味のある方の参考になれば幸いです。
目次
- 直島本村行き旅客高速船
- 瀬戸芸直島家プロジェクト 本村ラウンジ&アーカイブ
- 瀬戸芸直島家プロジェクト 南寺
- 瀬戸芸直島家プロジェクト ANDO MUSEUM
- 碁会所
- 家プロジェクト石橋
- The Naoshima Plan 「水」
- 瀬戸芸直島家プロジェクト角屋
- 護王神社
- 瀬戸芸直島家プロジェクトはいしゃ
- 直島One Rest cafe
- 直島ホール
- 桜の迷宮
- 李禹煥美術館
- 李禹煥美術館 無限門
- 黄色と黒のボート
- 直島パヴィリオン&BUNRAKU PUPPET
- 直島銭湯「I♥湯」女湯
- 直島銭湯「I♥湯」男湯
- The Naoshima Plan 「住」、宮浦ギャラリー六区│瀬戸内「 」資料館
- 海の駅「なおしま」、赤かぼちゃ
直島本村行き旅客高速船
とても大事な直島への行き方のうち、今回は船の時刻表のお話です。
瀬戸芸のガイドブックが発売された時期と、現在の船のダイヤが少し変わっていました。
例えば、9:05の高松発宮浦行きの旅客高速船は9:20となっていました。(コロナや人員不足だそう)
当初は9:05に乗ろうと思っていましたが、それがないことを切符売り場で知りました。
切符売り場へ行くと、本村行(その後豊島まで行く)旅客高速船は9:07で変わりなしとのことでしたので、それに乗ることにしました。
直島の旅客高速船では、この切符を購入する前に検温がありました。
是非、直島に行く場合には、四国汽船のHPを確認してから行くことをお勧めします。
高松港4番乗り場から直島本村行の旅客高速船は出ています。
大人片道1220円でした。
9:50頃でしたが、すでに15名ほど並んでおられました。
すぐに「まりんなつ1号」が到着し、乗客が降りた後、列の方が乗ります。
屋外の席が埋まっていたので、僕は立ったままでいました。
(僕以外の方は座っていまして、結構揺れて水もかかるのでお勧めしません…)
わあ、青い空に白い雲、少し深い色の海の色が綺麗です。
赤灯台を過ぎる頃、最初に左に見えてきたのは女木島です。
右には屋島、進むたびに形が変わるからそれも見ていると面白いです。
今回は首のないスフィンクスに見えました。
その先には大島、その向こうが小豆島。
瀬戸芸の会場となっている東の島のほとんどがこの航路から見えます。
女木島(左の岸)と男木島(右の岸)の間を抜け、その向こうに見える直島へ船は進みます。
通り過ぎる際に男木島の灯台が見えました。
もともとこの高速艇は直島本村港を経由して豊島家浦港へ行きます。
家浦港は北側になるので、一度豊島の南側を通り過ぎるような感じになります。
大きな船のエンジン音が少し下がっていくと、港が近づいてきました。
高松港から約30分で直島本村港へ到着です。
瀬戸芸直島家プロジェクト 本村ラウンジ&アーカイブ
普段はあまり意識しませんが、今回は少し早めに到着する必要がありました。
家プロジェクトの南寺、早いもの順で整理券を配布しています。
もし全てをまわる必要がないなら、ゆっくり行くところです。
(こういう早い者勝ちみたいな仕組みはあまり好まない)
しかし、早く来られたので本村ラウンジ&アーカイブで9:50の整理券を受け取りました。(3シーズンパスポートがあれば、家プロジェクトは鑑賞できます)
瀬戸芸のシーズン外やパスポートなしで家プロジェクトを鑑賞するには、専用の鑑賞チケットが必要です。
そのチケットはこの本村ラウンジ&アーカイブで買わないといけません。
本村ラウンジ&アーカイブは、かつて農協のスーパーマーケットとして使用されていました。その基本的な構造をほぼ残し、建築家・西沢立衛が空間をデザインしています。家プロジェクトの鑑賞チケットと関連書籍やグッズ販売のほか、インフォメーションセンターとしてご利用いただけます。
家プロジェクト | アート・建築をみる | ベネッセアートサイト直島より引用
大事なことなので繰り返すと、ここでしか直島家プロジェクトの鑑賞チケットは購入できないので、十分ご注意ください。
本村ラウンジ&アーカイブ 営業時間9:30~16:30 定休日月曜日※ただし、祝日の場合開館、翌日休館所在地 〒761-3110 香川県香川郡直島町850-2 tel 087-840-8273
受付で瀬戸芸パスポートを提示すると、南寺の整理券をくれました。
「9:50までに現地へ行ってください」と言われました。
ちょっとした休憩スペースとお土産などの販売をしています。
昔農協の店舗だったのを案内所に改装したので、僕にはその面影があります。
今はお洒落なアートスポットに変わっています。
