男木島水仙郷 のことは、昨年も書いたのでどうしようかなとも思っていました。
しかし、昨年は天気が悪かったので、何となく心残りのようなものがありました。
どうやら週末の天気が良さそうというので、奥さんに男木島の水仙は?と聞くと、行ってみる、というので訪れました。
女木島と男木島を結ぶフェリーめおんのこと、男木島灯台の砂浜や水仙郷のこと。ゆくるでお昼ご飯を食べたこと、歩く方舟の途中に猫がいたことなど、盛りだくさんですが、男木島にご興味のある方の参考になれば幸いです。
めおん2に乗って
男木島のことを書くのであれば、その場所と行き方から始めなければなりません。
(別に決まりはないけれど、僕はこの面倒な件が意外と好きなのです)
高松港の沖合に二つの島が間近に見える(一つにも見えるが実際は二つ)のが、女木島と男木島です。
高松港からフェリーで行くと女木島へは約20分、男木島へは約40分の船旅です。
一人であれば歩いて行くところですが、今回は二人なので高松港までは車で行きました。
何度も訪れている方には関係のないところですが、小豆島や直島へ行くフェリー乗り場とは乗り場も乗船券売り場も違うので、毎回そのことを書いています。
そして、車で行ったならば、どこの駐車場に停めるかも考えなくてはいけません。
この日は10時に乗って、15時に帰る予定にしたので、前後入れると約6時間。
7時間を超えると、サンポートの地下も第一、第二駐車場も同じ1400円になるのですが、それより短いと屋外の第一、第二の方が少し安いです。
歩く距離も変わらないから、雨とかでなければ、この場合屋外の方が良いです。
(しかし奥さんは遠いからと一人先に下りました。どこが遠いんだろうとしか思えないのですが、かがわさん全般にあてはまるでしょうか。)
この日は春のような陽気で、海や港には太陽が燦燦と降り注いでいました。
目立つ赤い船体が女木、男木行のフェリー、めおん2です。
奥さんが先に購入してくれていました。高松と男木の往復大人1020円でした。
僕は島へ行ってから知ったのですが、もう一台の「めおん」(写真はめおん2)が引退するのだそうです。
めおん引退! 2月20日~28日に、ラストクルーズを実施します。
めおん引退! 2月20日~28日に、ラストクルーズを実施します。 | 男木島・女木島フェリーの雌雄島海運のHPより
新造船の就航に伴い、現「めおん」が、2021年2月28日(日)に引退します。
現「めおん」は1987(昭和62)年に就航。以来34年にわたり、本航路で活躍してきました。
2月20日(土)~28日(日)までの9日間、長年の感謝を込めたラストクルーズとして、本航路を運航します。船内には、お別れの装飾や歴代船舶の写真展示などが行われます。
最終便は、2月28日(日)の高松港12:00発の1往復。
一般の人も乗船できますが、混雑時は人数調整の可能性もあります。
「めおん」は、赤白ツートンの小さくて可愛らしいフェリー。島民はもちろんのこと、島を訪れる数多くの観光客に愛されてきました。
2009年には、このフェリーが結ぶ人と人の繋がりをテーマにした映画「めおん」が作られました。
なるほど、「めおん」のラストクルーズが20日からあるのですね。
聞いてみたら、28日の二時の便から新造船に交替するのだそうです。
新造船めおんも楽しみですね。
週末のよいお天気の日でしたが、席に間隔ができる程度の人でした。
後方の絨毯のところにも、幾人かのびのびと寝転んでおられました。
僕は写真を撮るので、屋外デッキへ。
毎回わあっと高揚してしまって、カメラやスマホのバッテリがなくなってしまうので、今回はフェリーを少なめに。
さすがに風は少し冷たいのだけれど、陽が当たるところはぽかぽかの陽気です。
この時間(10時前)だと、直島行きと土庄行きのフェリーを見られます。
