水仙と灯台の男木島のことを書いておこうと思います。
毎年節分が終わる頃、ロウバイや梅の花と同じ時期に、水仙の便りが届きます。
「便り」と言ってもニュースやブログ、SNSなんかで「水仙まつりがありますよ」という話題を目にする程度なのですが、聞いてしまうと気になります。
「今年はもう咲いているだろうか」「水仙まつりの日は混むのだろうか」という感じ。
そして、今回は男木島灯台の内部公開もあるというので、訪れてみました。
男木島水仙郷や男木島灯台の内部公開、「男木島ゆくる」のでのランチなどに、もしご興味のある方の参考になれば幸いです。
目次
めおんに乗って
昨秋11月の瀬戸芸粟島以来、久しぶりのフェリーです。
最終日にめおんを見送るところを見たのですが、それがもう随分前の事のように感じますね。(実はまだまだブログの加筆を続けています…)
この日は昼から予定があったので、午前中にと朝8時の高松港発便に乗りました。
駐車場に車を置き、奥さんと一緒に走って港へ。
乗船券を買ってちょうど2分前、ぎりぎりで乗船です。
わあ、良く晴れた朝の高松港、初春の陽気を感じる素敵な出航です。
毎回撮ると、季節や時間によって見え方が違うのが港の魅力の一つですね。
右方向から小豆島行きが追い越して行きました。
すごい、ぎりぎり!
週末の祝日とあってか、あちらの屋外デッキにもたくさんの人が乗っていました。
わあ、手を振っている人がいる。
もしかしたら、めおんの他の場所で手を振っていたのかもしれませんが、僕も大きく手を振ります。
人が少ないとできないけれど、賑わいのある日、いいお天気の日は是非屋外で手を振ってみてください。(現代アート作家の皆さん、これを何かのアートに!)
普段はそうでもないけれど、めおんの船内はいっぱいでした。
何と次便10時では400名が来て、臨時便が出たのだそう。
皆さんこの時期の男木島水仙を楽しみにされているのですね。
普段はもっと下りる方がいて席が空きますが、この日は女木で降りる方は数名程度。
ほとんどの方が男木島まで乗っていました。
こうしてみると、本当に小さい島ですが、魅力がたくさんあるのですよね。
海の上に少し白く霞がかかるのを見ると、冬から春へ移る時期なのだと実感します。
出航して40分後、男木島男木港へ到着です。
フェリーが到着する時、大勢の方が下船口に集まってくるのを見るのも好きです。
さあ、着いたという気持ちになります。
男木島灯台と水仙郷
実はここのところ毎年水仙を見に言っているので、水仙郷の場所や行き方は以前のブログ「男木島第一水仙郷」を参考にしてください。
南にある男木港から、北にある男木島灯台までは歩いて約20分です。
最初家屋のある路地の急な坂道を上がっていくのですが、その後は緩やかな下りが多いです。
道の脇に水仙が植えられていて、日向は8分ほど、日陰は2分ほど咲いているという感じでした。
一本道なので同じフェリーに乗ってきた方と、ずっと一緒に歩いていくような感じにあります。
最後に海岸が見えてくると、その奥に男木島灯台が見えてきました。
天気が良かったので、綺麗な青空です。
この後内部公開の準備で「信号旗」が飾られたのですが、普段はこんな感じです。
この灯台は、日本政府による日清戦争直後の海運助成策推進により、備讃瀬戸海域における海上交通量が増加したことから、 工期7ヶ月を費やし明治28年12月10日に設置点灯されました。
高松海上保安部/男木島灯台「ホームページによるバーチャル見学会」より引用
現在もなお現役として、備讃瀬戸を航行する船舶の安全を見守っています。
令和3年10月14日、登録有形文化財に登録されました。
坂出与島鍋島灯台が重要文化財(香川建造物16件)で、男木島灯台は登録有形文化財(香川436件)なのですね。
海上保安部の係りの方が同じフェリーでちょうど到着したところで、内部公開は10時から、とのことでした。
少し時間があるので、先に水仙を見に行きますね。
男木島水仙郷へ
来る途中の道端の水仙を見ていたら、満開はまだかなと思っていましたが、案内板のすぐ近くは、結構咲いています。
甘い水仙の匂いがあたり一面に漂っています。
場所によって濃淡はありますが、この辺りはほぼ見ごろな感じでした。
ここ2年くらい、僕は奥の「第一水仙郷」まで行っていたのですが、今年は行かずに奥さんと「第二水仙郷」まで行くことにしました。
道沿いの水仙も満開近くまで咲いているところも、そうでないところもあります。
少し上るにつれ、視線もあがるので景色が少しずつ変わっていきます。
ちょうど階段を少し上がったところに灯台と水仙が見える一角があって、順番に皆さん写真を撮られていました。