普段は大勢の方が休憩しているイメージですが、朝はさすがに人が少なかったです。
大竹伸朗さんのガチャもありました。いろいろ入っているんですよね。
瀬戸芸直島家プロジェクト 南寺
本村ラウンジからまっすぐ南へ歩いて5分ほど。
並んでいると「南寺はここですか?」と尋ねられました。
僕もここで良いのかわかりませんが「そうです」と答えておきました。
駐輪場が南寺のすぐそばにあります。
駐輪場が近くにはない作品もあるのでここに停めて、歩いてまわるのが便利です。
まだ時間が来ていなかったので、皆さん周辺から見守っていましたが、見守っていては中には入れません。
奥に見える机のところが先頭で、僕は先頭に並びました。
ここで係の方から説明があります。
カメラはここまで。(帰りに出口を撮ることができます)
中でジェームズ・タレル氏の「Backside of the Moon」を鑑賞できます。
この作品は別に特にすごい仕掛けがあるということではなくて、一度に中に入れる人数が限られているから、混みあうのですね。
そして写真や動画を撮れないから、何があるのか、と入って行く、そんな感じです。
瀬戸芸直島家プロジェクト ANDO MUSEUM
特にどこから行くという順番やルートもないので、好きなところから巡ります。
まずはANDO MUSEUM。
ベネッセの施設なので、写真はOK、動画はNGとなっていました。
普通の民家の一角なので、看板などがないとわからないですよね。
次々にお客さんが入っていきます。
比較的わかりやすい、行きやすい場所にあるからでしょうか。
のれんをくぐって中に入ると、ちょっとした中庭があります。
以前訪れた際には、気が付かなったのですが、これが地下に続いているのですね。
写真が撮れるようになったので、中の雰囲気がわかるようになってよかったです。
こちらが受付とちょっとしたミュージアムショップになっています。
奥に進むと中はコンクリートに。
外からは普通の民家なのに、中に入ると全く違う世界になるので、あれ?ここどこだった?という雰囲気です。それがきっと面白いところ。
なかなか館内の構造を説明することはできませんが、一階、半一階、地下という風になっています。
わあ、地中美術館の模型ですね。
どんな建物かは、中からも外からもわからないので、こうしてみると新鮮でした。
ほとんど山の中にあって、天井だけ上から見えるのですね。
光の教会の模型もありました。
ここからさらに下に降りる階段があるのですが、少し狭いので譲り合って昇降していました。
普段から同じ色の階段があると奥行を見るのが少し苦手です。(高松港フェリー乗船券売り場が一番苦手)
ゆっくり一段ずつ下りました。
少し光が差し込んでいるあたりに行くと…、
わあ、自然光がライトのように光っています。
ここから採光しているのでしょうかね。
僕は一人で来ているので試せないけれど、もう一人いたら影をつくってためしたいところです。
ANDO MUSEUM、なかなか面白い施設です。
碁会所
続いて家プロジェクト碁会所です。
中へ入っていくと小さな庭のようになっています。
茶室のような部屋が左右に一つずつあり、中を覗き込むような感じで鑑賞します。
思わず軒先に腰掛けてしまったけれど(本来は座るためにあると思うのだが…)、座らないでくださいと言われてしまいました…。
家プロジェクト石橋
続いて家プロジェクト石橋。
少し離れているのですが、この作品の周囲には駐輪場がないとのことで、張り紙がいっぱいありました。
乗って来る方が多いのでしょうね。
この先にあると思って先へ進むのですが、結構距離があって遠いので、この民家のある道であっているだろうか、という気持ちになります。
建物の前に係の方がずっといるので、なかなか撮りにくかった建物の前。
「どうぞ、ここです」とずっと言っておられました。
以前来た際には行列が出来ていて中へは入れなかったことがありました。
中に入ると靴を脱ぐ場所がありました。靴を脱いで中へ入っていきます。
わあ、これはなかなか素敵な感じです。
襖絵に使われている画材の性質で、少しずつ絵が変化しているのだそうです。
目の前には緑のお庭が広がっています。
先に進むともう一つの部屋があります。
絨毯の先に行くと警報が鳴るので気を付けてください、とのことでした。
家プロジェクトで警報は鳴らしたくないものです…。
古い民家を改装しているのですが、古さを感じない小さな美術館のようでした。
ぐるりと屋敷を一周して、元の場所に戻ってきます。
なかなか子どもと一緒に、という雰囲気ではないのですが、大人がゆっくり楽しめる雰囲気でよかったです。
直島 The Naoshima Plan 「水」
石橋から元の道を戻り、The Naoshima Plan 「住」に行きましたが、こちらは11時からだそうです。