時間が来ると、舫い綱を係の方が巻き始めます。
まもなくめおん2はゆっくりと方向を変え、出航です。
せとしるべ、赤灯台を通過し、港から出ます。
この日は、この時期としては珍しく晴れて海も穏やかな感じでして、春を体感するような船上でした。
少し霞んでいましたが、高松の街の向こうに讃岐山脈がぼんやり見え、海面は光っていました。
ああ、この景色見ながら、ずっと乗っていたい…。
女木港を出ると、山の上にある日蓮聖人像もくっきり見えました。
「昔若い衆が担いで、ワッセワッセと掛け声にあわせて登った」
といつだったか女木島の方が教えてくれました。
もうこのままもう一時間ほど島のまわりを巡ってくれてもいいのだけれど、そういう訳にもいきません。
40分ほどで、男木港に到着です。
まあ、これはあってもなくても良いのだろうけれど、めおん2の船内の写真も載せておきます。(だからこの件はながくなるのだが…)
男木島灯台へ
男木港で下船すると、すぐに高松市男木交流館、男木島の魂がありますが、その横でも何か作っていました。
掲示見たら、男木のコミュニティセンターだそうです。
2022年の瀬戸芸に間に合うとよいですね。
方角で言うと北、船が入って来た方向に向かって男木島灯台を目指します。
最初は集落の中の上り坂を少し歩いて行きますが、すぐに畑の中の道となります。
道端には、水仙のお花が咲いています。
男木島水仙ロードという名前はついていないようですが、何か所か水仙が綺麗に咲いていました。
近くを通ると、ちょうど顔あたりに花があるので、甘い水仙の匂いがしてきます。
天気も良くて暖かく、前後には誰もいません。
一台だけ、軽トラックが向こうから来て、すれ違いました。
小さい子が一緒に行く時には、気を付けてください。
やがて男木灯台まで1300mの看板登場。
「Youは何しに灯台へ?You行っちゃいなよ!」
考え出すとなかなか哲学的な問いですが、きっと灯台とか水仙とかが海辺にあるところが好きなんだろうね。同じ市内だし。
最初の上り坂を超えれば、多少の上り下りはあるけれど、比較的平坦な道が続きます。
かさかさ、という音が時折草木の間から聴こえてきます。
「鳥だよ、鳥。」と奥さんは言うけれど、もしや春の暖かさに目覚めてしまったイノシシなんかだったら、どうしようと思ってしまいます。
まあ、もしそうだったら、そのことを時期で書けるから、さあいつでも来いと開き直ります。(全部鳥だった、たぶん)
男木島灯台まで1000m。喜びも悲しみも1000m。
この辺りから左手に海が見えてきます。
海と水仙、この道を歩くのは、本当に気持ちが良いところ。
静かになると、この道では波の音と鳥のさえずりしか聞こえません。
そうそう、ちょうど水仙の季節は、梅の季節とも重なるので、梅の花もあちこちで見かけました。
男木島灯台まで500m。行くは660歩戻るは1715歩。
そうなると、行ってみようかと思いますよね。
石碑を通り過ぎろと、最後の海岸線が見えてきます。
海が近くにあって、下に行けるので奥さんは行きたいとのこと。
釣りをしている方がいたけれど、その脇を抜けて海岸へ。
結構潮が満ちて来ていて、ぎりぎりでした。
灯台から 男木島水仙郷 へ
少しの間海岸にいたけれど、灯台の方へ向かいます。
灯台の方から幾人かの方が歩いて来られ、後ろの方からも数組の方が来られていましたので、やはり皆さん水仙を目指して来られたのですね。
紫外線なのか、潮風なのか案内板の色が落ちてしまいました。
この辺りは灯台の資料館やキャンプ場、トイレなどがあります。
いつもこの辺りは灯台の内部を見学する人の列で写真が撮りにくいのですが、誰もいなかったので、大丈夫でした。
シャワー室もあるのだろうか、といつも思います。
そして、四国村にある、灯台守の宿舎を思い出すところ。
そしてこちらが男木島灯台資料館。
