前回の公渕公園に続き、 鹿の井出水の春 について書いておこうと思います。
鹿の井出水の春 というタイトルにしてみたものの、何度見てもその地名が難しいと感じることがあります。
(本当は「春の鹿の井出水」としたいところだけれど「の」が続いて見にくいので)
きっと理由はシンプルで、「鹿」の字が「しか」なのか「か」、「かの」(近くに鹿角という地名がある)なのか、そして「井出水」が「いでみず」あるいはい「かのい」の「しゅっすい」なのか…、などなど、読みと区切りがとても複雑なのです。
どうも県の資料には「鹿の井出水(しかのいですい)」と表記されているので、きっとこれは「鹿の井出水」と書いて「しかのいですい」と読むのだと思います。
しかし、僕は地元のかがわさんから「しかのいですい」と発音したのを耳にしたことはなくて、「しかのい」とか「太田(地名)の方の川」なんて言っているから、きっと地元の方も含め、ここの呼び名には区了されているのではないだろうかと思います。
(まあ、もちろん本当にすぐそばにお住まいの方はそうではないだろうけれど)
しかのいですい、ここ数年桜の時期にとても人気のスポットですので、少し訪れてどういう雰囲気の場所なのか見てきました。
もし鹿の井出水の花筏や桜の様子にご興味のある方の参考になれば幸いです。
目次
鹿の井出水 はサン・フラワー通り沿い
高松には、愛称を持つ道が結構あって、有名なところでは「中央通り」や「レインボー通り」、ちょっとローカルな「サンシャイン通り」(サンメッセの南)などがあります。
今回の鹿の井出水は、サン・フラワー通りという通り沿いにあります。
この表記もなかなか面白くて「サンフラワー」ではなくて「サン・フラワー」と中に点がつきます。
海に面した朝日町(県立中央病院がある)から、多肥下町までを直線で結ぶ市道で、なかなか便利な道なので、僕は結構利用します。
チェーンの飲食店、ファストフード、お菓子屋、スーパー、ドラッグストアなど、大体この道沿いを走ればありますよね。
もう一つ東のレインボー通りが混むことがあるのですが、比べてみるとまだサン・フラワーの方がまし、という感じがします。
最初にサン・フラワー通りと聞いた際、奥さんは「マルヨシがあるから?」なんて言っていました。
マルヨシセンターというスーパーがあるのですが、以前「サンフラワー」というお店だったのだそうです。
その店舗がちょうどこの道の一番南側(その先は工事始まって20年以上…)にあるから、てっきりそうかとしばらく思っていましたが、愛称を募集して決まったのだそうです。(2001年決定だそうだから、20周年ですね!)
毎年5月には、道沿いに花が咲くから、まさにサン(朝日町)・フラワーな通りです。
まあ、こんな風にサン・フラワー通りについてずっと書いていても良いのだけれど、ほとんどの方はそんなことに興味がないだろうから(まあ、他のもそんなにとも思うが)、先に話を進めます。
鹿の井出水は、四国香川県、高松市の南部にあります。
赤くラインを引いた道がサン・フラワー通りです。
この日は僕は車で行きましたが、鹿の井出水には駐車場はありません。
なので、鹿の井出水の駐車場についてご紹介することはできません。
近隣の駅はコトデンで、太田駅が最寄り駅です。
その手前には、2020年の秋に「伏石」という新駅が開業していまして、そこからは徒歩15分ほど。
特に鹿の井出水に関係はないけれど、新しい駅だから掲載しておくと、今も工事が続いています。
なるほど、高速道路の高架の下を横切る形でコトデンは走るのですね。
以前はここに踏切がありました。
5月に一度訪れたら南側の改札が出来ていて、まだ工事を続けているから、大変複雑な通路となっていました。
この先南側(まっすぐには行けない)へ歩けば鹿の井出水に行く道です
鹿の井出水へ
では、再びサン・フラワー通りに戻って、見て行きますね。
まあ、僕もどうしようかと思ったのですが、なかなかこんな道路の写真を鹿の井出水の前です、と紹介する記事も少ないだろうから、載せておきます。
普段はさっと車で通り過ぎてしまうし、桜の時期以外は、特に誰かがここを目的に訪れ、足を止めるという場所でもありません。
まあ、もう少し書いておくと、県警機動隊の西側、スターバックスや旧うどんの馬渕(今は大島うどん)クックチャムの南側です。
わあ、この時期には提灯がかけられているのですね。
手前の交差点の名前が「鹿の井」とあるし、この防災倉庫にも「鹿の井防災会」とあるので、この場所の地名として「鹿の井」と呼ぶこともあるのだろうと思います。
そうすると「鹿の井」の「出水」という区切りでよいのでしょうかね。
幅は数メートルの水路に、4~5mほどの小さな橋が架かっていまして、海外の方が興奮しながら写真を撮っておられました。
確かに、水面いっぱいにピンクの花弁が広がっていたら、驚きますよね。