家プロジェクトとは別に「The Naoshima Plan」というのがあって(ちょっとややこしい)、ここは無料で入れる施設でした。(会期終了後閉まっているので、開館カレンダーを確認してください。)
表通りが出口で、裏側が入り口になっているのですね。
中へ入るのは僕もはじめてなので、少し緊張しながら入ります。
中庭のような場所を抜けて建物の奥へ進むと係りの方がいました。
「こちらでお履き物を脱いで上がってください」とのこと。
続いて「足をつけられる場所があります。タオルお持ちでなかったら買えますよ」とのことでした。
わあ、足を水につけられるのですね。
ドリンク置き場があって、屋敷全体の図がありました。
なるほど、こちらも古い建物を改装して作っている作品なのですね。
それでは、と中へ入り矢印に沿って進みます。
「和」を感じる部屋からの素敵な眺めです。
僕は直接尋ねていませんが、係りの方が熱心に他の方に説明しているのが聞こえてきました。築200年の古い民家を住民が協力して作り上げていったのだそうで、二つ続いている家屋を一つにしているとのこと。
なるほど、それで南北に長い形になっているのですね。
よく聞き取れなったのですが、とても何かに苦労したそうで、そのことを説明されていました。
ここに立つと、すぅっと風が吹き抜けていき、とても気持ちがいいです。
そういう作りになっているのでしょうかね。
一番驚いたのがその奥にある水のある場所です。
わあ、中はこんな感じになっていたのですね。
まさに「水」という感じ。
湯じゃなくて冷たい水ですが、足湯のようにみなさん足先をつけて座っていました。
水が張ってあるので、落ちないように気を付けて、という注意があり、落ちた人もいるだろうなあと思います。
僕はただ水のある庭と思っていたので、これは少し驚きました。
靴下を脱いで、少し足を水に浸すとひんやりとしていて気持ちが良いです。
夏のように暑さが厳しいということはないけれど、足を水に浸してもまだ十分にその冷たさを楽しめる時期でした。
ずっと歩いていたので、これはなかなかよかったです。
この時には持っていた自分のタオルを使いましたが、後でタオル、買えばよかったなと思いました。
なかなか大人になって水辺で足をつけるという経験はないような気がしますので、とてもよかったです。
どこから水が、と思っていたら井戸があるのか、こんこんと水が湧き出ていました。
こうやって見るだけではない何か別の体験があると、直島の旅がずっと奥行のあるものになりますよね。
場所は近くですが家プロジェクトとはまた違う雰囲気があって、よかったです。
出口にはこのプロジェクトについての映像が流れていました。
ここにも結構人がいて、じっくり見ておられました。
瀬戸芸直島家プロジェクト角屋
家プロジェクトきんざは事前に予約しないと入れないのですが、秋会期中は全て予約で埋まっていました。ここは中に入れないから外観だけです。
続いて東側にある「角屋」に行きました。
こちらも中の人数制限だそうで、列ができて並んでいて、10分ほど待ちました。
中はどんな感じになっているのかは外からはわからないようになっています。
家プロジェクトで最初にできたのがこちらの「角家」なのだそうです。
前の方が出て「次の方どうぞ」という感じで待っていた数人が中に入ります。
玄関で靴を脱いで、暗い中を歩くのですが…、
わあ、ここもお水がいっぱい。
家の中いっぱいに張られた水の縁をあるいて作品を観るという感じです。
結構そこが狭いから、一人行くとその次に一人という感じで奥へ奥へ行くのですが、行き止まりがあって、また引き返して、という具合でした。
上の写真の足が見えるあたりが一番奥の場所で、そこから戻ってくる感じ。
水の中には数字が点灯する光があって、いろんな色に光っています。
SNSとか写真ではちらっと見ていましたが、なるほど、こういう雰囲気だったのかと中に入ると実感できます。
隣の部屋にも摺りガラスに数字が表示されていました。
数字の意味なんかを考えてみましたが、特にわからなかったのでそのまま出ました。
なるほど、ちょうど路地の角にあるから「角家」なのでしょうね。
護王神社
角屋のさらに先の護王神社へ上って行きます。
ちょうど階段の登り口に鳥居があって、そこから登って行きます。
そんなに長い距離ではなくて、数十メートル、100段くらいだと思います。
ただ、民家の路地からいきなりジャングルのような場所になるので、戸惑います。
(蚊がいます)
ここだけ南国?という参道を上まで登って行く間に、幾人かの方が下りて来なかったら、本当にここで良いのだろうかと思うほど。
あの明るいところまで、もう少し!