どちらの建物もかつて官舎だったのだろうけれど、なかなか素敵な雰囲気です。
いつもに比べ、今日は閑散としている男木島灯台。
ザ・灯台という感じで、いいですね。
男木島灯台が建設された当時には、職員2名がその家族とともにこの地に住み、灯台の管理を行っていました。
高松海上保安部/男木島灯台資料館のHPより引用
地元の村落からも遠く離れ、孤立した環境の下、必要な食料・生活用品調達の困難、 乏しい雨水を使っての炊事と洗濯、閉鎖社会での人間関係、情報からの断絶、医療の不備、子どもの教育の困難、娯楽施設の皆無、数年での広域転勤、しかしながら、 その一方で、同僚との連帯感、子どもの成長などささやかななぐさめもあり、まさに、厳しい環境下にて、家族とともにじっと耐え、ひたすらに沖行く船の航海の安全を祈った職員の崇高な使命感~いわゆる 「守灯精神(しゅとう・せいしん)」~は、日本映画の名作「喜びも悲しみも幾年月」に描かれています。
現在では、男木島灯台は無人化がなされておりますが、男木島灯台に隣接して、灯台の歴史をテーマとした灯台資料館が設けられています
灯台とは反対側に歩いていくと、水仙郷に続く階段があらわれます。
案内板があるので、じっと見つめている方もいました。
水仙郷は第1と第2の二か所とあるそうですが、第2の方までと決めています。
遊歩道案合図の写真は結局撮り忘れたので、昨年のものです。
第2水仙郷から第1水仙郷まで約500mとあるけれど、この間ほぼ上りが続いて、結構細い道もあります。行かれる方は、どうぞお気をつけてお出かけください。
道の端に水仙が咲いているので、ここもとてもいい匂いのする小径です。
上り坂や階段を行くのは苦しいですが、頑張って進みます。
こういうところを歩く時は奥さんのペースにあわせます。
先にすたすた行って、後から合流してまた進もうとすると、後から行った人は休憩ができない、と言うので。まあ、確かにそうだ。
木々の間から海と豊島は見えます。
この辺りにつく頃には、暑くなってきて、着ていた上着を脱いでいました。
そうなんですよね、あと800mというと行けそうな感じになるのですが、来た道を戻るような感じになります。
さあ、最後の坂を上って、とりあえず第二水仙郷へ。
男木島第2水仙郷に到着です。
わあ、やっぱり雨と晴れている時に見るのでは印象が違いますね。
奥に島や海の景色が見えるというのは、やはりいいものです。
そして、何よりも2月なのに暖かな日差しに包まれている、というのがとてもよかったところです。
しばらくすると、山をハイキングしているのか、グループの方が通り過ぎて行きました。
僕はもうあと1時間ほどいても、全く退屈しないけれど、下の砂浜へも寄りたいというので、降りていきました。
灯台へ来た方向と反対側には、砂浜が広がっています。
流木のベンチがあって、座っている方や、子どもが砂遊びをしていました。
ムムム、これはとても気持ちが良い砂浜で、特にリゾート地とか人の手が入ったところではないのですが、それがまたよいところです。
もうはじめてから一年近くになりますが、「あつ森みたいだね」と言っていました。
僕と子どもはしなくなって随分経ちますが、奥さんはずっと続けてしていて、最近はカーニバルで踊ってどうとか言っていました。
貝殻についたフジツボを見つけて喜んでいました。
資料館に寄贈出来たらよいのにね。
この後、灯台を離れ、お昼ご飯を食べるため、男木港の方へ戻りました。
ogijimaゆくるでランチ
男木島へ行くということになって、奥さんが楽しみにしていました。
ogijimaゆくるさんには、2019年の瀬戸芸の際にたまたま訪れて、ランチを頂いたのですが、とても美味しかった印象があって、また男木島に来る時には寄りたいね、と言っていました。
昨年も立ち寄ってみたのだけれど、港で出されていたようで、こちらの店舗には、誰もいませんでした。