灯台と水仙、なんとなくロマンチックですよね。
さらに階段を上っていきます。
そんなに長い距離ではないのですが、100段ほどありますので、無理なく上がってください。
少し中へ入った場所は日陰になっているのか、まだほとんど咲いていませんでした。
「一斉に」という感じではなく、それぞれ咲く場所が違うことで、長い時期水仙を楽しめますね。
階段をのぼりながら海面を見ると、渦というかうねりを見ることができます。
この辺りは潮の流れが早いのだそうです。
階段を上りながら、時々振り向いて景色を見るのが休憩になります。
男木島水仙郷に到着です。
男木島水仙郷
男木島には「第一水仙郷」と「第二水仙郷」があり、今回訪れたのは「第二水仙郷」です。
この上が第一水仙郷になります。
わあ、斜面にたくさんの水仙があって、風が吹くとゆらゆら揺れていました。
そして水仙の良い匂いが辺りを包んでいます。
満開、という感じではなかったけれど、僕が見た中でも見頃に近い感じでした。
次々と皆さん上がって来られ、その先へ上っておられました。
やはりその上へ、またその上へと行きたくなりますよね。
写真の左手は直島、右手は豊島です。
一年に一度、この水仙郷からの景色を眺めますが、やはり他にはあまりない景色で良いですね。
その時期、その場所でしか見られない良さがあるけれど、二月の男木島にもその良さがあるなあと思います。
もちろん好きな方は何時間でも眺めていてもよいのっですが、水仙を見に来たといっても5分から10分くらい眺めれば十分という気もします。
徐々に上って来る人も増えてきたので、灯台まで引き返します。
男木島灯台の内部公開
さて、再び灯台の方へ戻ってくると、国際信号旗が飾られていました。
僕は一度中へ入ってことがあるので(結構狭くて大変だった)、どうしようかなと思ったのですが、せっかくの機会なので上ってみることにしました。
奥さんは興味がないそうで、海辺にいるとのこと。
内部公開は、10名ずつ中へ入って上まで行くことができます。
係りの方が灯台につての説明をしてくれていました。
説明の途中「手荷物下において!」と指示がありました。
確かに、両手を使うので、荷物あったら最後のところ上れないかもしれません。
別の係りの方が「めおん10時の便400名だそうで、臨時便だそうです」と言っていました。
男木島灯台の内部公開は10分くらいで上がって下りて、ということなので、一日約200人くらいだそうです。
ヘルメットを着用し、手荷物(カメラはOK)を置き、上ります。
最初は螺旋階段。
ここでもロープを掴みます。
さらに垂直の狭いはしごを上っていきます。
前の方がカメラで階段を撮っていましたが「写真撮らずに早く上って!」と言われていました。
確かに、後がつかえるものね。
最初は階段ですが、その上ははしごです。
人がたくさん通ることを想定していないので、通路も狭く、人が一人通るのがやっとです。
梯子の上の方、今回は撮れなかったので、以前の写真を掲載しておきます。
最上部のライトのところでは膝をついてくぐらないと出られません…。
頂上部に到着です。
わあ、360度景色が見渡せます。
頂上部では狭くてすれ違えないので、何となく皆さん一方通行で一周しました。
男木島灯台の沖合は備讃航路の曲がるところ、一日400~500隻もの船が往来するのだそうです。
先ほど水仙郷からも見えましたが、潮の流れが早いです。
さっと見たら、下に降りて砂浜へ行きました。
暖かい日差しで、毎回ここは気持ちが良いですね。
(そして毎年この奥の洞窟に行こうと思うのだが、つい忘れてしまう…)
正面に豊島が見えて、甲生の砂浜が見えました。
「海を夢見る人々の場所」、あの辺りだろうか、としばらく見つめてしまいました。
狼煙をあげたら、お互いにきっとよく見えるだろうなあと思います。
男木島灯台水仙祭り
今回は「男木島灯台水仙祭り」という名前のイベントになっていました。
なかなか良い呼び名なので、今後もこの名前が続くといいなあと思います。
僕が訪れた男木島灯台の内部公開の他にもいくつかのイベントが開催されていました。
港へ戻りながら、紹介していきますね。
まずは男木島で人気のダモンテ商会さん。
昨年はお休みでしたが、今年はお店を開けておられ、下のテントの方でも販売されていました。
冬は他の作業がお忙しいそうで、閉まっていることがおおいです。
しかし、次々とお客さんが入って行きました。
人気があるのですね。
港のすぐ近くには「海征食堂」さんのテントがあり、海鮮の匂いがしてきました。
一杯やりながら、という感じでいつも賑やかです。
港からは「めおん2」が男木島一周クルージングを行っていました。
