御厨人窟と室戸岬灯台へ行ったことを高知への旅の最後に書いておこうと思います。
いや、別に誰もが知るような観光地ということでもないのですが、以前訪れた際に、両方とも立ち入りができなかった場所です。
なので、御厨人窟は奥さんが、室戸岬灯台は僕が、次回訪れた時には行ってみたいと思っていました。
天気が良くなかったのですが、両方訪れることが出来たので、どんなところだったか書いておきます。
室戸岬のすぐ東にある洞窟「御厨人窟」や、室戸岬灯台にご興味のある方の参考になれば幸いです。
目次
御厨人窟の場所と駐車場
むろと廃校水族館から御厨人窟へ向かいます。
「御厨人窟」と書いてあっても、何と読むのかわからないですよね。
僕も行く前はわからなくて、「みくりじんくつ」(←これで今も変換している)とか読んでしまいます。
「みくろど」としているところもあれば「みくろどう」としているところもあるので、どうしようかな、と思いつつ「みくろど」としました。
では、御厨人窟の場所から見て行きますね。
室戸岬の東側へ500mほど行ったところにあります。
遊歩道が整備されているので、歩いて巡っている方もいました。
何か看板など、目立つようなものは道路沿いにないから、よく見ていないと、ついつい通り過ぎてしまうかもしれません。
御厨人窟には、案内所のような建物があり、金土日祝日はこちらが納経所となるのだそうです。(僕は平日に行ったので、閉まっていました)
御厨人窟は崖の下の洞窟
駐車スペースに車を停めると、目の前は高い崖になっています。
一組の方がおられました。
御厨人窟、どんな場所なのか気になりますよね。
御蔵洞(御厨人窟:みくろど)
御蔵洞(御厨人窟:みくろど) | 一般社団法人室戸市観光協会 公式ホームページ
室戸市には、弘法大師(空海)ゆかりの場所が数多く残っています。 その一つがこの「御厨人窟」で、修行時のご住居として使われていたと伝えられています。 約1200年前の平安時代、青年時代の大師が悟りを開いたといわれる洞窟で、内には五所神社とばれる社があります。 “空海”と名前をつけたのも、ここから見える空と海に感銘を受けたからと言われています。 この横に主に御修行の場として使われていたと伝えられる「神明窟」があります。 なお、「御厨人窟の波音」は環境庁の「日本の音風景100選」に選ばれています。
なるほど、弘法大師が若い頃お住まいになり、修行されたのがこの場所ということなのですね。
室戸市指定文化財・史跡になっているのですね。
実は2021年3月には、落石の危険があるので、立ち入りが制限されていました。
ムムム、確かに、小さな石が無数に転がっているから、危険がないとは言えない雰囲気です。
一応自転車用のヘルメットを持っていたので、それを着用して中に入ります。
(落石はなかった…)
僕も奥さんもはじめて来たので、中がどうなっているのかは、全くわからない状態です。
この外観からイメージすると、奥にまでずっと洞窟が続いているように思っていました。
御厨人窟の中へ
ええと、ここまでは普通だったのですよ。
この鳥居をくぐるまでは。
しかし、灯りのない洞窟には僕らも入ったことがなくて、その荘厳な雰囲気に驚いてしまいました。
わあ、これは奥までいけるのだろうか、というそんな感じです。
僕は二人で入ったし、やはり入ったからには奥まで行かないと、みたいな気持ちになったので、行きましたが、入らなくても全然おかしいことではありません…。
ポタンピチョン、ポタン…という音がして、絶え間なく水音がしています。
そして、中の空気はもう昔から入れ替わったことがないのではないか、というくらい重いです。
そして、一番は、洞窟の外から聞こえる波の音。
ザブーン、とは聞こえずに、「ゴン、ドドドド…」という激しく岩にぶつかる音が響きます。
くぐってきた鳥居を見ると、光が差し込み、その向こうは空と海。
外よりも何倍も湿気があるので、暑くないのにじっとり汗がでてきました。
自然と岩が支配する匂いがしますので、わあ、これは、いろいろ考えて早く外に出たい、そんな状況でした。
お賽銭を入れ、お参りしてから戻りました。
「すごかったね!」
「いやあ、油断していたけど、ここはすごかった!」
二人ともなかなか言葉にならない怖さがあって、ちょっと興奮してしまいました。
ここで生活したり、修行するって、ほんとにすごなあと思います。
神明窟
そのお隣には「神明窟」がありました。
もう僕は少し怖気づいていまして、入らなくてもいいかも、なんて思っていましたが、奥さんはとっとと先に行ってしまいました。
