前回に続き、瀬戸芸犬島家プロジェクトのことを書いておきます。
前回2019年に訪れた際には、写真撮影が不可でしたが、今回から一部を除きOKになっていました。
写真があるのとないのでは、記事の雰囲気が変わるので、今回は瀬戸芸犬島家プロジェクトを中心に見て行きたいと思います。
目次
- 瀬戸芸犬島家プロジェクト 石職人の家跡 / sprouting 01
- 瀬戸芸犬島家プロジェクト A邸
- 瀬戸芸犬島家プロジェクト S邸/コンタクトレンズ
- 瀬戸芸犬島家プロジェクト 犬島家プロジェクト石職人の家跡/ 太古の声を聴くように、昨日の声を聴く
- 犬島家プロジェクト F邸/Biota (Fauna/Flora)
- 犬島チケットセンター
- 犬烏精鍊所美術館
- INUJIMAアートランデブー フラワーフェアリーダンサーズ
- 犬島から宝伝港へ
瀬戸芸犬島家プロジェクト 石職人の家跡 / sprouting 01
華やかな庭があったI邸/Self-loopの海側へ出ると、石職人の家跡がありました。
前回は通らなかったので、ここにあったことに気が付きませんでしたが、石職員の家シリーズなのですね。
この記事を書いている最中に妹島さんが東京都庭園美術館の館長に就任というニュースがありました。
サンポートに作っている県立体育館も楽しみですね。
海沿いの路地の上にいろいろ描かれています。
木陰にベンチがあって、そこで少し休憩できるようになっていました。
おお、ここはとても気持ちがよくて、景色もよいところです。
初夏の爽やかな海風に吹かれて、作品を眺められるというのは、なかなかないので、よかったです。
少し奥まで行かないと見逃してしまいそうな場所なので、是非通って見つけてください。
瀬戸芸犬島家プロジェクト A邸
続いてA邸へ向かいます。
中の谷東屋から下って来た道を戻り、植物園と反対の方へ歩きます。
季節がよかったからか、道沿いには花がたくさん咲いていて、その近くを蝶が舞っていました。
こちらも作品全体の写真撮影が可能になったので、よかったです。
前回2019年の瀬戸芸で犬島に訪れた際、ここでは忘れられないエピソードがありまして、この空間の中にニワトリが一羽入って動き回っていました。
最初に見た時、一瞬僕はニワトリが中にいる作品なのかと思ったほどです。
奥の切れ目から中へ入れるのだけれど、誰もいないから、ヒトもニワトリも、確かに出入りは自由です。
前回の事もあるから、じっと中に動物がいないか観察したけれど、今回はいませんでした。
こんな感じで待たれたら、入るかどうかを躊躇いますよね…。
そして、入ってから気が付いたのですが、中に入るととても目立ちます。
そして皆さん写真を撮っているので、長くいたら申し訳ないような、そんな気になってきました。
少し夏場は暑いけれど、中から見る感じもよかったので、是非ニワトリに注意しながら、中にも入ってみてください。
瀬戸芸犬島家プロジェクト S邸/コンタクトレンズ
A邸からすぐそばにS邸/コンタクトレンズがあります。
S邸、道沿いにあるし、広場のようになっているので、多くの方が集まっていました。
遠くから見ても、近くから見ても面白い感じなので、しばらく見ていたくなる気持ちもわかります。
きらきらと光で反射して綺麗な雰囲気。
人気があるのも頷けます。
反対側からこの中にも入れるようになっていると思うのですが、ギャラリーが多いのと、皆さんっ写真を撮られているので、とても入りにくいです。
もし空いていたら、中にも入ってみて下さい。
ここからの写真だとわかりにくいのですが、透明な壁に丸い円の模様が付いていて、その丸いを見ると反転して見えます。
向こう側にある家の屋根が下に来て、地面が上にあるというのが、また面白いところです。
場所もわかりやすいし、見ていて飽きない作品なので、立ち寄ってみて下さい。
瀬戸芸犬島家プロジェクト 犬島家プロジェクト石職人の家跡/ 太古の声を聴くように、昨日の声を聴く
さらに東へ移動し、角を曲がると再び「石職人の家跡」がありました。
「太古の声を聴くように、昨日の声を聴く」という少し長めのタイトルです。
ここにも大勢の方が集まって作品を鑑賞していました。
植物や動物などが地面に描かれています。
思い思いの角度で皆さん写真を撮っておられ、何となく楽しそうな雰囲気です。
模様が綺麗に見えるのが、人気なのでしょうかね。
犬島家プロジェクト F邸/Biota (Fauna/Flora)
さて、F邸まできましたので、家プロジェクトの作品としては最後になります。