これに参加しようかどうしようか迷ったのですが、ランチの方が…ということで今回は乗りませんでした。
港から見ていたら、とてもたくさんの方が乗っておられたので、結構楽しかったのだろうなあと思います。
このイベントにあわせて「男木島船弁」というのも販売されていました。
すでに完売していて、予約分だけ取り置きされていました。
確かに、食べることが限られているので、人気があるのですね。
「男木島メタバース体験」というブースがありました。
小さい子がヘッドセットを装着して、男木島のあちらこちらへ行く、という体験をしていました。
「歩く箱舟」なんかもあって、面白かったのですが、目の前、あるいは近くに実物があるのに、仮想の意味があるのだろうか、と思うところ…。
ここで体験するなら富士山とか、ハワイとか南極とか、そんな方が面白いのではと思います。(しかしこれを「やりたい」と思える日が果たして来るのだろうか…)
アワビやナマコなど、海産物も販売していました。
購入しようかな、と一瞬思ったのですが「ランチがあるんで」と言われて思いとどまりました…。
「たこつぼる」の前には子ども会育成会のブース。
ココア、甘酒、レモネードと、イチゴ大福などがありました。
ええと、僕は食べていないのですが、このイチゴ大福、安くて驚くほど美味しかったのだそうです。
高松の有名なお菓子屋さん「た〇らくらい」と言っていましたので、美味しかったのだそう。
二個入りで400円。今後これを名物にしては、と思うほどです。
そうこうしているうちランチの時間が近づいてきました。
ランチ、僕も奥さんも水仙や灯台よりこちらの方が楽しみで、という感じになってきました。
男木島ゆくるさん、テントの方でもお団子なんかを販売していました。
すると高齢の女性グループの方が、
「ゆくるに行きたいんやけど、迷ってしもて道がわからん…」
と言っていました。
ちょうど僕も向かうところだったので、
「一緒に行きますよ」
と行くことになりました。
ogijimaゆくるでランチ
そんなに遠くないのですが、
「坂を上って下りて、行ったり来たりしよった」
「どこの道を行ってもつかんのや」
などなど、随分苦労されていたみたいです。
もし皆さんが彼女らと違ってスマホをお持ちでしたら、迷うことなくマップ案内を表示させることをお勧めします。
僕も一つだけ角を左に行くところを右へ行ってしまい、一同(奥さんも含めて)に
「あああ、やってしもた!」
と笑われてしまいました。
「案内をしているのに、随分な言われようだ」とは思うものの、坂道を上るからなのか「一歩でも多く歩きたくない!」というかがわさんの強い意志を感じました…。
「よくここへは来るんな?予約はしたんな?」
というような会話をしながら、5分ほどで無事にogijimaゆくるに到着です。
「こんにちは」と暖簾の奥へ入って行きます。
下のテントでもお店を出していて、そちらはご主人、お店は奥様がおられました。
昨年の夏、瀬戸芸に来て以来です。
2月にここに来ると、なんだかほっとしますね。
「いつも忙しいときにすみません」
「ぜんぜん、いいんですよ、いつもありがとうございます」
なんて言いながら、席に。
この日は暖かったのですが、お部屋の中はもっとぽかぽかとした温かさがありました。
外でお魚焼いていたので、僕は「ぶりのかま焼き」にしました。
奥さんは「タコライス」。
先ほどご一緒に入ってきた女性の方々は「タコライスってなんなん?固いん?タコが入っとる?」などと言っていて、ちょっと面白かったです。
店の場所も「タコライス」もよくわからないのに、どうやってここを予約したのだろうか、という気持ちにもなりますが、それだけ男木島ゆくるさんが知られてきたということなのでしょうね。
汁椀には沖縄そば。小鉢のついたおかずも、美味しかったです。
前回に続き、僕はぶりのかま焼き。かま焼き、ちょっとした名物になっている気がします。
食後にコーヒーをいただき、お腹いっぱいになりました。
男木島灯台や水仙とともに、男木島ゆくるさんに来ることが、2月の楽しみになっています。
ランチは週末や祝日にしているみたいなので、電話で予約して訪れてみてください。
男木島灯台水仙まつりのこの日は、12時の便もたくさんの人が乗っていました。
その折り返し便、13時発で帰ります。
男木島灯台水仙祭りが、瀬戸芸と並ぶような男木島の名物になっていくと良いですね。
ぜひ水仙の時期の男木島へ訪れてみてください。
それでは、今日はこの辺で。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。