まあ、一つだけ参って、もう一つに参らないのもないよな、と入って行きます。
御厨人窟に比べて、神明窟は奥の方がどうなっているのか、比較的わかりやすかったです。
奥さんはこちらの洞窟の方がすごかったらしく、手を合わせた後、しばらく動けない程だったそうです。
僕は「はやくどいてくれないかな」くらいに思っていたので、後から聞いたら、そういうことでした。
もしかして1200年前、ここに弘法大師が来られ、修行をされていたと想像すると、確かに厳粛な気持ちになります。
こちらもお隣同様、ポタンポタンという水音だけが響く洞窟でした。
僕はなるべくここからは早く出たい、という気持ちになりますが、籠るのが修行というのは、そういうことなのだなあと感じます。
訪れたのは昼間だったけれど、夜になるともっと大変だったのではないだろうか、と想像しました。
両サイドに小さな岩があって、人の手によるものなのか、自然のものなのかわからないほどです。
並べたり、積まれたりしてあったから、きっと昔からあるものなのでしょうね。
もし天気がよくて、晴れていたら、空と海、という景色が目の前に広がっていたのだろうなあと思います。
垂直に近い岩肌から、根が剥き出しになったままの植物がたくさん生えています。
人間の立ち入れる範囲はここまで、と自然が勝るような、そんな雰囲気が室戸にはありますね。
僕らがいる時には、幸いにも落石はなかったけれど、どうぞ行かれる際には、十分にお気をつけてお出かけください。
御厨人窟から室戸岬灯台へ
さて、御厨人窟から室戸岬灯台へ向かいます。
奥さんは自分の行きたいところに行ったから、もう帰ろう、と言っていましたが、僕はここだけは寄りたかったので、室戸スカイラインへ。
車で行くと、約5分ほどです。あっという間に駐車場に到着です。
どうして僕が室戸岬灯台にこだわっているかというと、以前2021年に訪れた際には、こちらも台風被害があって、通行止めになっていたからです。
せっかく行ったのに、あと一歩で見られなかったら、やっぱり見てみたい、という気持ちになりますよね。
駐車場に着いてから思い出したのですが、室戸岬灯台には、別にはじめて来るわけではなく、一度若い頃に来ています。
しかし、何となくゆっくり写真撮ったり、動画を撮ったりしたいなあ、という気持ちが当時からあって(当時は写ルンですでした)、20年以上経ってもその気持ちは変わらなった、という感じです。
雰囲気の良い最御崎寺の参道入口で「行こうよ」と奥さんに声かけたけれど、坂道があるから行かない、とのこと。
最近上り坂になるとよくあることですが、仕方がないので、僕だけ行くことにしました。(一人だと長くいられるので、それはそれで都合がよい)
室戸岬灯台への道
「参拝順路」となっていることからおわかりのように、最御崎寺の参道、遍路道となっています。
室戸岬灯台も同じ方向になるので、途中まで参拝順路と室戸岬灯台への道は同じということになります。
何が言いたいのかと言うと、巡礼するお遍路さんと室戸岬灯台に行く方が、同じ道を行く、ということです。
お遍路装束に身を包んだ方とすれ違いました。
順番にまわられているのか、厳かな気持ちになります。
一組、室戸岬灯台の方から来られる方がいました。
先ほどの巡礼の方よりも若い方でした。
まあ、別に札所と観光名所が一緒になっていることは四国ではよくあることなので、気にしないで進みます。
最御崎寺の仁王門、ここまでが前回来ることが出来た場所です。
また、国道沿い岬の遊歩道から歩いて上がってくる場合にも、ここに着きます。
そして、ここからが前回行けなかったところです。
実際に行ってみれば、なんてことのない場所なのですが、じっくり歩いていきます。
そこまでは上りが続いていましたが、少し下っていく坂道で、滑らないように階段状になっていました。
ここが新しかったので、ここが崩れてしまっていたのでしょうね。
しばらく下っていくと、前が開けてきました。
この辺り、もう少しで岬の灯台へ着きますよ、という雰囲気がとても好きです。
足摺、室戸と、高知には素晴らしい灯台がありますね。
晴れていたら、と思わずにいられないところですが、来られたことに感謝しなければ。
室戸岬灯台
わあ、正面に大きなレンズが見えてきました。
灯台を高いところから眺められるのですね。
室戸岬灯台に到着です。
室戸岬灯台、読み方もなかなか独特で、説明版には「むろとざき」とルビがふってありました。
海上保安庁のサイトを見ると「murotosaki」となっているから、「むろとさき」とも読むのでしょうかね。