ここにも係の方がおられ「精錬所美術館、家プロジェクトのチケットがあれば入れます」と来場する方に説明されていました。
しばらく外から見ていましたが、数組の方が持ってないと通り過ぎていきました。
F邸の中を見ずに、犬島に何をしに来たのだろう?という気もしますが、僕らもまだチケットセンターで引き換えをしていませんでした。
「鑑賞チケットお持ちですか?」
「チケットは持ってないですが、瀬戸芸パスポート持っています」
「パスポートお持ちでしたら、後程チケットセンターで鑑賞チケットに交換してください」
という感じのやり取りで中へ入ることができました。
順番としては、犬島に来たら先にチケットセンターでチケットを購入するか瀬戸芸パスポートで鑑賞チケットと交換してください。
犬島以外でも、瀬戸芸の3シーズンパスポートはお得に利用できるので、お持ちでない方は是非購入してからお出かけください。
F邸も以前は撮影不可だったのですが、今回からOKとなっていました。
もし犬島家プロジェクトの作品の中で一番見応えがあるのはと聞かれたら、これというだろうと思います。
何かはよくわからないのですが、うねうねしていて近づいてみたくなるオブジェです。
入って右手側奥に小さな扉がありました。
ここから外を覗いてみたいですよね、僕もです。
本当はもっと違う角度から撮りたいのですが、鏡に囲まれているので、どうやっても僕が映ります。
全体の感じを見たい方は、是非現地に足を運んでください。
キラキラしていて、とても綺麗なので。
入口の反対側、裏側を回り込むように左の壁へ。
わあ、ここも何だか素敵な空間になっています。
鹿と人の形をしたオブジェが展示されていて、青空の下でとても綺麗な色でした。
以前にも見ているはずなのですが、写真を撮っていなかったので、どんな感じだったかよく覚えていませんでした。
この奥は、やはり鏡で囲まれていたので、しばらく頑張って撮っていたけれど、どうやっても撮影者が映りこみます。
F邸、人が少なかったので、中の展示をゆっくり見ることができてよかったです。
外から見ると普通の外見ですが、よく見ると中にうにうにとしたものが見えます。
2019年に観た時には、特に何も思わなかったのですが、2度目の今回の方がじっくり見れて、写真を撮れたので時間をかけて見ることができました。
撮影が出来る出来ないで、こんなにも違うのかと驚きました。
F邸、是非中に入って見学してみてください。
犬島チケットセンター
犬島から宝伝港への船が15:35に出るのですが、この時14時を過ぎていました。
犬島精錬所美術館には、一度入ったのでそんなに時間をかけずにさっとまわろうということになりました。
その前に犬島チケットセンターへ向かいます。
もう作品は見終え、ゆっくりと過ごす方が大勢おられました。
ちょうどカフェが併設されているので、そこで皆さん休憩されていました。
チケットセンターの受付で、パスポートを見せ精錬所美術館のチケットを受け取りました。(本当は最初にしておくべきですが)
すぐそばにカフェがあるので、先に休憩することにしました。
結構中は混んでいて、注文を待つ列、飲み物を受け取ったけれど座る場所がなくて待つ方など、とても多くの方がおられました。
僕は外でもよかったのですが、奥さんは中で、というので座ります。
奥さんが頼んだ「ぜんざい」ですが、とても変わったぜんざいで、中にかぼちゃが入っていました。
ぜんざいにかぼちゃが入っているのははじめてだったので、何か別のものを頼んだのでは、と思ったほどです。
結構ざっくりと大きめのかぼちゃだったです。
犬島チケットセンターカフェ、変わったものが置いてあります。
僕はコーヒーだけ。
小さな島にゴールデンウィークに大勢の人が訪れているので、てんやわんやという感じでした。
僕が見逃したのかもしれませんが、食べ物や飲み物を販売しているお店はこことウキカフェ、あともう一軒(カレーの店?)くらいしか見かけませんでした。
予約をできるようなところはないし、連休やお盆の時期などはまた混みあうだろうから、どこで食べるか決めて行かれることをお勧めします。(これは瀬戸芸どの島でも同じかも)
瀬戸芸犬烏精鍊所美術館
最後は犬烏精鍊所美術館です。
もしはじめて犬島に訪れるなら、最初にこちらに来ることをお勧めします。
僕らは一度見ているので、行くだけは行っておこうという感じ。
(少し中が暗くて、それが続くから、入ると暗い気分になる、と奥さんと意見が一致)
海沿いの道を歩いて行くと鉄柵に美術館の看板がありました。
この奥に進むと入口があります。