一応前日に電話すると「営業している」とのこと。
席の予約をお願いしました。
他のカフェなんかも見たけれど、臨時休業などもあって、やっているかどうかわからない、と奥さんは言っていました。
お昼ご飯をどうしようと思っていたので、営業していて助かりました。
何度か行ったけれど、行き止まりの道もあって、ちょっと迷いやすいところにあるので、マップをオンにして歩いて行ってください。
この日のランチはオリーブ豚のしゃぶしゃぶ。
ドリンク付きで1350円でした。
どうしても海の幸が多くなってしまうけれど、そうではない食事ができるところも、よいところです。海の幸は、他のところでも食べられるものね。
古民家を改装したゲストハウスとカフェなのですが、ゲストハウスが出来てからははじめて来ました。
風が吹くと、水仙の匂いが部屋の中を移動して行きます。
さらさらと春のような風が抜けていきます。
何だ、もしかしたらここは天国か何かでしたか、と思うほど。
これは気持ちが良いところだね、としか会話をした記憶がありません。
その後一人、二人と若いお客さんが来ていました。
そうだね、今日男木島でお昼食べるなら、ここですよね。
ムムム、これは本当にランチなのであろうか、というボリュームです。
「ごまだれ」で食べるオリーブ豚のしゃぶしゃぶは美味しかったです。
ランチの後に他のカフェに行こうと思っても、開いていないので、ここでおやつも食べることにしました。
パンプキンさんというアイス。
奥さんは和三盆バーガーを食べていました。
これも中にアイスが挟まっていました。
2月ですが、暖かい日だったので、ちょうどよかったです。
もうこのまま居続けたいところですが、外ではニャーニャーと猫の鳴き声が聞こえてきます。
ご飯を食べた後は、歩く方舟へ。
歩く方舟と猫
子どもが留守番している(行かないと言ってた)ので、お土産のピザを買って持っていました。
そしたら、今までにそんなことはなかった、というほど猫たちがやって来ました。
『あんた、何か手に持っているだろ?』
『私たちはごまかされないよ、それピザでしょ!』
『なんなら、それをここにそれを置いていってくれてもいいんだぜ』
『ふん、くれないなら、さっさと行っちまいな!』
そんな風に言っていたかどうかはわかりませんが、すごい近づき方でした。
人も少なかったから、お腹が空いていたのかもしれませんね。
あの砂浜の向こうにある白いオブジェは、男木島アートのシンボルの一つです。
これがあるから、こちらへ行ってみよう、見てみようという気になります。
近くの砂浜、この向こう側にも海水浴場があるらしいのですが、そこまでいかなくても、このくらいのスペースで十分です。
雲が少し出て来ていましたが、春の日差しがキラキラしていて、来れてよかったなあと思います。
水仙が岩陰から顔を出していたので、もしかしたら知らないうちに水仙郷になるのでは、と楽しみにしています。
すぐに別の方が来られたので、誰もいない時間は数分でしたが、良い時にこれたなあと思います。
男木港に戻ると、ちょうどめおん2が入港してきました。
今日の猫ちゃんたちはお腹を空かしているから、たくさん寄ってきますよ。
港に停泊しているめおん号も、客室が飾られていました。
ラストクルーズには、やはり多くの方がくるのでしょうね。
予定通り15時の便で高松に戻ります。
水仙の時期には何度か訪れていますが、今回はとても気持ちがよかったです。
後から思い出したら、きっと「あれは楽しかった」というような感じです。
また週末に寒さが和らぐようだし、香川県の警戒レベルも引き下げられました。
もし、行く機会があれば、是非立ち寄ってみてください。
それでは、今日はこの辺で。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。