市や観光協会では「むろとみさきとうだい」としているので、どちらかというと一般的には「むろとみさきとうだい」で、海保などは「むろとざき」「むろとさき」と呼んでいるのでしょうかね。(以前市役所にメールでこの内容を尋ねたが、返答はなかった)
別に恋人の聖地巡りをしているわけではないのですが、ここ室戸岬灯台も恋人の聖地に指定されていました。
中岡慎太郎像の上の展望台と、室戸スカイライン山頂展望台にも同じようなモニュメントがあるのだそうです。
わあ、立派な灯台!これぞ灯台、という感じです。
明治32年以降、室戸の海を照らしているのだそうです。
室戸岬のシンボルは、青い空と海のはざまに立つ白亜の灯台。
室戸岬灯台 – 室戸市 ホームページ
明治32年以来、 航海者たちの安全を照らす水先案内人として活躍しています。室戸岬先端、標高151mの山上にあり、レンズの大きさは直径2m60cmと日本最大級。
毎年11月1日に近い土・日曜日に行われる「灯台まつり」の日には、 内部を一般開放しています。
室戸岬灯台への通路について復旧工事が終了し、通行可能となっております。(令和4年7月1日時点)
毎年11月に室戸岬灯台祭りがあり、内部を公開しているのですね。
2023年は11/3に開催するようです。
令和5年11月3日(金)に開催いたします。 時間やイベント内容はまだ決まっておりませんが、日は決定しております!みなさま、ぜひ! 11月3日は「室戸岬灯台まつり」にお越しください。
隣を見ると「退息所」のような建物がありました。
予算がいるけれども、あの建物まで遊歩道を伸ばし、行けたらなあと思います。
少しすると、風が強く吹き始めました。
風に混じってぱらぱらと小雨も。室戸の自然の厳しさを感じます。
ずっと見ていたいけれど、そろそろ車に戻ります。
室戸岬灯台、見に来られてよかったです。
DMVデュアル・モード・ビークルとすれ違う
さて、室戸岬灯台をあとにして、帰ろうとしていたら、一つ思い出したことがありました。
キラメッセ室戸で食事をした際に、こんなパンフレットを見つけていました。
線路の上では鉄道としてはしり、道路の上ではバスとして走るDMVデュアル・モード・ビークルが、この日は高知県奈半利まで行くというのです。
僕も開始当初から一度乗ってみたいと思っていますが、なかなかそれだけを乗りには来られない場所でもあります。
結構最初人気があって、週末は予約いっぱいだった気がします。
何が珍しいのかと言いますと、徳島と高知、それぞれから鉄道を延伸していまして、徳島は「阿佐海岸鉄道」、高知は「ごめん・なはり線」。
どうしても最後の室戸のところを結べなくて、鉄道車両がバスに変わるDMVで運行をしています。
それでも、通常は「海の駅とろむ」(ドルフィンセンターのあるところ)までしか行っていなかったのですが、この日は奈半利まで特別に行くとのことです。
この路線を公共交通機関が走る、というのは世紀を超えた悲願でもあるので、大きなニュースになっていました。
そして、僕はこの室戸から奈半利の道を、同じ日の午後に走っているわけです。
「もしかしたらDMVが前から来るかも!」
「え?!DVD?」
みたいな会話になりますから、DMVの名称はもっと簡単な「列車バス」とか「変型列車」とか、早くいい名前をつけてあげてください。
「ちょっと前に写真構えておいて」
と無茶なお願いしていると、
「来た!赤い車!」
「え、どこ?どれ?」
と慌てて撮った一枚がこちらです。
いやあ、乗っている方は前から撮れないし、追い越しもできないから、バスモードで国道を走行している前から撮った写真は、なかなか珍しいのでは、と思います。(なぜか大満足!)
人口が減り、高齢化が進むけれど、地域の公共交通機関は必要ですよね。
DMV方式、どうなるかはわかりませんが、世界ではじめての面白い試みだと思いますので、もし来られる方は利用してみてください。
帰りに道の駅やすに立ち寄り(メロンが美味しかったのが、閉店時間だった)、高速で高松に帰りました。
高知の旅、行くたびに楽しい発見があって、またしばらくしたら行きたくなります。
善通寺インターを過ぎたあたり(オービスがあって皆速度を落とす危険なところ)で、讃岐富士に虹がかかりました。
天気はよくなかったけれど、合間で虹がみられるかもしれない、というのも、今回の旅の学びでした。
長くなりましたが、高知の旅の記録はここまでです。
それでは、今日はこの辺で。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。