敷地の中にはレンガが積まれた壁がいくつかあり、その間を歩いて行くようになっています。
この辺りも面白いところですが、今回僕らは船の時間もあるので、やや急ぎ足で行きました。
ここから奥に入って行くと、壁の影から係の方が現れチケットを見せます。
簡単な美術館の説明があり中へ。
犬島美術館の館内は写真撮影が不可なので、そのままひと通り見て出ました。
長くて暗い炉のような路をしばらく歩くと、突き当りの部屋に辿り着きます。
ヒーロー乾電池
犬島精錬所美術館 | アート・建築をみる | ベネッセアートサイト直島より引用
かつて日本の近代化に貢献し、隆盛を誇ったが、現在はその跡を残すのみとなった犬島製錬所に、日本の近代化に警鐘を鳴らした小説家・三島由紀夫というモチーフを重ね、建築と協働による6つのスペースを作品として展開し、今後の日本のあり方や現代社会について問いかけています。
なるほど、ここはそういう意味のある部屋だったのですね。
柳幸典氏の作品で、この後に訪れた直島のベネッセミュージアム「The Flag Ant Farm」もこの方の作品なのだそうです。
外に出ると(この時間は館内に他の人がほとんどいなかったので、なかなか出口がわかりづらい)、三分一博志氏が設計した美術館全体を見渡せます。
犬島精錬所美術館の建築は、地形、近代化産業遺産、自然エネルギーを活用することで犬島という環境の絶え間ない自然のサイクルの一部、地球のディティールの一部として変化、成長していく施設であるといえます。
犬島精錬所美術館 | アート・建築をみる | ベネッセアートサイト直島より引用
綺麗な景色が見られるし、風が気持ち良いところなのですが、奥さんは疲れたのか先に下に降りてチケットセンターでお土産見ると言っていました。
確かに、建築が好きな方は興味があるのだろうけれど、そうでもなかったら何度もじっくり見ることもないかもしれません。
僕はここからの景色が好きなので、少し立ち寄って見ることにしました。
以前ここから瀬戸芸パスポートが風で落ちたのでは?と、下りて探しに行ったことがありました。(結局ポケットに入っていました)
今回は出し入れしないように、気を付けます。
ポツリポツリと人影はありますが、三時近くになると人は少なかったです。
木陰にベンチがあるので、しばし座って景色を眺めました。
南側の奥に見える島影は小豆島。
迷路のようなレンガの壁の色と海の色、島の緑、空の青が犬島独特の景観を生み出しています。
しばらくここから海を見ていたいところですが、そろそろ船の時間になりそうなので港へ戻ります。
同じ船に乗るのか、奥から次々に人が港へ向かって行きました。
瀬戸芸犬島 INUJIMAアートランデブー フラワーフェアリーダンサーズ
帰り道、最後の作品を見て行きます。
お花のオブジェ、これは家プロジェクトや美術館と関係なく、誰でも無料で鑑賞できる作品です。
敷地には余裕があったから、この後オブジェが増えていくと良いですね。
犬島から宝伝港へ
犬島港では、宝伝行の列、直島・豊島行の列が出来ていました。
直島・豊島行は大きな荷物を持った旅行者が多く、宝伝行は日帰りで近くから来られた方が多い印象でした。
船が着くと、少しずつ列が進みます。
人数が多く乗り切れなくても、船の発時間までに並んでいる人がいれば臨時便が出るそうです。女木・男木のめおんと同じですね。
人数が多く最初の便には乗れなかったので、臨時便二便目で乗れました。
こんな感じで次々と船はやってきます。
船の代金は下りてから、というなかなか珍しい方式です。
もし着いてから代金が払えなかったら、と思ってしまうのですが…。
割と初めの方で乗れたので後ろに座ることができました。
満席で立っている方もいる中、犬島を出港。
さすがに手を振って見送る余裕はないようです。
10分ほどで宝伝港へ到着しました。
「大人二人です」と言いながら千円渡すと、すごい速さでおつりと券(領収証)をくれます。
お釣りの小銭の受け渡しがすごく早く、並ぶようなことはありませんでした。
現金の受け渡しでここ以上に素早い精算を、僕は見たことがないです。
二度目ということや新作が少ないこともありましたが、写真を撮ることが出来たので楽しく巡ることができました。
春だったので花や草木が綺麗だったし、心地よい快晴だったのもよかったところです。
夏はまた暑いだろうから、どうぞお気を付けてお出かけください。
それでは、今日はこの辺で。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。