(なんてここで写真を撮っていると、毎回蚊に刺される…)
護王神社に到着です。
まずはお参りしてから中へ進みます。
杉本博司ギャラリーで見た模型を思い出しました。
階段の透明なところが下に続いているのですね。
西側(海側)の下に入り口があるので、そこから地下へ入って行けるようです。
護王神社の地下へ入るのははじめてです。
中は暗いので懐中電灯を渡されます。
元気で愛想のよい女性の係りの方で、いろいろ説明をしてくれました。
秋にある祭りのチケットを買っていて、とても楽しみにしているのだそう。
狭い空間なので、「2分程度で」と書いてありました。
上の写真だと狭さがよくわからないので、他の方が入っていく様子の写真を載せておきます。
真っすぐ行くと、ほぼ両方の肩が壁についてしまうような感じです。
もう一人待っている方がいたので、写真撮るのでお先にどうぞと譲ったものの、なかなか出てこられないので、入っていきます。
人が一人入るといっぱいになるほど狭い通路でした。
ちょうど突き当りのところで何とかかわせるようになっています。
なるほど、古墳の中のつくりのようになっていて、階段を使って外に出ると神社へと続くという設計なのですね。
確かにここは古墳の石室っぽい感じでした。
そして再び外に出ていきます。
暗闇の中へ入っていくのは「死」で、そこから再び明るい方へ戻ってくるのは「生」ですね。
生まれてきて見る光景は、瀬戸内海。
出てきた場所の風景がどこの辺りなのか、と係りの方と先に出てきた方が話していました。
僕も最初はよくわからなくて、「女木?男木?」と言ってしまいましたが、左手が小豆島三都半島、右手が大島とか庵治だと思います。
大体こんな感じで見えていたのでは、と思います。
瀬戸芸直島家プロジェクトはいしゃ
7か所ある家プロジェクトの最後は「はいしゃ」です。
実は「はいしゃ」に入るのもはじめてです。
入口で待っている方がいたのですが、話の内容から察するに鑑賞チケットを持たずに来てしまい、本村ラウンジまで買いに行っているのを待っている、という状況だったようです。
先にチケットを買ってから巡らないといけないのですね。
待つような場所やつくりもないから、大変そうでした。(そのうち男性が戻ってきて中に入って見れたようです)
家プロジェクト、一つ一つに何らかの出来事があって不思議な体験でした。
間違ってこの戸から入ろうとしてしまいましたが、入口ではありません…
壁や床も作品なので、カバンなどの荷物が壁に当たらないように、という注意がありました。
家プロジェクトは、靴を脱いで上がるところも多く、注意点も多かったです。
子ども連れや高齢の方だと、なかなか厳しい場所もありました。
場所が集まっているから巡りやすいのですが、道が狭いので混雑する時は混むだろうなあと思います。
入り口を入ると両サイドに部屋があり、まずは右手の部屋から見ていきます。
実は僕も部屋の写真の断片を見ているだけなので、全体がどういう感じか思い出せないです。
360度囲まれる作品を写真だけ表すのには限界がありますね。
左手のお部屋も同じ感じで、一部だと何が何だかわかりません。
広くて高い空間が広がっている、としか言いようがないところです。
奥に進むと自由の女神像とトイレがありました。
係りの方に一応尋ねると「観賞用なので実際に利用はできません」とのことでした。
それはそうだ…
二階へ上がる階段がありました。
まあまあ急ですが、手すりがあるので大丈夫です。
滑らないように下りるときの方が気を付けなければいけない感じです。
先ほど1階でみた部屋を上から眺められるようになっていました。
これを見ると「そうそう、こんな感じだった」と思えます。