鹿の井出水の春 散策路
花筏というのか、もう散りはじめて少し時間が経ちましたよ、という感じでした。
提灯も一つ落ちてしまっています。
なるほど、この水路の両脇に桜が植えられていて、遊歩道、散策路も整備されているのですね。
北側の歩道を進んでみます。
平日のお昼でしたが、春休みの時期だからか、結構子どももたくさんいて、賑やかな声に包まれています。
途中に東屋があるのですが、そこから水路に下りられる階段があり、とても賑わっていました。
なるほど、ここから皆さん水辺へ下りて行くのですね。
その先には、鹿の井出水修繕工事記念碑がありました。
なるほど、知らなかったのですが、保安3年(1122年)に鹿が出水を掘り当て、高松道の整備と土地改良に目途がついたので、記念に出水を綺麗に整備しましたよ、ということなのですね。
なるほど、もう一筋水路があって、その向かい側がカフェ(人気があって混んでいる)になのですね。
ここの辺りで南側を見ると、散策路が塞がっているので、さらに奥に行くには、今歩いている北側を通るしかありません。
「わあー!」とか「ワハハ」という歓声が聞こえてきます。
落ちそうになるけれど、落ちない、みたいなことが繰り返されていて、それを見ているだけでもなかなか面白いものです。
水面の花筏がばらけてくると、水が見えてきました。
わあ、鹿の井出水では、鯉が泳いでいるのですね。
桜の花弁が、鯉が動くたびに流れるように動きます。
近所の方がお世話されているのでしょうかね。
カフェの南側にも橋が架かっていて(普通の道路)、そのさらに東側へ歩いて行きます。
先ほどの水辺のように、たくさんの人という感じではないのですが、近所の子どもたちが遊んでいました。
「しかのいまちあわせね!」みたいな感じなのでしょうか。
鹿の井出水記念碑
もう少し東へ進むと、再びいくつかの石碑がありました。
鹿の井出水記念碑というのがあります。
先ほどの修繕工事記念碑よりも、もう少し詳しく書いてあります。(さらに個人名も刻んであるので、写真は一部加工しています)
要約すると、こう書いてあります。
当地で日照りが続き、雨ごいをした時、見慣れぬ白髪の老人が居石神社に現れ、鹿となって南西に走った。
鹿の井出水記念碑より要約
追っていくと鹿が止まり、前足で掘った場所から水が出たのでこれを「鹿の泉」と呼んで大切にした。
ウムム、なかなか面白い伝説ですね。
もののけ姫の静止画をお借りして説明すると、
老人(仙人)が神獣、鹿として現れ、
里の人がその後を追うと、
「ここじゃ、ここを掘るがよい」と水源を教えてくれた、というお話です。
なかなか神秘的なお話です。
石碑に刻まれている「居石神社」はまだ現在もあり、ぽかぽか温泉(ドラッグストアに替わった)とカニ料理店の間にあります。
「伏石」「立石」「居石」の三つの神社がこの辺りにはあるのだそうで、この名字の方も高松には多いですよね。
しかし、追っていくにも、結構距離がありますね…。
この地図を作っていて気が付いたのですが、右は区画整理、左は昔のまま、というのがよくわかりますね。
その隣には、馬渕繊維の馬渕さんが桜参拾五本を寄贈しましたよ、という記念碑がありました。
鹿の井出水の桜は、馬渕さんの桜なのですね。
奥には小さな祠もありました。
「鹿の井出水水神さん」という木札がありますので、鹿が前足で掘ったのはこの辺りなのでしょうか。
水路沿いの遊歩道は、ここまででした。
ここから戻りながら、もう少し桜を見て行きますね。
鹿の井出水の春
春の長閑な雰囲気です。
以前は桜の名所というより、近所の方が楽しむ程度でしたが、ここ数年、人気が出て来たようです。
確かに、提灯に照らされたら、なかなか素敵な雰囲気ですね。
僕も先ほどの階段を下りてみました。
いやあ、結構小さな石だから、転んだり、バランス崩したりしないようにしなければ…。
撮るのに夢中になって、バシャンなんて考えただけでも恥ずかしい…。
見ていると、ハラハラと桜が舞い散って水の上に落ちて行きます。
春の桜を見ていると、もちろん満開も綺麗なのですが、この散るタイミングが僕は好きです。
こちらが鹿の井出水西側。
こちらがサン・フラワー通りの東側。
桜の花に近づくと、ふんわりと花の良い香りが風に乗ってやってきました。
桜の花はまた来年。
また来年は普通にお花見やさくら祭りが出来ると良いですね。
桜の花が舞う鹿の井出水、なかなか良い雰囲気の中を歩くことができました。
ショッピングやお食事などで、お近くに来られた際には、是非立ち寄ってみてください。
- 鹿の井出水(しかのいですい)
- 香川県高松市太田下町3015
- 駐車場:なし
それでは、今日はこの辺で。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。