反対側も見られます。
不思議なことに、こちらはそうだった、という風にはなりませんでした。
とらえどころのない空間、ぜひ確かめに「はいしゃ」へ行ってみてください。
奥へ行くと先ほどの自由の女神像と目線が合います。
近くで見ると想像以上に大きいです。
実際の大きさやその空間の広さは訪れないとわからないなあと実感できました。
外に出ると、先ほどの部屋の輪郭が外に出ていました。
なるほど、そういう部分の出っ張りだったのですね。
はいしゃを見終わる頃、ちょうどお昼になりました。
本村地区の家プロジェクトは約2.5時間で見られました。
「はいしゃ」から通りの向かいに一つお店があり、そこで昼食を食べようと思います。
直島One Rest cafe
はいしゃの目の前の「One Rest cafe」さんで食事をしました。
お昼からの営業で、この時誰もいませんでした。
階段を上っていくのですが、中の店員さんは僕が来たことに気が付いていなかったようで、とても驚かれていました。
そうめんと迷ったのですが、早めに食べられそうなメニューにしました。
何度かここを通っていますが、いつも誰かいる感じで人が多い印象です。
カエルがたくさんいました。
座ってしばらく待っていると「お待たせしました」と呼ばれます。
窓口で注文すると、3分くらいで作ってくれて、僕も3分くらいで食べました。
さっと食べられてよかったです。
直島ホール
次の直島ホールは、前回葬儀があって中を見ることができませんでした。
今回は中も見たいと入ってみます。(この日も人の出入りがあって何かイベントがありそうな雰囲気)
エントランスのところには誰もいないのですが、開いた扉の向こうから中から楽器の音色が聴こえてきました。
入ってもいいのだろうか、と躊躇う気持ちもありましたが、靴があったので中へ入ってみます。
中に入るとチェンバロとオーボエのような楽器が奏でられていました。
わあ、なんだかすごいな…
一度演者の方が、どうぞ、という素振りをしてくれたので、少しだけ中に入りました。
「古楽」という昔の楽器を使った演奏会があるらしく、リハーサル?をされていたようです。
リコーダーとチェンバロの演奏が続くホール。
なかなか見られない光景でよかったです。
この日はどこへ行っても「何かある」という感じで、楽しく家プロジェクトを巡ることができました。
いろんなことがあると思いますが、ぜひそれも楽しんでみてください。
桜の迷宮
帰りはフェリーで帰るつもりだったので、宮浦から14:20発です。
急げば行ける、と思い桜の迷宮、李禹煥美術館にも立ち寄って行くことにしました。
(行くことができればこの日で直島は全て見ることが出来るので)
マップに表示された道を進むと、最近できた高級旅館「ろ霞」の看板がありました。
今回は桜の迷宮が目的なので、海岸の道を行かずに山の道を行きます。
わあ、結構マニアックなところへ入っていくのですね。
来られる方の多くは車で来られるのだと思います。
家プロジェクトのある本村とベネッセエリアとの中間の場所ですね。
一人で歩いていると、「どこへ行くんですか?」と地元の方に声をかけられました。
「桜の迷宮です」というと「桜や咲いとらん」。
あらら、不審者に見えたのだろうか…。
そうですよね、この時期桜は咲いてないですよね、僕も知っています。
しかし、その現場に行かないとどうなっているのか、わからないじゃないですか。
手前には「もうひとつの再⽣ 2005−N」がありました。
(ベネッセのコラム、なかなか面白かったので、良かったら読んでみてください)
三島さん、僕はてっきりお若い方だと思っていましたら、1932年のお生まれ!
そう考えると、すごい作品ですね。
その奥には「桜の迷宮」がありました。
僕は以前に一度訪れていまして、その時の桜はこちら。
まあ、もちろん行ったから何があるということもないのですが…。
しかし、2016年に比べると、確実に桜の木は大きくなっていて、もう少ししたら春には綺麗に咲くのでは、という印象です。
李禹煥美術館
さらに歩いてベネッセの敷地にある李禹煥美術館へ。
階段を下りていくと、芝生の草原が海に向かって続いています。
そちらへ行きたい気持ちを抑えて、まずは李禹煥美術館へ向かいます。
他の方がおられることで、その高さがわかることってありますね。
これだけの高さだと、他の道などからみえるのでは、と思いましたが、僕の知る限りこの敷地以外では、この建物もオブジェも見ることができません。
はじめて訪れた時には入り口がわからず、前の方について行きました。
長い直線的な通路はコンクリート。
日差しを受けていた外側とは違い、ひんやりとした空気に変わります。
雨の時なんかは、また違った感じで良いのでは、と思います。
李禹煥美術館の館内は撮影が不可のままでした。
屋外に戻り、芝生の奥、海辺に向かってみます。
李禹煥美術館 無限門
さて、次は無限門です。
2019年にできたようで、僕は見るのがはじめてです。
ベネッセのコラムを拝見すると、2010年に李禹煥美術館が開館して、10周年を前に作成したのだそうです。
とても人気があるようで、皆さんこちらに集まってきています。
僕は中の収蔵作品より、こちらの方が何となく好みです。
この作品は以前からありましたが、その奥に無限門があることで、引き立っていました。
そのゲートをくぐっても、別の次元に行くわけでも、何か新世界が広がるわけでもないのだけれど、くぐってみたくなりますよね!
奥には備讃瀬戸と五色台。
もしこの瀬戸芸の旅の中で、秋会期の一番の印象は?と尋ねれたら直島の無限門と答えるかもしれない、そんな風に思うほど美しい光景でした。
この真下でポーズをとって写真を撮っている方がいたけれど、その気持ちも何となくわかります。
この門をくぐれば、また違う自分になっているのでは、そんな気持ちにさせてくれます。
通ると「ガガガ!」と動き出すのではという勝手な心配をよそに、すっとその向こう側へ行くことができました。
僕にはこの門を超えて、まだもう一つ見たい場所があります。
黄色と黒のボート
あれほど人がたくさんいたように見えたのに、無限門を超えると誰一人見当たりません。
幻だったのか、それともやはり異次元に?
いえいえ、おそらく膝の上まで草が生い茂っているので、引き返したのだと思います。
近づいてみると明らかに一筋、道のようなものが見えていました。
「ぱさっぱさっ」と草を踏む音をさせながら、進みます。
歩くたびにひょこひょこと何か飛ぶのはきっと虫だと思います。
左に高松が見えてくると、砂浜の海辺に到着。
春にベネッセミュージアムで、黄色と黒のボートを見たので、一度これを見てみたかったのです。
実際に描かれた場所ではないものの、絵の中に入ったような気持ちになりました。
さらにその先の崖には「タイム・エクスポーズド ミルトア海、スーニオン」(1990)が見えました。
これも一度近くで見てみたかったのですよね。
そして他には誰もいない砂浜で、しばし一人波音を聞きました。
沖の方で水上バイクの音がしているな、と思っていましたらこちらに近づいてきました。
ムムム、やはりここは異次元に迷い込んだか?と一瞬思いましたが、全然関係がなく、彼らもこの砂浜を見たかっただけの様子。
ここでしばらく座ったまま、この景色を眺めていたいけれど、ここで13時。
もう少し見ることがあるので、宮浦港へ急ぎます。
道の途中、自転車の若い方が地図を見ていたので、すれ違うところで「どこに行くんですか?」と尋ねると「地中美術館」というので、「このすぐ上ですよ」と教えました。
自転車のペダルを漕いで、上って行きました。
下り坂があるから、迷ったのだろうね。
直島パヴィリオン&BUNRAKU PUPPET
なかなか中身の濃い直島の一日でしたが、もう少し続きがあります。
ちょうど中にいたのが、小さな子ども連れのグループだったのですが、楽しそうに遊んでいました。
一度出ても「入る!もう一回!」と言っていました。
確かに、中ではしゃぎたくなりますよね。
中に入って、宮之浦の景色を網に透かして見てみたかったので、来ることができてよかったです。
いつかまた夜にライトアップされた直島パヴィリオンも観てみたいと思います。
僕が出ると、また子どもが入ってきました。
ごめん、ごめん、お邪魔してしまいました。
続いてBUNRAKU PUPPET。
BUNRAKU PUPPET、一度夜に光っているところをみてみたいものです。
直島銭湯「I♥湯」女湯
さて、続いてはそして、今回の作品の中で、最も印象に残ったのが直島銭湯「I♥湯」です。これまでも何度か外観だけを見て帰っていました。
フェリーの時間まで残り30分を切っていましたので、今回もさらっと見て次へと思ったのですが、近くに行くと中に人が入っています。
何かと思ったら中の見学ができるとのこと!
入浴ではなく、見学だけ、しかも写真も動画もOKというので、喜んで660円(くらい)払い中に入りました。
いやあ、何度も外観は見ていますが、中に入るのは初めてです。
前に誰もいなかったので、再度「入って大丈夫ですよね?」と聞いてしまいました。
「大丈夫ですよ、どうぞ!」
わあ、はじめて銭湯の中に入ります。
別に何ら悪いことをしているわけでもないのですが、写真と動画を撮っていると何となく落ち着きません…。
しかし、こんな機会は滅多にないので、アートを鑑賞しました。
こんな風になっていたのですね。
写真などではみたことはありましたが、中に入って、自由に見られるって良いものです。瀬戸芸、最高!
お風呂の正面、浴槽の下にもたくさんの絵が描かれていました。
ここでお湯に浸かるのも一度経験してみたいところです。
そして、象!大きい!
天井に描かれたカラフルな模様も、七色に光っていて、とても幻想的な雰囲気です。
サックスの音色が聴こえていて、何となくリラックスしてきました。
見ることができて本当によかったです。
直島銭湯「I♥湯」男湯
僕が女湯の作品を観ることができてよかったように、男湯の作品も見たい方がおられると思います。(僕もはじめてなのでもちろん見てみたい)
こちらには結構人が来られていて、写真を撮られていました。
「今日本で一番見学されている銭湯」かもしれませんね。
摺りガラスのイラストを撮りたかったのですが、うまく撮れませんでした。(時間が押し迫っていたので、慌てすぎ)
いろんなメタファーがあるのだろうから、じっくり見れてよかったです。
僕は目が悪いので、お風呂ではあんまりよく見えないし、湯気もあります。
湯舟や鏡のつくりは絵柄が男女で違っているし、お風呂に入る時には撮影は出来ないし、さらに女湯の方はずっと見られないだろうなと思っていました。
この作品を見学時間に観ることができて、本当によかったです。
The Naoshima Plan 「住」、宮浦ギャラリー六区│瀬戸内「 」資料館
本当はアカイトコーヒーに立ち寄りたかったのですが、残り時間はあと20分。
急いで(走りました!)2つの作品を観ました。
春にも一度見ていたのですが、そこからは大きく完成に近づいていたように思います。
本当はどんな風になっていくのか、聞いてみたかったのですが、残念、この日は時間切れ。
急いで写真を撮りました。
春に来た際にはまだ工事途中でしたが、外観は出来上がっていました。
もう少し内装をして完了、と隣で説明している声が聞こえてきました。
この日見てきた本村の「水」と、宮浦の「住」、今後もどういう建築になっていくのか、楽しみです。
すぐ隣の宮浦ギャラリー六区。
この時期は「中村由信と直島どんぐりクラブ」資料館となっていました。
中は撮影不可でしたので、入り口までです。
海の駅「なおしま」、赤かぼちゃ
残る作品はあと二つ。
残る時間はあと五分。
こうなると、やはり作品のスタンプを全て押したくなりますよね。
最後に赤カボチャ。
本当はゆっくり見たかったのですが、高松行きのこのフェリーを逃すと次は17時。
(今考えると、それでもよかった)
出航1分前に乗ることができました。
今回は瀬戸芸直島家プロジェクト、李禹煥美術館、直島銭湯「I♥湯」を中心に見てきました。
春と秋、これで「きんざ」以外の直島瀬戸芸作品は全て見ることができました。
日帰りでも、もし泊まるのでも、2日あれば十分に全て見られます。
気候の良い秋会期は、終わりに近づけば近づくほど混みあうので、是非お早めにお出かけください。
どうぞよい直島の旅を!
それでは、今日はこの辺で。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。